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にゃんこタワー開発奮闘記 第四話

■第四話
Subject: 【報告】デザインサンプル
From:nyantama@silvervinekingdom.org
Date:2013/01/26 14:48
To:king@silvervinekingdom.org

シルバーバイン王国
親愛なるにゃんこ大王殿
エンジニアのにゃんたまです。

ウエットフードをたくさん送ってくださいまして、有難うございました。
ちょっと目を離したすきに、ムウさんに、食べられました。ムウさんの太る理由は運動不足だけではないようです。ムウさんもシルバーバインの食べ物は気に入ったようです。この時期、ムウさんはどんどん大きくなっている気がします。冬に備えているそうです。日本の冬は寒いですが、こたつという素晴らしい暖房器具があります。この中で眠るのは最高です。

さて、報告の続きです。端材を使ったのでは、材料が集まらないとのことでしたので、一般に広く販売されている板で作るしかありません。ただ、一般に流通している真四角の板を積み上げても単なる本棚になってしまって、ネコにとって魅力的にうつらないようです。また、これでは「人間」が勝手に物を置いて、ネコのスペースを奪ってしまいます。いったんは、大きな四角の板を買って、これを素敵な形に加工しようと考えました。

まずは模型で色々なデザインを試しました。倒れにくいこと、加工がしやすいこと、お洒落であることといった点に注意しながら色々作りましたが、最終的には3つに絞りました。

①BYOBU

日本に古くからある屏風と呼ばれるついたてをヒントにしました。長細い六角形の板を、高さを変えて連結します。写真では交互に折れた「Z」状に組んでいますが、カタカナの「コ」の字にすることもできます。各段の高さが違うので、小さく折りたたむこともできます。
ただし、一直線になると、倒れてしまうという弱点もあります。
長細い六角形の板は、長方形の板から、四隅にのこぎりをあてるだけですので、加工が簡単で、比較的安価に作れます。ただ、ムウさんに「しっかりカギ状に曲げないと不安定で、上に登りにくい。」とのことでした。

②SNOW

屏風とは違って、ちょっと複雑なデザインで作ってみました。一番下の板を見ていただければお分かりいただけると思いますが、雪の結晶のイメージです。デザインは美しいですが、底面が6方向に張り出して大きいので、これを設置するには部屋の広さが必要です。また、各階を支える柱3本のうち1本は、上下の階に繋がっているだけなので、ねじれようとする力が働き、強度的な問題もあります。あと、板の端の加工については、改善の余地があります。ムウさんには、「端があたると痛いかも。あと、一番上が狭いのでリラックスしにくい。」と言われてしまいました。刺さる問題は、もう少し角を丸くすると良いのですが、ちょっと雪の結晶のデザインからは遠ざかります。

③グラファイト

六角形をつなぎ合わせたデザインにしました。グラファイトとは、鉛筆の芯に使われる黒鉛のことです。
黒鉛は、炭素原子が層になって結合しているのですが、黒鉛の化学記号が、この形に似ているので名づけました。壁に沿わせて建てる想定にしていまして、写真の奥側は出っ張りがなく、逆に手前側にはせり出す部分を作ることで、デザイン性を高めています。

どれが王様はお好きですか?選んでいただけたら、それで作ります。

またミーさんについての報告です。

キャンプネコの食事は「人間」からもらうことも多いということでした。ミーさんの場合、家具屋のセンター長がいつもご飯をくれるのだそうです。センター長は自宅でネコと一緒に暮らしていたのだけれど、今は、単身赴任でこの街に来ているから、ほとんど逢えなくてさみしいと。それで家のネコに似ているミーさんにご飯を用意してくれるそうです。契約関係もないのに、ご飯をくれるというのは、人間の不思議な性質です。

でも、いつもご飯に、かつお節という「人間」のフレークを乗せてくれるらしいのですが、ちょっとしょっぱいそうです。ちょうど少しだけ残りがあったので、僕ももらいました。確かにしょっぱいですが、後を引くおいしさでもあります。おいしいからという理由で、健康に良くないものでも食べ続ける性質が人間にはあるようです。「人間」には、何から何まで欲に忠実なところがあります。

結局、今日もセンター長のことしか聞けませんでした。僕はミーさんの生活をもっと詳しく知りたいのに。

愛をこめて にゃんたま

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