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映画「メンフィス・ベル」のB-17実物がアメリカ空軍博物館で恒久展示へ

映画「メンフィス・ベル」のB-17実物がアメリカ空軍博物館で恒久展示へ

 1990年に公開された映画「メンフィス・ベル」。これはアメリカの爆撃機B-17と、その乗組員の若者たちを描いた実話をもとにした戦争映画。その実話の主人公である実際のボーイングB-17F「メンフィス・ベル」がレストア作業を終え、2018年5月17日からアメリカ空軍博物館で恒久展示されることになりました。

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 映画「メンフィス・ベル」は、イギリスに駐留してドイツに対する戦いを繰り広げていたアメリカ第8空軍で、「25回の出撃を無事に達成したら本国へ帰れる」という規定を達成しようとしていた爆撃機、ボーイングB-17F「メンフィス・ベル」の25回目の出撃を描いた物語。実在した爆撃機のB-17F「メンフィス・ベル」がモデルとなっています。

 映画「メンフィス・ベル」が作られるきっかけになったのは、アメリカでは既に有名な飛行機であったから。第二次世界大戦中の1944年に公開されたドキュメンタリー映画などにより、アメリカでは最も有名なB-17だったのです。

 実際のB-17F-10-BO「メンフィス・ベル」は、アメリカ陸軍航空隊の登録番号41-24485。ボーイング社シアトル工場で1942年7月2日に製造された製造番号3470の機体です。7月15日にアメリカ陸軍航空隊に引き渡され、1942年9月に第8空軍の第91爆撃航空団に配属されました。9月30日に対ドイツ戦に従事するためイギリスに渡り、最終的に10月14日、イングランドのバッシングボーン空軍基地に移動し、第324爆撃飛行隊(重爆撃機)の一員として作戦に参加しました。コールサインは、飛行隊の割り当て「DF」に機体固有記号の「A」を合わせた「DF-A(デルタ・フォックストロット・アルファ)」。機長を含む10人の乗組員で運用されていました。

 愛称の「メンフィス・ベル」は、機長のロバート・ナイト・モーガン大尉(当時。1965年に大佐で退役)の交際相手、マーガレット・ポークの出身であるテネシー州メンフィスと、副操縦士のジェームズ・ヴァーニス大尉とある時見に行った映画「レディ・フォー・ア・ナイト(1942年公開)」で、ジョン・ウェイン演じる主人公が所有していた船「メンフィス・ベル号」にちなんだものです。

 実は1990年の映画「メンフィス・ベル」で描かれる「25回の出撃を達成したら本国に帰れる」というのは、飛行機の話。撃墜されることが多かったので、25回の出撃をこなして撃墜されなかった機体を象徴的存在としてアメリカ本国で宣伝のために使用しよう……という話だったのです。実際に「メンフィス・ベル」の25回目の出撃で機長を務めたモーガン大尉は、第524爆撃飛行隊で29回目の出撃(「メンフィス・ベル」に乗っての出撃は4回目)でした。


 1943年5月17日。節目となる25回目の出撃で、ドイツが占領するフランスの都市ロリアンへの爆撃を成功させて帰還した「メンフィス・ベル」は、その一部始終をウィリアム・ワイラー監督率いる記録映画クルーによって撮影されていました。この時撮影されたカラーフィルムを編集して作られたのが、ドキュメンタリー映画「メンフィス・ベル:空飛ぶ要塞の物語(Menphis Belle: A Story of a Flying Fortress)」です。

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