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2トーンの瀟洒な外観に秘められたロータス専用ガレージ【edgeHOUSE】

▲1台を収めるには贅沢なほどのスペースをもつインナーガレージは、施主の思いがこもった空間。奥さまや愛犬との生活を巧みにバランスさせた居心地のよさが際立つS邸だ

車の存在を生活空間の一部とする家|建築家・綿貫 清(清友建築事務所)

今回ご紹介するS邸は、愛車と住まいとをさり気なくバランスさせている好例だ。場所は横浜市。丘陵地帯に広がる住宅街は昭和30年代からの歴史があり、築年数の浅い新しい住宅と昭和を感じさせる佇まいが複合している。

碁盤の目のように区画整理された一画に、欧米の街並みにあるような瀟洒な佇まいのS邸はあった。

正面の道路からセットバックし、1階部分と2階部分とで壁面が色分けされ2トーンとなっていることが特徴。正面から観察すると1階に1つ、2階に3つ並んだデコラティブな窓が楽しげで、幸福感に包まれた家庭を象徴するかのように見える。

もう1つの特徴であるウッディなオーバースライダーの存在は、この家の主が車にこだわりをもっていることをうかがわせている。セットバックしたスペースには、1台なら大型車でも余裕で駐車が可能。普段は、Sさんが日常的に使用するプラグインハイブリッドのSUVを置いているようだ。

さっそく邸内を拝見する。いつもはガレージから内部に入るのだが、今回はあえて玄関から。ドアを開けると、広い正面にやや低く横長に広い窓が設けてある。

そこからガレージ内に格納されている愛車の姿が確認できた。低い車高で、まるでガレージのフロアに貼り付いているかのようなロータス・ヨーロッパ。日本ではあまり見かけることのない、ロータスのグランドツアラーだ。

玄関のガラス窓は「ピクチャーウインドウ」と呼ばれるもので、文字どおりガレージ内の車が壁に掲げられた絵画のように見える。ロータスのシルエットをうまく収めるための形状とレイアウトが、訪れる人に小さなサプライズを与える心憎い演出だ。

設計を担当したのは建築家の綿貫さん。Sさん夫妻が鎌倉にある住宅展示場を見学に行った際、住宅メーカーであるアキュラホームの設計を請け負っていた綿貫さんと出会った。そこで自邸のイメージを伝えたところ、

「その場でパパッとデザインを提案してくれたのですが、とても発想が豊かで自分のイメージとも合っていました」と、Sさん。

その場で綿貫さんに設計を依頼することを決めたという。設計にあたりSさんが綿貫さんに出した希望は、

①ロータスと趣味のスペースが確保できるインナーガレージがあること。

②ガレージ脇に書斎を備え、そこから愛車が眺められること。

③外にも車が駐車できるスペースを確保すること。

④対面キッチンと広めのLDKを含む生活空間があること。

「S夫人からの強い希望はなかったのですが、会話の中で輸入住宅にあるようなデコラティブな雰囲気や柔らかい色合いなどがお好みであると探り出しました」と綿貫さん。

ガレージ内部は、コンパクトカーならば2台並べて置けるスペースを持っているが、「ロータス1台を入れ、残った空間は趣味のスペースに……」とSさんがいうように、現在はトレーニングマシンが分解された状態で無造作に置かれていた。

自然光が入る窓が設けられていることに加えて、ウッディなデザインの白壁を用いているためガレージ内部はとても明るい。この壁面は、建物の外壁とも共通したデザイン。

「ファサードのデザインに関しては、Sさんがイメージしていた洋風の瀟洒な住宅を写真で提示していただきましたので、なるべくそれに近づけるようにしました。外壁に関しては、塗装済みのサイディング素材からセレクトしていただくことで、コストを抑えることもできました」と綿貫さん。

これにより、オーバースライダーを開放した際には、内と外の境界が曖昧になり、広大なテラスのような使い方ができそうだ。

車を生活空間の一部とするためのガレージ

ロータスの後方には書斎が設けられ、希望どおり窓越しにガレージ内部を見ながら趣味の時間に没頭できるというレイアウト。

その書斎にはミニカーや模型など趣味のアイテムが並べられている他、カーテンで覆われた書棚には子供の頃に集めていたという車のカタログがあふれんばかりに収められていた。

ここは、なかなか処分できずにいる古いカタログを置くための専用スペースで、Sさんが綿貫さんに依頼をして特別に作ってもらったという。

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