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障子を破って取り出す貯金箱「木と紙の貯金箱」 実はバリアフリーなビジネスから生まれていた

障子を破って取り出す貯金箱「木と紙の貯金箱」 実はバリアフリーなビジネスから生まれていた

 正面に障子紙がはられた貯金箱「Pos 木と紙の貯金箱」。缶や瓶ではなく、四角い木箱の正面に障子紙がはられ、貯まったらポスっと破って中を取り出し、取り出したら新たに紙をはって何度も貯金箱として使えるというもの。今までありそうでなかった素敵なアイデア。日本らしさがあるのもいいですね。お金を取り出す時、思う存分障子紙を破れるというのも何だか楽しそう。子供は特に喜びそうです。

 でもこれは一体誰がつくったの?今までにない貯金箱の形にとても興味を持ってこの製品の生い立ちなどを探すべく調べてみると、福祉作業所とデザイナーの協働から生まれたものである事が分かりました。

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 そこで、「Pos 木と紙の貯金箱」のデザインを担当したNPO法人ディーセントワーク・ラボに製品について、福祉作業所との協働など含めて色々とお話を聞いてみました。
障子を破って取り出す貯金箱「木と紙の貯金箱」 実はバリアフリーなビジネスから生まれていたPos 木と紙の貯金箱

 この製品のブランド「equalto<イクォルト>」は、東日本大震災をきっかけに誕生したブランドだそうです。「被災された障がいのある方々の工賃向上・自立支援を目的に始まりました」とその理由をおしえていただきました。

 参画しているのは、NPO法人ディーセントワーク・ラボ、世界規模でバリアフリーな雇用や障がい者雇用にも注力しているコンサルティング企業のアクセンチュア株式会社、生活用品などの企画製造などを手掛けるアッシュコンセプト株式会社の3法人。

 equaltoブランドはつくり手にとってのバリアフリーを実現しながら、消費者にとって高い付加価値を持つデザインが採用されていますが、「デザインの力で、障がいのある方々のものづくりを応援したい」というコンセプトのもと、プロのデザイナーが就労継続支援を行っている事業所と一緒に製品を作り上げているという事です。

 就労継続支援を行っている事業所には、通常の事業所に雇用される事が困難だけれど、雇用契約に基づく就労が可能である人が対象となるA型と、通常の事業所に雇用される事が困難かつ、雇用契約に基づく就労が困難である人が対象となる(生活リハビリや福祉サービスの割合が多い)B型、そして就労を希望する65歳未満の障がい者で通常の事業所に雇用される事が可能と見込まれる人が対象となる「就労移行支援事業」の3形態がありますが、equaltoブランドで参画している施設にて製造を行っている人はB型事業所に所属している、知的障がいのある人が多いそうです。

 一般企業への就労が困難である障がい者にとって、生涯にわたりサービスの提供を受けて受動的に生きるよりも、サービス(ケア)を受けながらでも価値のあるものを生み出す事でやりがいや生きがい、自身の居場所を得るという事はその人にとって、その地域で生きるという意味を見出す事にもつながる非常に大きな価値があります。健常者であっても全く誰の力も借りずに一人だけでお金を得る事などは極めて困難、何かしらのサービスを利用している人がほとんど。便利にするためのサービスであったり、一時的なケガや病気などで受けるサービスであったり、金融機関からのサービスであったりとその性質は異なりますが、支援を受けて働くという事の根本は健常者であっても障がい者であっても変わらないはず。

 健常者とは違った特性を持つ人が、できる限りの自身の特性を生かせるブランドの一つの形としてequaltoブランドは複数の作業所で生み出されており、現在は12の施設がequaltoブランドに参画しています。企業からの受託生産という形ではなく事業所が直接製品を製造販売する事で、収益の少ない事業所が商品製造を委託してきた企業に売り上げを渡す事がないので収益アップにもつながるという利点もあります。

 製品に対して正当な評価と公正な賃金を得る事は障がいに関係なく重要な話ですが、equaltoブランドは障がいという特性を持っていても商品価値を正当に評価してビジネスパートナーとしても対等に評価するブランドであると感じました。

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