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「気がつくと詩を書くしか取り柄がなかった…」臆病な詩人・文月悠光ができるまで

「気がつくと詩を書くしか取り柄がなかった…」臆病な詩人・文月悠光ができるまで
J-WAVEで放送中の番組「GOOD NEIGHBORS」(ナビゲーター:クリス智子)。3月29日(木)のオンエアでは、詩人の文月悠光さんが登場。最新エッセイ集『臆病な詩人、街へ出る。』について訊きました。

■詩の始まりは、「日記の隅に書いた感情」

文月さんは、中学生から詩を雑誌に投稿し始め、16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年生のときに詩集『適切な世界の適切ならざる私』で中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を受賞し、「JK詩人」として話題になりました。

文月:「詩人で食べていこう」と決意しているわけではありませんでした。ただ、小さい頃から、身近にいる大人よりも、本の登場人物に感情移入したり尊敬したりといったことが多かったですね。「本を書く人ってどんな人たちなんだろう、どんな大人たちなんだろう、その世界に入ってみたい」という興味は強かったと思います。もともと文章を書くのが好きで、小学校2年生のときに学校の友だちと交換日記を遊びをやっているうちに、友だちの続きで架空の物語を書くゲームをはじめて、「これを自分一人でやっても面白いかも」と。でも、子ども時代や思春期は、毎日「悲しい日」「嬉しい日」と感情が揺れるので、時間をかけて長い物語を書くよりは、瞬間、瞬間を切り取れたらいいなと思ったんです。それで日記帳の隅っこに、友だちと話していて思ったことを短めの言葉で表現したら、詩っぽくなりました。

職業が詩人になったことについては、こう話します。

文月:うーん。私、実は就活もしなかったですし、何となく学生時代に中原中也賞をきっかけに、お仕事をいただくようになって、その延長線上で書く仕事を続けているだけなので、詩人という職業を選んだというより、気がつくとそれくらいしか自分に取り柄がなかったんです。

■現実と向き合うエッセイで描きたかったこと

文月さんは、2月にエッセイ集『臆病な詩人、街へ出る。』 を上梓しました。内容は内面を吐露するような赤裸々な内容です。

文月:「就活経験ゼロ、恋愛経験も未熟、残されていたのは世間知らずでさえない平凡な女だった」と、誇張はあるにしろ、そういう臆病さを抱えた自分が不慣れな現実と向き合うエッセイになっています。

エッセイに書かれているのは、はじめて行った近くの八百屋から、フィンランドまで、大小さまざまな“冒険”。その他にも「苦手な料理に挑戦」「知人から恋愛の告白をされて混乱」といったエピソードが詳細に綴られています。

文月:私が書きたいのは、細かい細部とかディテールだと思っています。自分が言った言葉に相手がどのように反応してくれるのかなどを、解像度高く切り取りたいんです。

読みどころのひとつは、アーティスト・チョーヒカルさんとのやりとり。「人との距離感や、自分のことをどう思うか、人にどう思われるのか」などをテーマにしています。

文月:チョーさんのように積極的な人と、私のような受け身の人間……気質の違うもの同士が無理やり話さなければらない状況に置かれることが、エッセイの中ではエンターテイメントになると感じました。

トーク後半では詩集『わたしたちの猫』から一部を選んで朗読していただきました。文月さんの今後の活躍にも注目です。

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【番組情報】
番組名:「GOOD NEIGHBORS」
放送日時:月・火・水・木曜 13時−16時30分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/

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