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未成年者の犯罪や事故、親の責任はある? ない?

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未成年者の犯罪や事故、親の責任はある? ない?

 未成年者が犯罪を起こしたとき、その子どもの親に責任が問われるのは当然のことのように思えます。しかし、実際のところ、法律ではどのように未成年者の犯罪や事故(不法行為)を考えているのでしょうか。
 民法を分かりやすく解説する新書『弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業』(木山泰嗣/著、光文社/刊)から、中学1年生の少年が万引きをしてしまった場合に発生する、親の責任についてご紹介します。

 中学1年生のヨシキは同級生に誘われたのをきっかけに、気晴らし程度に万引きをします。家に帰って戦利品を自分の部屋に広げると、マンガ本が3冊、スナック菓子が4袋、ヘアワックスに髪染め、海外ロックバンドのCD2枚が床に並びました。
 その後も万引きを繰り返していたヨシキでしたが、慣れが油断を生み、CDショップの私服警備員につかまってしまい、お店の店長と警備員に母親を呼び出されます。30分後、お店に来た母親はヨシキの頬に平手打ちをし、こう言い放ちました。「わたしが万引きをしたんじゃないから、弁償はしませんよ。あなたが自分で弁償しなさい」。

 この場合、民法はどう考えるのでしょうか。
 民法714条1項では、「責任無能力者の監督責任」といって、「責任無能力者」が第三者に加えた損害については「責任無能力者」に対して監督義務を負っている者が責任を負うと規定されています。
 未成年者の場合、年齢が低ければ低いほど「責任無能力者」に当たる可能性が高くなります。「未成年者」は民法第4条で、年齢が満二十歳未満のこととされており、未成年者が他人に損害を与えた場合、「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」を備えていない場合には責任を負わないとされています(民法712条)。
 ここでいう「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」が「責任能力」になるのですが、この責任能力は11歳で「ある」とされた判例もあれば、12歳で「ない」とされた判例もあります。未成年者の親は未成年者に対して監督義務を負っていますから、例外ももちろんありますが、責任能力がない未成年者の子が行った第三者への加害行為については、親が「責任無能力者の監督責任」を負うことになります。

 この場合の焦点は、中学1年生のヨシキ少年が責任無能力者と認定されるかどうかです。もし、認定されれば親が監督責任を負うことになります。しかし、実際のところ、こうした議論をするまでもなく、親が解決金や損害賠償を支払い、示談(和解)が成立することが多いと本書では指摘されています。

 『弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業』では、個人間での1万円の貸し借りが発生した場合、それぞれにどのような権利が発生するのか? 頼んでいないことを勝手にされたら? など様々なケースをもとにストーリー仕立てで分かりやすく民法のイロハを教えてくれる一冊。
 日常生活に密着しているからこそ難しいイメージのある民法ですが、いざとなったときに自分の身を守るために覚えておいて損はないはずです。
(新刊JP編集部)

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