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【オトナ女子映画部】大人の女性なら分かる「涙」の意味『短い記憶』

【オトナ女子映画部】大人の女性なら分かる「涙」の意味『短い記憶』

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10代の恋愛、シングルマザー、動物遺棄といった社会的なテーマを題材にした映画『短い記憶』。2010年の「釜山国際映画祭」、2012年にフランスで開催された「アジア映画祭」など数々の映画賞で受賞した話題作が6月9日(土)より全国のコロナシネマワールドにて公開。5日にはミン・ヨングン監督と主演女優ユ・ダインが来日し、舞台挨拶を行った。
『短い記憶』は犬のトリマーとして働く主人公ヘファが、傷つきながらも懸命に生きるヒューマンドラマ。17歳の高校生ヘファと恋人のハンス。ヘファが妊娠するとハンスは忽然と姿を消してしまう。しかし、5年経ったある日ヘファの前に突然ハンスが訪れ、衝撃の事実を伝える。突然消え、そしてまた突然現れたハンスにヘファの心はどうしようもないほど揺れ動く。

あらすじだけ読むとヘビーなテーマを扱っているだけに、重く暗い作品を連想してしまうが、物語はとても静かに展開していく。まず、はじまって数分間で映像美に惹き込まれ、ヘファを演じた女優ユ・ダインの圧倒的な透明感に惚れ惚れするだろう。

同じ様な境遇の人は多くないだろうが、若い頃に恋愛で傷ついた事がある人なら、10代の頃の2人の無邪気さと、自分の傷を誤魔化すように忙しく日々を過ごす大人になった2人の対比は切ないほどリアルに感じられるはずだ。

舞台挨拶で監督は本作を撮ったきっかけについて「TVのドキュメンタリーの仕事で野良犬を助ける女性の撮影をしたこと」と明かし、「傷ついた犬を見て彼女は涙を流していたが、その涙にはもしかして彼女自身の辛い出来事の思い出も込められているのではないかと思った」と話した。

過去に大なり小なりいくつかの傷を持つ、大人の女性ならヘファの流す涙の意味にきっと気付くことだろう。ユ・ダインも「未熟さゆえに傷つく10代の姿と、女性の母性愛が感じられる作品」と話しており、10代から20代を演じ分けた彼女の熱演にも注目だ。

映画のキャッチコピー「あの時もし…を考えても、答えは白くなる。」は、色々な経験をしてきた大人の女性にこそ刺さる言葉。静かながら色々な事を考えさせられる傑作映画が誕生した。(中村梢)

『短い記憶』
6月9日(土)より全国のコロナシネマワールドにて公開。
配給:マグネター

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