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【INTERVIEW:小袋成彬】誰かとの物語を紐解いたアルバムは、全部嘘だし全部本当のことだとも言える

日本工学院専門学校、GYAO、OKMusicによるコラボ企画「G-NEXT」の第二回目は、宇多田ヒカルプロデュースでも注目される小袋成彬。音楽家として独自の感性を放つ彼に、今作や活動に寄せる気持ちを訊いた。
G-NEXT POWER PUSH ! #2_INTERVIEW:小袋成彬 (okmusic UP's)
日本工学院専門学校×GYAO!×OKMusic Presents

【G-NEXT POWER PUSH ! #2_INTERVIEW:小袋成彬】
——小袋さんはプロデュース業もされているので、セルフプロデュースも可能だったと思いますが、宇多田ヒカルさんにはどんなことを求めたのでしょうか?

小袋:僕は自分が他人からどう見えているかを、まったく意に介さないタイプの人間なんです。だから、他人のプロデュースはできても、自分をセルフプロデュースすることができなくて。自分をどう見せたいかもないし、他人から誤認されることの恐怖もまったくなく、そもそも人と人はそう簡単には分かり合えないものだと思っています。そこで彼女のように他人のことをよく見て理解している方が、僕の作品に関わってくれることで、より普遍性が高まるのではないかと。

——曲を通して自分のことを分かってほしいとかは?

小袋:まったくない。ゼロです。きっと曲を聴いていろいろな感想をお持ちになると思いますけど、僕は僕のためだけに、僕によって僕が大切にする音楽を作るだけです。それが今回たまたまビジネスとして成り立っていますけど、僕個人の音楽家としての感情はこれがどう受け取られようが、まったく構わないという考えです。

——人と分かり合えないと考えている人間が、世に向けて音楽を発表する。その自己矛盾的なものを、宇多田さんの存在が調整してくれている感じかもしれませんね。そのアルバム『分離派の夏』の1曲目「042616 @London」と6曲目「101117 @El Camino de Santiago」には、曲ではない語りだけのトラックが収録されている構成が面白いなと思いました。

小袋:僕が初めて買ったレコードはYellow Magic Orchestraの『サーヴィス』で、曲と曲の間に三宅裕司さんのショートコントが入っている作品だったんです。だから、珍しいことをしたつもりはなくて。コントを入れるほうが、よほど変だなって思います。どちらの語りも、そのふたりとの普段の会話の中で出てきた言葉です。僕ができなかったこと、僕が言えないことを言ってくれていて、無視できなかった言葉だったので、それを再録してもらいました。

——「042616 @London」の語りに“芸術は必然で、作らなければ前に進めない”という言葉がありましたが、小袋さんにとってこの作品を作る上で必然になったものは?

小袋:これまでプロデュース業をしながら、自分の中に消化できていない物語があって。なぜあの時は泣いてしまったのか、誰かに言われた言葉の意味とか、そういうものを読み解く必要性が出た時に、アルバムを作る必然が生まれました。

——とすると、歌詞は実体験的なものなのでしょうか?

小袋:空想なのか写実なのか自分では分かりません。ただ、ある特定の個人に対しての想いというか、情景をただ思い浮かべながらのめり込んで書いていくので、もしかすると途中で脚色が混じって、針小棒大に表現されている部分があるかもしれません。だから、全部嘘だし、全部本当のことだとも言えると思います。はっきりしているのは、その歌詞を誰に向けて書いたかということ。それは完全に“誰か”で、あるいはもうひとりの自分です。忘れられないその人との思い出や情景、その人からかけられた言葉、その時に僕が抱いた感情…それらを丁寧に紐解いていく作業でした。

——では、ここからは聴き手をバトンタッチして、質問が学生からになります。

学生:初めて行ったライヴってどなたのライヴだったのでしょうか?

小袋:大学時代に友達に連れられて大宮ソニックシティホールの秦 基博さんのライヴに行った覚えがありますね。

学生:ライヴはお客さんを前にして音や想い、言葉が直接届くわけですが、そこに対する差をどう感じてますか?

小袋:やっぱり音源を流すだけじゃ意味ない。お客さんは“身体で表現する”のを観に行くから。僕はそれをしっかり表現するだけだなと。

学生:今後は大型フェスへの出演、5月にはワンマンライヴも控えています。“僕は僕のために音楽をやる”とおっしゃっていましたが、ライヴに対する大義名分のようなものはありますか?

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