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技術継承を助けるAIの「ディープラーニング」とは?

技術継承を助けるAIの「ディープラーニング」とは?
J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「ZOJIRUSHI MORNING INSIGHT」。5月17日(木)のオンエアでは、株式会社コンピュータマインド常務取締役・萱沼常人さんをお迎えし、AIが職人の技を継承する未来にフォーカスしました。

■今までのAIとの違い

株式会社コンピュータマインドは、設立27年のソフトウェア開発会社。AI関連のコンサルタントやアプリケーション開発などを行っています。

まず、萱沼さんに現在のAIの動向について教えていただきました。

萱沼:2012年に(新しい処理方法・ディープラーニングを使ったAIが)画像認識コンテストで優勝したことによって、ディープラーニングが注目されるようになりました。この前後で「第3次AIブーム」がはじまりました。これまでのAIと「第3次AIブーム」の違いは、特徴量(学習データにどのような特徴があるかを数値化したもの)を自分で身につけるのか、コンピューターが身につけるのか、その違いになります。

上記をわかりやすく説明するため、萱沼さんはアメリカンショートヘアのネコの写真を別所に見せ、このネコの特徴を挙げてほしいと話します。

別所:アメリカンショートヘアのネコは、耳がキレイにとがっていて、凜々しくて、毛は短毛で、グレーと黒のしま模様で……。
萱沼:そういう特徴がアメリカンショートヘアのネコにはあるのですが、他のネコを見ていただいても、ネコというのは非常に種類が多くて、その特徴を人間が全部コンピューターに入れることはほとんど不可能なんですね。その特徴をひとつでも間違えると「これはネコですか?」と問い合わせたときに、「いえ、ネコじゃないです」となってしまう。それが旧来型のAIになります。一方、ディープラーニングができるAIは、ネコの写真を1000枚、2000枚、10000枚と、コンピューターに覚え込ませることによって、まだ学習していないネコでも「これはネコですよ」と判断できるようになる。これが今までのAIと違うところになります。
別所:へえ、ディープラーニングができるAIは、ネコとタヌキの違いがわかるんですね。
萱沼:わかります。学習が必要ですが、特徴を入れなくてもわかるようになります。

株式会社コンピュータマインドでは、ディープラーニングを活用し、製造工場などで良品・不良品の判定をする装置や、人や物や動物などを判断する監視カメラなどを開発しているそうです。

■私たちの仕事は奪われる? 奪われない?

萱沼さんは、AIの進化により「いずれ多くの作業が機械に取って代わられる」と話します。

萱沼:ただ、今すぐドラスティックに代わることはあり得ないと思っています。AIの進化と同じくして日本では少子高齢化の流れが一段と強くなるので、団塊の世代が引退をはじめるなか、多くの企業で技能継承が最大のテーマになっています。そこで我々の持っているAIの技術を使って、この技能継承をデータ化して実現できないかという開発をはじめています。
別所:熟練工と言われている人たちの技は、ある種で絶滅危惧に近いと言われていますよね。
萱沼:そうですね。その方たちがいなくなると、次の世代につなげられないことが問題だと思っています。

AIで技能継承が可能になった場合の1例として、農業の適応について説明する萱沼さん。

萱沼:農業は慣れた人が歳を取りながらやっているイメージですが、農業をはじめたばかりの人でも、たとえば「スマートグラス(メガネ型のウェアラブル端末)」をかけることによって「スマートグラス」越しにいろんな指示を受けられるようになります。リンゴの収穫には「このリンゴは採ってもいいですよ」「採ってはダメですよ」と、「スマートグラス」が指示するようなイメージです。

若い世代やアルバイトはもちろん、外国人労働者にもAIを使った技能継承を活用できるのではないか、と萱沼さんは付け加えました。

この先、さらにAIが進化した社会で、私たちの生活にどのような変化が起こるのでしょうか。これからの動向にも注目です。

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【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時−9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

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