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ロシアに熱烈片想い!?未知の国「沿ドニエストル共和国」の魅力とは

ロシアに熱烈片想い!?未知の国「沿ドニエストル共和国」の魅力とは

皆さんは「沿ドニエストル共和国」という国名を聞いたことがありますか?正式には「沿ドニエストル・モルドバ共和国(Pridnestrovskaya Moldavskaya Respublika)」。

どちらにしても、「聞いたことがない」という方がほとんどのはずです。もちろん私も、生まれて30年以上、失礼ながらそのような国名を聞いたことがありませんでした。

ですが、聞いたこともない、誰も行ったこともないような国って非常に心惹かれませんか?

今回は、そんな未知の国についての情報を少しだけお届けするので、少しでも魅力が伝われば嬉しいです。

 

未承認国家「沿ドニエストル共和国」とは

photo by さかち

「沿ドニエストル共和国」という国名は聞いたことがなくても、「モルドバ」という国をご存じの方は多いはずです。モルドバワインなどでも有名な、東ヨーロッパに位置する国です。

実は、「沿ドニエストル共和国」は、国際的にはモルドバの一部とみなされていて、主権国家としては承認されていない未承認国家なのです。

とはいえ、モルドバの実効統治は及んでおらず、事実上は独立状態にあります。1991年に崩壊したソ連を今でも尊敬し、現在もその意志を引き継いでいる社会主義国家なんですね。

歴史的には、モルドバもソ連に支配されていたわけですが、ソ連崩壊と同時に独立しました。

モルドバはルーマニア系の人々が多いのですが、今の沿ドニエストル共和国付近にいた人々はロシア系。そこで、ルーマニアの人々に支配されるのを嫌がったロシア系の人々が、1990年に独立を宣言したのが始まりです。

一方のモルドバとしても大事な土地を手放したくないので、1992年にトランスニストリア戦争が勃発。戦争はすぐに終わったのですが、未だに解決はしていないのです。

よって、国際的には未承認国家ではありますが、国旗や政府、通貨など、すべて独自のものを持っている、れっきとした国なのです。

 

沿ドニエストル共和国にはどうやって行くの?

photo by さかち

そんな沿ドニエストル共和国には、モルドバの首都キシナウからバスで行く方法しかないと思います。キシナウのメインバスターミナルからは、毎日20分に1本程度の頻度で、沿ドニエストル共和国の首都ティラスポリまでバスが走っています。

運賃は36.5レイ≒220円/人(2016年当時)でした。ちなみに、ティラスポリからキシナウまでも、30分に1本程度の頻度でバスが走っているのですが、運賃は約2倍でした…!

沿ドニエストル共和国としては、「モルドバには簡単には行かせないぞ」という主張をしているようにも感じました。キシナウから1時間ほど走ると、沿ドニエストル共和国との国境に到着します。

モルドバは独立を認めているわけではないのですが、ちゃんとパスポートチェックと入国審査もありましたので、パスポートの携帯はお忘れなく。

入国審査では「ロシア語は話せない」、「目的地はティラスポリで今日中に出国する」という2点だけを伝えれば、すんなりと入国させてもらえました。(※日帰りしない場合は別に手続きが必要かもしれません)

残念ながら、国境では入国スタンプは押されないのですが、ロシア語で自分の名前などが記載された白い紙が渡されます。この紙は出国するときに回収されますので、なくさないのがベストだと思います。

入国してみたら…悲しいほどロシアに片想いしている国だった!

photo by Shutterstock

ちなみに、ティラスポリの地図は国家機密に当たるらしく、市内に地図や観光案内所のようなものはありません。そんな、未知ですがなんだかドキドキワクワクする国。

入国してみたら、なんともソ連、そしてロシアへの愛が溢れている国でした。まず、入国してすぐ見える大きな橋は、ロシアの国旗と自国の国旗のカラーが塗装されています。

photo by さかち

いたるところにロシア国旗が掲げられています。もちろん、自国の国旗と並べて。

photo by さかち

なんともソ連時代を感じさせる無機質な建物と、レーニン像も多く見ることができました。

photo by さかち

街中では、「未来はロシアと共に!」と書かれた看板もたくさん…。

photo by さかち

本当に、ロシアへの愛が溢れているのですが、なんとロシアも沿ドニエストル共和国のことを国としては承認していないのだそう。ロシアから経済的な支援は受けているそうですが…。

その話を知ったとき、なんとも悲しいと言いますか、切ないと言いますか…なんだか居た堪れない気持ちになったのでした。

こんなにロシアに片想いしている国だったなんて。このロシアへの溢れる想いが届く日が来ることを願ってやみません。

 

そんな沿ドニエストル共和国に行ってみて欲しい理由とは

photo by Shutterstock

ちなみに、沿ドニエストル共和国には、特に目立った観光地はありません。しかし、行って良かったなーと思っています。なぜなら、旅行のエキサイティングな感覚を思い出させてくれる場所だからです。

まず、世界で5本の指に入るんじゃないかと思うくらい英語が通じませんでした。しかし、地図もないので、行きたい場所には自力で辿り着くしかありません。

その、「これからどうなるんだろう」というドキドキ感。そんな中、思い切って道行く人に声を掛けてみると、みんな立ち止まって話を聞いてくれる。言葉が通じなくても、親身に教えようとしてくれる。

目的地まで2km以上もあるのに、最後まで一緒に歩いて連れていってくれたこともありました。

そういうときに、旅慣れしている人でも、「あぁ、やっぱり旅っておもしろいなー」と感じることができるのではないでしょうか。

また、日本人からしたら貴重なお金が手に入ります。単位はルーブルですが、ロシアの通貨とは全く違います。おそらく、今後の人生で一度も目にすることが無い通貨でしょう。

photo by さかち

沿ドニエストル共和国に行った方だけが、この超レアなお金を手にすることができます。ぜひ使い切らずに記念に持って帰ってください。

 

(番外編)未承認国家で発見した意外なものをご紹介

以上、未知の国「沿ドニエストル共和国」についてご紹介してきました。最後に、そんな未知の国で発見した意外なものをご紹介したいと思います。

まず一つ目は、10月25日通りというメインストリートを歩いていると、なぜか「浜崎あゆみ」さんの看板がありました…。

photo by さかち

沿ドニエストル共和国の皆様は、これが誰だかわかっているのでしょうか。そして、一体どんな経路でこの写真がここに辿り着いたのか、世界の七不思議に入りそうです。

二つ目は、なぜか沿ドニエストル共和国に、日本の石油会社であるENEOS(現JXTGエネルギー)さんの商品のポスターがありました…。

photo by さかち

ロシア語が書かれているので、日本から送られたものではなさそうですが。こんなところでも日本の製品が活躍していて嬉しいですね。

 

最後に

以上、未承認国家「沿ドニエストル共和国」についてお伝えしてきました。いかがでしたか?行ってみたくなりましたか?

日本からだと、そもそもモルドバに行くのも大変です。そこからさらに足を延ばさなければ辿り着けない場所ではあります。

しかし、人生に一回でも沿ドニエストル共和国を訪れる日本人が何人いるのだろう…。そう考えると、「沿ドニエストル共和国に行ったよ」と言えば、話のネタになること間違いなし!

誰も行ったことがないような場所が好きな方は、ぜひぜひ訪れてみてください。

photo by さかち

私は出すのを忘れてしまったのですが、沿ドニエストル共和国から日本に向けて手紙を出すと、とっても記念になるそうな。ぜひご家族やご友人に送ってみてはいかがでしょうか。

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