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クラムボンmito「次の日にもう一度観たい“スルメ映画”」と絶賛、『さよなら、僕のマンハッタン』トークイベントに登壇

クラムボンmito「次の日にもう一度観たい“スルメ映画”」と絶賛、『さよなら、僕のマンハッタン』トークイベントに登壇

 マーク・ウェブ監督の最新作、映画『さよなら、僕のマンハッタン』の公開を記念してトークイベントが開催され、マーク・ウェブ監督来日時に対談を行ったクラムボンのmitoがゲストで登場した。

クラムボンmito イベント写真(全4枚)

 満員の拍手で迎えられたmitoは「マーク監督のいちファンとして皆さんとお話しできたら良いな、と思います。よろしくお願い致します。」と会場に挨拶。映画の感想を尋ねられると、「『(500)日のサマー』や『gifted/ギフテッド』などでは彼らしい音楽の使い方をしているのだけれど、本作にいたっては音楽の使い方に関して随分と感じが変わったな、と思いました」と切り出し、「『(500)日のサマー』や『gifted/ギフテッド』での音楽の使い方は、舞台に対してあくまで色付けとしての音楽だったと思います。『(500)日のサマー』の時のカラオケのシーンでピクシーズが流れて、キャラクターの人となりを表したり。今回は正直な話、サイモン&ガーファンクルだったりボブ・ディランだったり、その曲がテーマになっていると感じました。補完とかではなく、テーマソングになっているな、と。ものすごいストレートですよね。マーク監督はオタク気質のイメージがあったので(笑)、この作品に至ってはすごいド直球だなって思いました。監督自身がサイモン&ガーファンクルやボブ・ディランに人生の中で思い入れがあるのかなと思って。正直な話、こういうのはアメリカや海外だとだとおじいちゃんが聞く音楽じゃないですか。そこをあえて真面目な音楽の使い方でね。」とmitoならではの音楽の観点で話を始めた。

 その後、作品を観たばかりの観客に問いかけるような形で、「もう一回見たくないですか?すごく大事なシーンやセリフなはずなのに、さらりと流れて、見逃してしまっているような、色々抜け落ちてしまったような。もうちょっと噛み砕いて観たら見え方変わるんじゃないかな、って思いました。なかなか僕はあんまり同じ作品を2回観ようとは思わないのですが、これは見終わって次の日にもう一回見たんですよ。こういう感覚って最近中々ないな、と思います。それこそイタリアの巨匠の映画だったりの話になりますよね。」と本作に特別な感情を感じたことを明かした。

 また、「すごく重要なテーマを今作ではやっているとは思う。テーマが非常に深すぎて、なかなかエンタメとして掴みづらい、という感覚はありますよね。それは音楽をやっている人たちも一緒。普通のコードでいい曲を作るのは生半可じゃできないんですよ。それに近いことを今作で提示したいのかな、と思いました。自分にとって挑戦だし、そして実質的に成功はしていると思います。だからこそ、各部のセリフが濃くて、あれってこういう解釈でよかったのかなって確認したくなっちゃいますよね。」とエピソードを交えつつ、一見何気ない部分に潜む本作の奥深い味わいをストイックに突き詰めた監督の挑戦について語った。

 さらに、ウェブ監督をどう意識しているか尋ねられると「劇伴的なことで言うと、彼の音楽の使い方は本当にプロなんですよね。要所要所でキレイに当てはめる。音量のレベルとかも、ものすごい考えている人。効果音も例えば、『gifted/ギフテッド』の海辺のシーンの海の波の音は、耳鳴りするようなくらいの大きさが白昼夢っぽい感じにさせて、儚さを出している。そういう使い方は中々難しいです。あとは既存曲ってお金がかかるんですよ。(笑)私も『心が叫びたがってるんだ。』で音楽を担当した時に、「悲愴」と「Over The Rainbow」を使ったんですが、「Over The Rainbow」の(金額の)高いこと高いこと。(笑)そういうところは、アメリカなんで、ちゃんとお金を使えますよね。」と、映画の音楽制作の裏側事情も交えつつ、監督の職人的な音楽の使い方を熱く話した。

 そして、自身と映画のかかわりについても、「仕事に関わるんで、可能な限りはよく観て、映画の中のサウンドもしっかり聞いています。ここ最近だとミュージカル的な実写ものが多いですが、ヒュー・ジャックマンの『グレイテスト・ショーマン』も強烈に音が大きいんですよ。あれも演出なんですよね。すごくEDM的というか、流れを汲んでいますよね。映画館がアトラクション的になっていると思います。」と昨今の映画界の音楽について持論を展開した。

 最後に観客に向けメッセージを求められると、「(1回観ただけでは)確実に見落としていることがあると思います。14日から公開するので、また劇場で観て、補完していただければと思います。思慮深いセリフがあちこちにあって、私も観ながらメモも取っていたんですが、ふとした時にまた手を伸ばしたくなる作品だと思います。」と最後まで“何度でも楽しめる”本作の魅力をアピールし、イベントは終了した。

◎公開情報
『さよなら、僕のマンハッタン』
2018年4月14日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国順次公開
監督:マーク・ウェブ
脚本:アラン・ローブ
出演:カラム・ターナー、ケイト・ベッキンセール、ピアース・ブロスナン、シンシア・ニクソン、ジェフ・ブリッジス、カーシー・クレモンズ
劇中曲:「ニューヨークの少年」 サイモン&ガーファンクル
配給:ロングライド
(C)2017 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.

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