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これからのメディアが抱える課題は…『WIRED』日本版の元編集長・若林恵が語る

これからのメディアが抱える課題は…『WIRED』日本版の元編集長・若林恵が語る
J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』(ナビゲーター:川田十夢)のワンコーナー「SHOWA SHELL SEKIYU ROAD TO INNOVATION」。4月20日(金)のオンエアでは、『WIRED』日本版の元編集長で編集者の若林恵さんをゲストにお迎えし、退任時の心境やメディアのイノベーションについてお話を伺いました。

■突然の編集長退任の背景は?

若林さん2017年、メディア『WIRED』の編集長を退任。同時に『WIRED』プリント版の休止も発表されました。このことは、『WIRED』に連載を持っていた川田や編集者も知らされておらず、業界に激震が走ったと、川田は言います。改めて編集長退任の経緯を問うと、若林さんはそのときの心境を明かしました。

若林:ドナルド・トランプ大統領就任前後を境に、シリコンバレーとか、デジタルテクノロジーに対する風当たりが本当に強くなって。そういう状況の中で「イケてる感」をどう『WIRED』として出していくかとういうことは、本国(アメリカ)を見ていても悩ましい感じがありました。むしろ今、元気がいいのは女性誌とか若い子向けのメディアで。『teen VOGUE』とかが本当に面白いんです。Instagramのストーリーとかをすごくうまく使っていて。『teen VOGUE 』は、去年ぐらいにプリント版をやめちゃったんですよ。だけどそれは戦略的撤退って感じがして、あまり負け戦という感じはなかった。いずれ『WIRED』も同じように移行しなきゃいけないんだろうなという流れがあって、そういう流動している状況の中で「おまえはいらん」という話になったわけです(笑)。

若林さんは退任直前まで『WIRED』を盛り上げるために新しい種を蒔き続けていたそうで「本当は今年刈り取れたんだけどなぁ、という心残りはありますね」と残念そうに語りました。

■読者を同期させることの重要性

最近、アメリカのメディア『Refinery29』のオフィスを訪問したという若林さん。『Refinery29』は、ウェブサイトやSNSなど、多彩なチャンネルを駆使して情報を配信している、「ミレニアル世代」に人気のウェブメディアです。そんな『Refinery29』のスタッフと交流する中で、若林さんは「配信チャンネルごとに読者の年齢層が違う」という事実を知り、これからのメディアが直面する新たな課題を感じたと言います。

若林:それだと、チャンネルごとに雑誌の読まれ方が変わってるってことだし、アイデンティティーも微妙に違うってことになっちゃうじゃないですか。そのときにメディアのアイデンティティーも拡散してしまうから、それをどう繋ぎ止めるかが大きな課題になっていました。要するに、読者が完全に非同期になるわけです。なので、読者を一回同期させるコンテンツは重要だという話をしていました。だから、ひとつはイベントがすごく大事。あとはラジオが面白い。ラジオの話題はサウス・バイ・サウスウエスト(SXSW/音楽祭・映画祭などを組み合わせたアメリカの大規模イベント)でも出ていた。やっぱり人をシンク(Sync/同期)させるということが、重要になってきています。
川田:若い人が触れているメディアは流れていっちゃうものだから、それをせき止めて、その上で同期させることが重要になってくるんですね。

このあとも、異なった人たちを同期させるチャンネルとして、若林さんは「やっぱりラジオっていいんだよねえ」と繰り返しました。

若林さんは、4月19日(木)に初の著作『さよなら未来――エディターズ・クロニクル 2010-2017 』(岩波書店)を発売するなど、編集長退任後も精力的に活動を続けています。若林さんの今後にも注目を!

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【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:金曜 22時−22時55分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/

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