世界最大の日干し煉瓦の都市、チムー王国「チャンチャン遺跡」

access_time create folder生活・趣味
インカ帝国に滅ぼされたチムー王国「チャンチャン遺跡」

海岸砂漠の上で栄えた太陽の街

インカ帝国に滅ぼされたチムー王国「チャンチャン遺跡」
チャンチャン遺跡、それは、ペルー北部、太平洋沿いに位置するトルヒーヨにあります。

600年前、ここはアメリカ大陸最大の都市でした。また史上最大の日干し煉瓦の都市でした。赤道より少し南に位置し、太陽がギラギラと照り付ける土地のせいか、チムー王国の首都は、「チャンチャン」と呼ばれました。「チャン」は太陽を意味します。

インカ帝国に滅ぼされたチムー王国「チャンチャン遺跡」
当時6~10万人の住人がいたとされ、20平方キロメートルの中に、万単位の建物が迷路のように建ち並んでいました。中には、9メートル以上の高さ、数百メートルの幅のある巨大な建物もあります。

今も残る遺跡には、城壁付きの砦、神殿、広場、ピラミッド、墓などが見られます。壁には魚や鳥を彫刻で施した装飾が特徴的です。

彼らが信仰していたもの

インカが太陽を崇拝し、地球をあがめた一方、チムーにとって宗教的に重要だったのは月と海でした。

王国に暮らしていたのは、ほとんどが君主に使える労働者、そして熟練した職人、司祭といった特権階級です。

すべての男性は平等に作られていないと言う考えのもと、厳密なヒエラルキーに従っていました。

インカ帝国に滅ぼされたチムー王国「チャンチャン遺跡」
チムーの神話によると、太陽は3つの卵を創造することで世界を成り立たせていました。支配階級のための金の卵、彼らの妻のための銀の卵、そしてそれ以外の者のための銅の卵。

それが西暦850年から1470年にかけて続いたチムー王国でした。遺跡のモチーフがかわいらしいのにどこか不気味な理由が分かる気がします。

昔はなかったのに、現在ありすぎるものとは?

インカ帝国に滅ぼされたチムー王国「チャンチャン遺跡」
インカ帝国の征服後、多くの職人たちはクスコに連れていかれたそうです。その後コロンブスがアメリカ大陸を発見し、この地にスペイン人たちがやってきたとき、打ち捨てられた街には、銀で覆われたドアが残っていたといいます。

インカ帝国に滅ぼされたチムー王国「チャンチャン遺跡」
そのように豊かな帝国でしたが、唯一欠けていたのは水。降水量がとても少ない土地でしたが、灌漑の運河や井戸といった高度な技術で畑や庭は茂っていました。

それが何の因果か、その後は水が過多になるという歴史が待っていました。エルニーニョの洪水や集中豪雨で少しずつ浸食されているそうです。

修復作業も行われているということですが、こういった文明の跡が末永く残っていくことを祈ります。

参考
[Smithosonian.com]
[ペルー政府観光庁]
[Lonely Planet]

[All Photos by shutterstock.com]
世界最大の日干し煉瓦の都市、チムー王国「チャンチャン遺跡」

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. 世界最大の日干し煉瓦の都市、チムー王国「チャンチャン遺跡」
access_time create folder生活・趣味
local_offer
TABIZINE

TABIZINE

TABIZINE(タビジン)は旅と自由をテーマにし、日常に旅心をもてるようなライフスタイルを提案します。覗き込めば、世界地図を拡げた時のワクワクがあるような、はたまた旅する非日常を感じ旅へ向かわずにはいられなくなるような、そんな夢見心地にするパワーがあるメディアでありたいと思っています。人生は一瞬一瞬が心の旅。皆さんが何にもとらわれることなく、自由で冒険に満ちた毎日になるような情報をお届けします。

ウェブサイト: http://tabizine.jp

TwitterID: tabizine_jp

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。