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深海4,000mでマッピング&写真撮影を競う 決勝進出の日本チームを支える「音響通信」

日本チーム、海洋探査の国際レースで決勝進出!

2018年3月、海底探査技術の世界的なコンペティション「Shell Ocean Discovery XPRIZE」(以下、「XPRIZE」)で、日本の若手研究者からなるチーム「Team KUROSHIO」が予選を突破。19チームのうち9チームが10月に開催される「Round2実海域競技」(決勝である!)に進出することが発表された。賞金総額700万ドル(約8億円)を目指して、これからまさに水面下の激しい戦いが繰り広げられることになる。

そもそもは、海底油田などを開発する際に行う海底地形調査のコストと時間を削減することを目的としたコンペティションで、開催スポンサーはヨーロッパ最大のエネルギー会社「Royal Dutch Shell plc」だ。

この「XPRIZE」、めちゃくちゃアツい国際コンペティションなのだ。なにしろ舞台は深海4,000メートル。250平方キロメートルという広大なエリアに無人の海中ロボットを放ち、事前に設定された10カ所のチェックポイントを撮影、24時間以内に海底地形の立体的な地図を作成するという、冒険とロマンに満ちあふれた闘いなのである。

駿河湾で行われた「Team KUROSHIO」の実験の模様
写真は、駿河湾沖約10kmの洋上で行われた「Team KUROSHIO」の実験の模様

「Team KUROSHIO」は、現在日本から参戦している唯一のチームだ。チームは、JAMSTEC(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、国立大学法人東京大学生産技術研究所、国立大学法人九州工業大学、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所、三井E&S造船株式会社、日本海洋事業株式会社、株式会社KDDI総合研究所、ヤマハ発動機株式会社からなる。

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「Team KUROSHIO」の戦術はこうだ。

Team KUROSHIOの戦略説明図

①陸上の基地局から衛星経由でASV(洋上中継機)を操り、3機のAUV(自律航行型海中ロボット)を連れて調査海域まで航行。
②目的のポイントに着くと、AUV(自律航行型海中ロボット)は自動的に潜行。
③マッピングしたデータや画像を、ASV(洋上中継機)を通じて陸上の基地局に送る。

これがASV(洋上中継機)。

試験中のASV(洋上中継機)

で、オレンジ色のがAUV(自律航行型海中ロボット)。

AUV(自律航行型海中ロボット)

ロケットっぽいが、ロボット。自分で海中に潜航し、海底を探査するのだ。

試験中のAUV(自律航行型海中ロボット)
AUV(自律航行型海中ロボット)は実験なのでクレーンで海中に入れていますが、本番では自律的に航行する

「XPRIZE」の目的を、冒頭で「海底地形調査のコストと時間の削減」と書いたけれど、そもそも現状の海底探査は、とにかく「現地に行く」ということをしなければ始まらないのだ。

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