「Boo’d Up」エラ・マイ(Song Review)

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「Boo’d Up」エラ・マイ(Song Review)

 R&Bシーンにおいて、今最も注目されているのがエラ・マイ(Ella Mai)の「Boo’d Up」。最新の米ビルボード・ソング・チャート(HOT100)では11位まで上昇し、TOP10入り目前となっている。また、ヒップホップ・チャートで6位、R&Bチャートでは自身初のNo.1を獲得した。

 エラ・マイは英ロンドン出身、1994年生まれの23歳。12歳で米ニューヨークに移り、高校を卒業した後帰国した。2014年には“Arize”というトリオ・グループのメンバーとして、イギリスの人気オーディション番組『Xファクター』に出場したが、結果は残せずグループは解散。翌2015年にソロ活動をスタートさせ、SoundCloudにアップした音源が注目されると、DJマスタードに見出され、彼のレーベル<10 Summers Records>と契約。2016年に『Time』、『Change』2作のEP盤、2017年2月に3作目『Ready』をリリースし、その『Ready』の冒頭を飾るのが、現在大ヒット中の「Boo’d Up」だ。2017年は、ケラー二のツアーにも参加している。

 制作は、クリス・ブラウンの「リーヴ・ザ・クラブ」(2011年)にフィーチャリング・ゲストとして参加し注目を集めた、米カリフォルニア出身の女性シンガー・ソングライター=ジョエル・ジェームスと、プロデューサーのDJマスタード、そしてエラ・マイの3人。ヒットに拍車をかけたのは、2018年4月26日に公開されたミュージック・ビデオで、公開1か月で3,000万再生を超えるヒットとなっている。

 スパイラルパーマと、髪をアップにまとめた2パターンのエラ・マイが、遊園地でボーイフレンドと絡みあったり、友人とアトラクションに乗ってはしゃぐ、無邪気さとロマンティックさを兼ね備えたカラフルなこのビデオ。90年代のR&Bを彷彿させる冷涼メロウとも相性良く、ビデオの作りもマライア・キャリーの「ファンタジー」(1995年)のようで、“90年代風”という意味でも一致(している気がする)。ちなみに、エラ・マイは影響を受けたアーティストに、そのマライアやブランディー、ローリン・ヒル、デスティニーズ・チャイルドなど90年代を代表する女性アーティストを挙げている。

 90年代のR&Bに親しんできただけはあり、ノスタルジックなサウンドとキャッチーなコーラスが、当時のR&B~ヒップホップ的な肌触り、グルーヴを浮き上がらせている。当時活躍していた女性R&Bシンガーに影響を受けたエラ・マイのボーカル・ワークもすばらしく、若層のみならず、クラブ世代に大ウケしているのも納得。1年前に『Ready』が発売された時点で、この曲は間違いなくヒットするとコメントしていたラジオ局のDJもいたようだが、その予想は的中した。

 予期せぬヒットに若干戸惑いつつも、「私にはまだやらなきゃいけないことはあるけど、その準備はできているわ」と、謙虚な姿勢とアーティストとしての自信をニオわせたエラ・マイ。「Boo’d Up」のヒットを受け、間もなく自身初のスタジオ・アルバムもリリースされるのではないだろうか。今年の夏は、6月21日~24日に米LAで開催される<BET Experience>と、米ニューオーリンズで開催される<Essence Festival>の2つのフェスに出演する。

Text: 本家 一成

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