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“全然飽きないね! ロックンロール最高!”〈HOBO CONNECTION 2018〉―OTOTOY ライヴレポ

“全然飽きないね! ロックンロール最高!”〈HOBO CONNECTION 2018〉―OTOTOY ライヴレポ

2018年5月25日(金)東京・代々木 Zher the Zooにて、〈HOBO CONNECTION 2018 ~永遠のロックンロールナイト  in TOKYO~〉が開催され、出演者、観客が音楽で一体となる熱い一夜となった。

〈HOBO CONNECTION〉は、毎年春先に開催されているピアノマン・リクオのライフワークとなっている一期一会のコラボ・ライヴイベント。今年は、5月10日(木)京都・磔磔を皮切りに、5月11日(金)名古屋・得三、5月23日(水)大阪・ハウリンバーにて行われ、この日の東京が最終公演。

開演時間前には、出演者のはること大木温之(The ピーズ)がお客さんと談笑しているなど、リラックスムードが漂う中、リクオ with HOBO HOUSE BAND(ベース:寺岡信芳/ドラム:小宮山純平/ペダルスティール:宮下広輔)がステージに上がる。「僕らのパレード」からライヴがスタート。「ヨヨギー!!」と呼びかけ、客席を見渡しながら躍動するリズムに合わせて歌うリクオに観客も手拍子で応える。開演前の雰囲気そのままの、ハッピーなオープニングだ。寺岡、小宮山のタイトなリズムにリクオの軽快なタッチのピアノが乗り、宮下のペダルスティールが横断するサウンドはこのバンドならではのもの。続いて「ランブリンマン」を歌うリクオの声は若々しく、声も出ていて絶好調の様子。間奏の転がるようなホンキートンク・ピアノも楽しい。

ここで、10年ぶりのシングル・リリースとなった『永遠のロックンロール/海さくら』から、収録曲「希望のテンダネス」へ。淡々としたリズムに乗せて心情を切々と歌う。ペダルスティールも寂し気に響いていた。再びアップテンポな「あれから」の途中では、ポエムリーディング的にメッセージを挟み、歌い上げた。盛大な拍手に迎えられて、最初のコラボアーティスト・はるが登場。「今日は同世代だから緊張感がないかもしれない(笑)」とはる。ピーズの曲を素晴らしいバンドでやれて嬉しい、と歌い出したのは、「サイナラ」。アコースティックギターを弾きながら、バンドを煽り激しく動きながら歌うはる。異色な組み合わせかと思いきや、バッチリハマった演奏と歌。歌い終わると、「すごいでしょ?バンドっていいでしょ?」と満面の笑みのはるに大歓声。

「グライダー」「ブラボー」等、どの曲も長年共にやっているかのように、バンドとの呼吸がピッタリで、飄々としながらもベテラン・アーティストのすごみを感じさせた。そんなはるが、リクオからのリクエストで歌うことになったというのが、矢沢永吉の「バーボン人生」だった。リクオによると、この曲の作詞を手掛けた西岡恭蔵がリクオにとって「初めて共演したプロ・ミュージシャン」だという。その話を受けたはるは「初めて共演したプロ・ミュージシャンかあ……カステラかな?」と、双子の弟・TOMOVSKYのかつてのバンドを挙げ、観客を笑わせる。曲が始まると、シャッフルのジャジーな演奏と、はるのいなたいヴォーカルに会場のムードは一変。お客さんも大喝采の名カバーだった。ピーズの「生きのばし」では、リクオの流麗なソロ、宮下のペダルスティールソロもあり、大いに盛り上がり、はるは一旦ステージから下がる。

「最高やね! 最高が続くよ! ミスタースマイル!」と呼び込まれたのは、ウルフルケイスケ(以下・ケーヤン)。「今日はリクオ君はもちろん、はるともやれて嬉しいです!」とケーヤン。クリーム色のテレキャスターを手に、まずはリクオ with HOBO HOUSE BANDの力強い楽曲「明日へ行く」で、随所にオブリガードを入れつつ、ラストは帽子を飛ばしながら、南部の香りが漂ってきそうな土臭く骨太なギターソロを披露。ステージにエレキギターが加わったことでよりロック色が強いライヴへと変わっていく。今度はケーヤンが「ロックンロールで盛り上がろうぜ!」と、チャック・ベリーの「スウィート・リトル・ロックンローラー」でヴォーカルを取る。リクオのロックンロール・ピアノはリトル・リチャードばりに転がって行く。豪快な演奏が聴けたヤードバーズのカバー、「For Your Love」ではケーヤンがワウでサイケなソロも聴かせてくれた。ちなみに、どちらも日本語によるカバーだった。

「夢のついたタイトル、3曲続けて歌います」とリクオ。「若い頃は、夢という言葉を使うのが恥ずかしいと思ってた。なんで(忌野)清志郎さんは晩年になってあんなに夢、夢って言ってんだろうと思ってたんだけど、最近気が付いたら夢、夢、ばっかり言ってます(笑)。でも夢の意味合いが変わってきた気がします。“みんなで重ね合う夢”みたいなイメージが湧いてきました」と、疾走感のある「千の夢」、そして2人で作った曲だという「夢じゃない」へ。エモーショナルなギターソロから、リクオの優しい歌声がペダルスティールと重なり、リクオとケーヤンのハーモニーが胸を熱くする、この日のライヴでもとても印象に残る名演だった。お客さんが思わず発した「最高!」の声に、リクオは迷わず「俺もそう思う!」と応えたように、誰もが最高だと感じたことだろう。ケーヤンによるボブ・ディランばりの早口のヴォーカルによるメッセージが印象的な「夢は続く」で、夢3部作のコーナーを終えると、マイナーな激しいメロディとリズムでアジテーションするように歌い、“あれからもう30年 ブルーハーツが聴こえる”と繰り返す「オマージュ – ブルーハーツが聴こえる」へ。後半、“仲井戸 “CHABO”麗市!”“ティーンエイジャーだったあの頃といったい何が変わったんだ(「ティーンエイジャー」)”“RCサクセション!”“バッテリーはビンビンだぜ(「雨あがりの夜空に」)”“おとなだろ 勇気を出せよ(「空がまた暗くなる」)”と、オマージュを込めて歌うリクオ。RCサクセション、ブルーハーツ。日本の偉大なるバンドへの敬意を表しつつ、自らのスピリットを込めた熱いパフォーマンス。エンディングのケーヤンのワウギターとハイトーンで煽るペダルスティールもエモかった。会場の熱気がそのままタイトルに表れたように、続いてはマーサ&ザ・ヴァンデラスのモータウンヒッツ「ヒート・ウェイヴ」を、ロックアレンジでケーヤンが日本語カバー。そして、はるが再びステージに戻ると「この曲を一緒にやりたかった!」とリクオがピアノを弾きながらおもむろにゆっくりと歌い出した歌詞は〈僕らの死ぬまで 考えた そして最悪の人生を消したい〉。バンドの演奏が始まると、はるがヴォーカルを引き継いで歌い出す。ピーズの「実験4号」だ。パワフルで包み込むようなバンドの演奏と、はるのヴォーカル、リクオとケーヤンのコーラス。はると向かいあってギターソロを弾くケーヤン。この日のハイライトの1つとして記憶に残る演奏と歌だった。ラストは、リクオの「アイノウタ」で締めくくり。ミラーボールが回り、メンバーは楽器を止めてステージ前に出て、肩を組んでお客さんと一緒に大合唱。〈HOBO CONNECTION〉で毎年繰り広げられる光景が、今年も目の前で行われていることに感謝。

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