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【レッドブル・エアレース】「パイロン」はこんなに風になっている

【レッドブル・エアレース】「パイロン」はこんなに風になっている

 レッドブル・エアレースのレーストラックを形作る、空気で膨らませたパイロン。風が吹いても形状を維持し、猛スピードで飛び回るレース機がぶつかっても安全であること……非常に矛盾した条件を両立させる、これなくしてレッドブル・エアレースは実現しなかったと言っても過言ではない、重要なものです。これは2003年の初回開催以前から様々な試行錯誤が続けられ、そして今も細かな改良が続けられています。さて、このパイロンはどのような仕組みになっているのか。ご紹介しましょう。

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 パイロン、もしくはエアパイロンと呼ばれるこの物体。高さ25m、底部の直径5m、先端部の直径0.75mという、円錐状の形をしています。純粋な円錐ではなく、2本並べてエアゲートを作った際、飛行機が通過する部分が長方形の「フライトウィンドウ」を形作るために、一部が垂直になるような形状となっています。

 観客席から離れているために、具体的な大きさというものが判りにくいのですが、高さをビルで例えると8階から9階といったところ。すごく……大きいです……。

 全体は9つのパートに分かれており、1~4までは白い基礎部分、5~9までがレース機が通過する赤い部分「フライトウィンドウ」となっています。最下段には形を維持し、真っ直ぐ立たせるために「テザー」と呼ばれるバンドが多数つけられており、ベース部分に止められています。

 使われている材質も、白い基礎部分と赤いフライトウィンドウの部分で異なります。基礎部分は、パイロンをしっかり立たせて、その形状を維持することが第一の目的なので、プラスチックに近い材質が使われます。イベント用のテントに使われているものに近いですね。

 そしてレース機が通過するフライトウィンドウ部は、レース機が接触(パイロンヒット)する可能性が高い部分なので、レース機が接触しても安全な素材が使われています。パラシュートなどにも使われている、スピンネーカーという布地を使用しているのですが、非常に軽く一般的なコピー用紙と同じサイズで比較するとおよそ40%未満という素材。パラシュートでは、万一裂け目ができた場合、それが広がるとパラシュートの機能が失われて大変なことになるので、裂け目ができてもそれ以上広がらない「リップストップ」という加工が施されています。しかしレッドブル・エアレースでは、飛行機が接触した場合、速やかに壊れてくれないと機体にダメージを与え、墜落の危険が増します。このため、一旦裂け目ができると簡単に敗れるような仕組みになっています。裂け目ができていなければ丈夫なのですが、裂け目がついたところから手で引っ張ると、いとも簡単に破ることができます。

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