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大漁旗で作った派手かわいいバッグや洋服が話題

大漁旗で作った派手かわいいバッグや洋服が話題

 豊漁の印として船上に掲げる「大漁旗」。最近では結婚や出産祝いなどおめでたい席で飾られることも増えています。

 鮮やかな色合いもさることながら、「大漁」という力強い文字に、波しぶきの中から鯛やカニ、龍などが勢いよく飛び出すめでたい絵柄が躍ります。そんな見た目も派手な大漁旗を使用したある作品が、某アーティストの目にとまり、Twitterから直にオーダーがくるほど各メディアで注目を集めていました。大漁旗を普段使いのバッグやワンピース、雑貨として変身させた作家のkakakoさん。どのようなことがきっかけで作品の素材として「大漁旗」を選ぶことになったのか、そのきっかけを伺いました。

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――kakakoさんは、何がきっかけで大漁旗を服や雑貨にしようと思われたのですか?

 2011年秋、何年も壊れたままだったミシンを買い替えた数日後、素材を探しに初めて出かけて行った地元の骨董市で大漁旗に出会いました。とても大きな旗で迫力があってカラフルで美しく、一枚の画面として完成されたものだったので、勿体なくてなかなかハサミを入れる気にはなれず、1か月ほど廊下の壁に貼ったままで「どうしたらこの旗を生かすことができるかなぁ」とうっとり眺めながら毎日考えていました。

 そしてだんだんと「このままでは私一人が鑑賞するだけだよなぁ。形を変えたとしても新しい役割を与えられて日々の暮らしの中で活用された方がこの旗は幸せかもしれない」思うのようになって、大小複数のトートバッグとタブリエ(巻きスカート状のエプロン)を作ったのが最初です。

――普段どこから大漁旗を仕入れているのですか?

 最初は骨董市や骨董店を地道に回ったりしていました。そのうちに作風を知って、漁師さんとつながりのある知り合いが仲立ちとなってくれてご厚意で譲っていただいたりもしました。

 昨年からは委託販売をお願いしているご近所のorigamiさん(古道具と雑貨のお店)が大漁旗素材のオリジナル作品を製作されているので、そちらで仕入れられた旗を譲っていただいて購入することも多いです。

――生地になる大漁旗は、綿の素材以外にもありますか?

 最近の廉売品の機械プリントの旗は化学繊維のものがあるかとは思いますが、私はそちらには全く魅力を感じないので、手仕事による染め物の木綿の大漁旗で製作をしています。

木綿と一口に言っても厚さや織り方の違いによって張りや風合いが違うので、旗の大きさや図柄だけでなく、素材の持ち味もまた何を作るかを決める要素となります。

――最近ではどのようなオーダーがありましたか?

 今動いているものに関して詳細は申し上げられないのですが、コラボ企画で、ある衣装を複数製作しています。自分としても何年後になってもぜひチャレンジしたいことだったので、こんなに早く機会が巡ってきたことが嬉しく、良いものができるように頑張っています。夏頃のお披露目をお待ちいただければと思います。

――さまざまな色合いがありますが、船主によって大漁旗を作る上でのルールのようなものがあったりしますか?また、大漁旗にも地域性があったりするのでしょうか?

 私も手にしてから初めて分かったのですが、大漁旗は船主さんが自らオーダーするものではなく、造船(進水)した方に対して大漁と航行の安全を願ってお祝いとして贈るものです。お店ののれんと同じで 「○○さん江 □□より」のように船の名前と贈り主の名前(あるいは企業名)が必ず入っています。

 数は多くはありませんが北海道以外の船の旗、本州の太平洋側や日本海側の大漁旗も手に入れたことがあり、色数や文字の太さによる迫力に違いがあって地域性が見受けられました。それは地域性と考えられるとともに、それぞれの地域で旗を製作される染物屋さんの技量や表現力の違いなのかもしれないなぁとも感じました。

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