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これからの時代、中古車ユーザーの意識は「高カンカク低希望」になる!?

▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム。今回は、ユーザーのメンタリティの変化ついて徒然と……

▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム。今回は、ユーザーのメンタリティの変化ついて徒然と……

「損をしたくない」から「お気に入りを選びたい」へ

読者のみなさんは、中古車を選ぶ/買うことに対して、どれくらい不安を感じているのだろうか。

何度も中古車を購入し、酸いも甘いもかみ分けている方なら「いまさら不安に感じることなんてない」とおっしゃるかもしれない。

逆に、勇気を出して初めての中古車選びに一歩踏み出した方は、「すぐに壊れたりしないだろうか」、「この価格が妥当なのだろうか」など、不安も多いことだろう。ことほど左様に、中古車に対する不安は個人の経験値に左右される部分が大きい。

このあたりの事情はいつの時代も、30年前も30年後も、おそらく変わらないはずだ。

一方で、中古車の側が内包している不安要素(またはその総量)は、時代や中古車を取り巻く環境によって変化しうる。

カーセンサー(雑誌)が創刊した1984年当時、今から34年前のことだが、中古車は難しい買い物だった。

というのも、物件固有の情報開示が今ほど徹底されておらず、走行距離が改ざんされたり修復歴が隠蔽された物件が、素知らぬ顔をして公正な物件の隣に並んでいることもあった。

それはある意味、薄暗い視界の中で少ない情報を頼りに地雷を避けながらお宝を探すようなものだ。

このような環境での中古車選びは、経験の多寡に関わらず、さぞや不安に違いない。だから失敗を避けるために、ユーザー側が物件選びの目を養い、条件を厳しく設定し、要求や希望を高度に先鋭化せざるを得なかった。

要は中古車選びの達人であることが求められていたのだ。

だが現在は、販売店をはじめ関連の各種業界団体の改革努力によって、中古車の情報開示がかなり進んだ。カーセンサーアフター保証をはじめ、購入後の安心を担保してくれる保証制度も広がりつつある。

これら環境の変化に伴い、中古車側に起因する不安も30年前に比べ減っていると考えられる。

下の表とグラフをご覧いただきたい。2016年と2017年の『中古車購入実態調査』から、現状におけるユーザーのメンタリティがうかがえるデータを抜粋しまとめたものだ。

※2015年~2017年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より

※2015年~2017年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より

表①の「中古車に求めること」に対する回答で多かったトップ3を見ると、“安くて良いもの”を求めていることがわかる。これは中古車に関わらず、どんな買い物にも通じる普遍的な消費者心理だろう。

それに対して「中古車購入で妥協したこと」を尋ねた表②では、“特にない”という回答が圧倒的に多い。またグラフ③にあるとおり、多くの人が中古車に対してネガティブなイメージを持っていないことがわかる。

多少強引だが、現状では多くのユーザーが、ことさら厳しい条件や高い希望を抱かずに、ごく普通の買い物の対象として中古車選びに臨んでいると意訳できそうだ。

では、今よりもっと安心して中古車を選べる環境が整った将来、ユーザーの中古車選びにおけるメンタリティはどう変化するのだろうか。

考えられるのは、「損をしたくない」という意識は今より薄いということ。つまり、走行距離や修復歴など物件の状態に対する条件や希望が後退していくだろう。

その代わりに色や形など「お気に入りを選びたい」という感覚的な部分に対する意識が高まるのではないだろうか。

運動する人やダイエットに「高タンパク低脂肪」の食事が良いといわれるが、安心して中古車が選べる環境では、ユーザーのメンタリティは「高カンカク低希望」になる、というわけだ。

安心な環境作りは今も続いている。クリアな視界のなかで、「高カンカク低希望」で中古車を自由に楽しく選ぶことが普通になる日も、それほど遠くないかもしれない。

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