“ちょっとイカれた”企業の誠実な採用現場

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“ちょっとイカれた”企業の誠実な採用現場

 インターネットで靴を通販する会社で、広告もほとんど打たないのに創業からたった10年で年間売上高10億ドルにまで成長。現在は靴以外にも衣料小物、家具、ハロウィーンのコスチュームなどをオンラインで販売しており、“ちょっとイカれている”ことが大切にされる風土を持っている企業……といえば、ザッポスだ。

 ザッポスはソーシャルネットワーク戦略の先駆者としても知られているが、社員たちが仕事熱心でよく働く企業文化を持っていることでも注目を集めている。ビジネス誌の『フォーチュン』で「働きたい企業トップ10」にランクインしたこともあるほどだ。
 ザッポスの社員たちが文化として持っている価値観を軸に、ザッポスが提供する顧客サービスについて全貌を解き明かした『究極の顧客サービス「ザッポス体験」』(ジョゼフ・ミケーリ/著、藤井留美/訳、本荘修二/解説、日経BP社/刊)の中から、ザッポスの顧客を大事にする姿勢の一つを垣間見ることができる“採用方法”を紹介しよう。

■ザッポスが不採用者に向けてやっていることとは?
 前述のように、「働きたい企業トップ10」にランクインするほど人気の高いザッポス。リクルーティング・マネジャーのクリスタ・フォーリーによれば、一年間の求人数約450人に対し、応募者はなんと3万人にものぼるという。
 そんなザッポスは、応募者の能力だけではなく自社の価値観や文化にフィットできるかどうかを採用時に重要視する。そのため、時にはくだけた場を用意しながら、何段階ものふるいわけを行っていくという。そうした激しい競争を勝ち抜いた1.5%の人間だけが、晴れてザッポスの一員となれるのだ。

 しかし、採用におけるザッポスの凄いところは、不採用者に対する誠実な対応だろう。
 普通の企業であれば、人材担当部門も忙しいため採用しない人間とコミュニケーションを取ることはほとんどない。あるとすれば、不採用通知を送るくらいだろうか。しかし、ザッポスの場合、不採用者にもどうして不採用になったのか、その人の能力の何が不足していて、面接の受け応えのときにどんな点を改善すべきかを伝えているのだ。
 そこにあるのは、採用応募者もいずれは顧客になってくれるかも知れないという考えだ。自分たちがサービスを提供する相手は実際に商品を買う顧客だけでないとし、不採用になってしまっても彼らを尊重することで、ザッポスのコアバリューの一つである「サービスでワオ!を提供する」を実践しているのである。

 ソーシャルメディアが発達して以来、企業と顧客の距離は近くなり、企業は「オープンで正直なコミュニケーション」を求められるようになった。ザッポスはそうしたコミュニケーションを心がけており、ポジティブな価値観を持って世の中に優れたサービスを提供しようとしている。

「簡単に言えば自由ということ。そして他人のために正しいことをやろうという気持ち。それがザッポス体験だ」(ジェフ・ルイス/カスタマー・ロイヤルティ・チーム)

 本書ではこの「ザッポス体験」が一冊の本としてまとめられている。究極のサービスとは何か、そのヒントが詰まっているはずだ。
(新刊JP編集部)



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