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『ロスト・アンド・ファウンド』ジョルジャ・スミス(Album Review)

『ロスト・アンド・ファウンド』ジョルジャ・スミス(Album Review)

 イギリス・ウォルソール出身の20歳 。ブレイズヘアとエキゾチックな顔立ち、抜群の歌唱力とサウンド・センスを兼ね備えた、スタイリッシュさを地でいくシンガー・ソングライター、ジョルジャ・スミス。

 その実力は折り紙付きで、自身のツアーに抜擢したドレイクはじめ、多くの著名アーティストが絶賛。また、今年2月にロンドンで開催された【BRIT Awards 2018】では、今後の活躍が期待される新人に贈られる<BRITs Critics’ Choice>を受賞し、全世界で大ヒットを記録しているケンドリック・ラマーのプロデュース作品『ブラックパンサー:ザ・アルバム』に「I Am」を提供するなど、人気・活躍の幅を広げている。

 そんな絶好のタイミングでリリースされた、彼女のデビュー・アルバム『ロスト・アンド・ファウンド』は、全曲を彼女が手掛けた意欲作。ソングライターには、デビュー・アルバム『Lonely Are the Brave』(2012年)がUKチャート2位を記録した、英ロンドン出身のシンガーソングライター=マイケル・スタッフォードや、フランク・オーシャンなどを手掛ける米ニューヨークの音楽プロデューサー、ジェフ・クレインマンなどが起用されている。

 宙に舞うようなファルセットと、ニュートラルなハスキー・ボイスで、 高低差も難解な旋律も軽々歌いこなすジョルジャ。冒頭のタイトル曲では、途中、ミニー・リパートンのようなオクターブの鳴き声を響かせ、幅広い音域を披露している。

 ネオソウルの典型的なスタイルともいえる「Where Did I Go?」は、同ツアーで聴いたドレイクが“フェバリット・ソング”として挙げた曲。ピアノベースの心地よいオーガニック・サウンドと、肩の力を抜いたジョルジャのボーカルに、いつまでも浸っていたくなる。 デニス・ウィリアムスの名クラシック「フリー」(1976年)のような、舞い上がっていくフックが聴きどころの「February 3rd」も、単調ではあるが中毒性のあるナンバーだ。

 リアーナを彷彿させる、ちょっと雑な歌いまわしが印象的な「On Your Own」は、若干ズレるピアノの伴奏が生演奏っぽさを演出する。リアーナといえば、ディジー・ラスカルの「Sirens」をサンプリングしたジョルジャのデビュー曲「Blue Lights」が、彼女のNo.1ヒット「Diamonds」(2012年)にソックリだが、ドレイクが絶賛する理由は、そこにもあったか……(?)。同曲は、故郷ウォルソールで撮影されたミュージック・ビデオも完成度高く、偏見を無くしたいというコンセプトが、多くの共感を得ている。もう1曲のシングル「Teenage Fantasy」も、 スッピンで挑んだモノクロのビデオが話題を呼んだ。

 レコードのノイズを起用した、エキゾチックな雰囲気のミディアム 「The One」や、夏の夜にハマりそうなロマンティック・メロウ「Wandering Romance」などのレトロなナンバーから、ラップを絡めて歌う90年代直球のヒップホップ・ソウル 「Lifeboats (Freestyle)」まで、世代感も幅広い。その「Lifeboats」と、アコースティック・ギター1本で仕上げたアンプラグド風のバラード「Goodbyes」には、女王ローリン・ヒルの影が……。

 ラスト2曲、静と動が入り乱れる感情むき出しの「Tomorrow」~ソウルの域を超えたピアノ・バラード「Don’t Watch Me Cry」の流れは、映画のエンディングが目に浮かぶような展開。“裏切らない”という意味でも、何て良くできたアルバムなんだろう……と、関心してしまう。

 本作を引っ提げて、8月に開催される【SUMMER SONIC 2018】に出演するジョルジャ・スミス。日本盤は7月4日にリリースされる予定。

Text: 本家 一成

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