【連載】Tsubasa Shimada(PrizmaX) presents『Wet Crate』- 第22回 Braille –
PrizmaXのパフォーマーでありながらDJとしても活躍する島田翼が、長年集め続けた珠玉のレコードコレクションの中からお気に入りを紹介する、偏ったエゴ満載の連載企画。この機会にぜひ、ループミュージックの世界観に浸ってみてはいかがでしょうか?
こんにちは。島田翼です。
家から見える桜の木が満開で、とても気持ちがいいです。最近は自分の時間を使えることが多いので、ダンスの練習をしたり、家のレコードの整理をしたりしています。
推定1000枚以上のレコードが僕の部屋にはあるのですが、どれもやはり思い入れがあります。
どこのレコード屋でいくらで買っただとか、ゴミ置き場から拾ったとか、先輩やファンからプレゼントでいただいたとか。
最近はいつでも簡単に音楽が楽しめて、どのシチュエーションにも音楽が寄り添っていて、なおかつ音楽を選ぶこともより簡単になってきていると思います。
現に僕はSpotifyを使うし、まあさすがに無料ストリーミングとか違法なんちゃらとかに対してはヘイトの姿勢ですが、それだけ簡単に音楽に触れ合えるのはすごいことですよね。
ただそれでも僕は中古盤も新譜もレコードで買うし、なんなら知らないアーティストでも買ったレコードを通して知ることだってあります。はたまたアーティスト情報が非公開のレコードがあったり。そのアーティストがどんな人だとかは僕としては関係なくて、ただその音楽が好きっていう感情が先行してとりあえず買うんです。それはエレクトロニックミュージック界隈だけの特徴かもしれないし、他にも同じように感じている人もいるかもしれないですし。ただ知識は取り入れて視野を広げていこうと思っています。学ぶ間もなく次のレコード買っちゃうんですけどね(笑)。
僕はCD世代ですが、CD屋で出会う音楽だってあったし、道端でライブしてて出会う音楽もあると思います。同じ音楽を好んで聴いている友人から教えてもらう別の音楽だってあるんじゃないでしょうか。
こんなこと言ってたらキリがないですが、簡単に流れてきてその場で消費されて終わる音楽よりも、実際に自分が出歩いて出会った音楽って圧倒的に重みが違うんですよね。そこでしか出会わない音楽、そこで実際に手に触れた音楽、レコード屋で先輩に会って教えてもらう音楽。音楽や音楽に関する情報が溢れる時代に、人と人のコミュニケーション、つまり感覚や知恵の交換で触れる新しい出会いを僕は大切にしたいです。僕がレコ屋に週何度も何時間もわざわざ行って、レコードを買う理由。
このレコードも本当に最近買ったやつなので、これからしばらく聴き続けることとします。
以上、マニア、オタク、コレクターの戯言でした。
Tsubasa Shimada(PrizmaX)
シマダツバサ:幼少の頃よりダンサーとしてのキャリアを積み、高校生の時にニューヨークへ単身短期留学に発つ。現在はダンス&ヴォーカルユニット、PrizmaXのパフォーマーとしてステージに立つかたわら、DJや写真などのカルチャーに没頭する。縦横無尽にさまざまな音楽体験を経た中で、現在はダンスミュージックに着地し、ミニマルな繰り返しの中で独自のグルーヴを紡ぎ出すDJプレイで空間を彩る。ハウスミュージックの疾走感と共に、芸能界屈指のDJ/レコード・ディガーを目指し音の旅を続ける。
プリズマックス:2002年結成。メンバーの入れ替わりや増員などで10人組の時もあったが、10年からスターダストプロモーションの男性タレント集団EBiDAN(恵比寿学園男子部)に参加し、13年には現在の5人体制になる。結成10周年を迎え、2013年3月にダンス&ヴォーカルユニットとして「Mysterious Eyes/GO!」でCDデビューを果たした。
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