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「文章の間違いに気づく読み方」って? 校正・校閲のプロが明かす

「文章の間違いに気づく読み方」って? 校正・校閲のプロが明かす
J-WAVEで放送中の番組「GROWING REED」(ナビゲーター:岡田准一)。4月1日(日)のオンエアでは、本の校閲のスペシャリスト・柳下恭平さんをお迎えし、“一冊の本が世に出るまでの舞台裏”をお聞きしました。

神楽坂に「鴎来堂」という校正・校閲を専門に行う会社を構え、その数軒先の書店「かもめブックス」のオーナーでもある柳下さん。本を開いたときの形がかもめに似ていることから、この店名にしたそうです。

■校正・校閲って具合的にどんな仕事?

校正・校閲は、本が販売される前に間違いがないかをチェックする仕事。出版社から“ゲラ”といわれる仮刷りを預かり、1週間ほどかけて見ます。

基本的には1冊につきひとりで担当しますが、辞書のような大きな場合は5、6人でチームを組み、1年ほどかけて校正・校閲します。現在、「鴎来堂」には26歳から54歳までの幅広い年齢の校閲者がいるそうですが、担当の振り分けはどうされているのでしょうか?

柳下:たとえば、ピカチュウの本を読むんだったら30代前半くらいまでが一番馴染んでた世代なので、その年代の子たちに読んでもらいます。

内容の間違いに気づく、校正・校閲の仕事。「知識量がすごそう」という印象を抱く人も多いかと思いますが、柳下さんによると「プロの“ものを知らない人”。知らないからこそ読める」。知識のない人が読むからこそ細かく調べる、ということなのだそう。

■間違いに気づく2通りの読み方

柳下:たとえば、単純な文字の間違い、ひらがなが1個抜けていたりとか、誤字脱字、単純な文字の間違いというのは、読み飛ばしていくと気づけなくなってしまうんですよ。だから、一文字ずつ読む必要があるんです。

一方で、物語の整合性をチェックする場合は、一文字ずつ読むと気づかなくなってしまいます。これを読むときに必要なのが「視点の高さ」。

柳下:読み方には2種類あります。視点の高い読み方と、低い読み方。低い読み方は、“文字に近い読み方”と言えます。この2つを混ぜて読むのが、校閲の読み方です。
岡田:難しい……。慣れればできます?
柳下:慣れればできますし、一番やりやすい方法は“2回読む”です。飛ばし読みでもいいから内容を把握する読み方と、一文字ずつ次の文字を見ないように指で抑えて、「人」「間」「は」「成」「長」という読み方。

他にも、差別語・不快表現、読みやすいように表記の統一、など注意したい点がある場合は、その部分をもう一度読む、というやり方などがあるそうです。

■校正・校閲は“日本語の間違い”をチェックする仕事ではない

柳下:基本的に文芸作品は表現なので。我々が言う“間違い”っていうのは、“日本語の間違い”ってよく思われるんですけど、“現代語の間違い”なんですよね。

たとえば、日常会話の中でよく使われる“ら抜き言葉”。これは辞書に載るような日本語としては正しくはありませんが、会話の中では間違いではありません。そのため、なんでもかんでも“日本語として正しいもの”だけを求める仕事ではないと柳下さんは言います。

句点が多い文章も、読みにくくはあるものの、日本語として間違いではありません。著者のこだわりだとわかれば、あえて指摘をしないことも。

柳下:やっぱり作家さんも作る人なので、(指摘されすぎると)書けなくなっちゃう。ヘソを曲げちゃうとかそんなケチな話ではなくて、気になって書けなくなっちゃうっていうのが一番よくないので、そういうところは気を使っていますね。

文字の間違いや物語の整合性だけではなく、文章から作家の意図も読み取る必要もあるようです。

この他、柳下さんが校正・校閲者になるまでに経験したという波乱万丈な人生など、興味深い話が飛び出しました。

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【番組情報】
番組名:「GROWING REED」
放送日時:毎週日曜 24時−25時
オフィシャルサイト: http://www.j-wave.co.jp/original/growingreed/

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