小論文完全マニュアル① 意外とみんなわかってない!?目からウロコの「小論文とは?」
小論文が苦手なのは、小論文を知らないから!?
大学などの入試科目の中でも小論文が苦手という人は多いのではないだろうか。
「問題を解く」タイプの他の科目とはそもそも性質が違うので、どう対策すればいいのかよくわからないという人もいるはずだ。
スタディサプリの小論文講師、小柴大輔先生によれば、実は「小論文とは何か」をよく理解していない受験生も少なくないのだとか。
対策の第一歩は、まず敵を知ることから。
受験生が誤解しがちなポイントを中心に、小論文という試験科目の基本を先生に解説してもらおう。
2.基本中の基本。小論文は作文・感想文とは違う!
3.小論文で求められる「意見」は持論や思想とは違う
4.反論を乗り越えることで説得力が大幅にアップ
5.小論文は「序論」がカギ。「結論」は軽視してもOK
6.高得点は難しい科目。60~65点で合格ライン
最初に、小論文の出題形式について押さえておこう。
代表的なのは、長めの課題文付きのタイプ、シンプルなテーマだけが提示されるタイプ、グラフなどの資料を読み解くタイプなど。
時間と文字量は、60分600字、80分800字などのパターンが一般的だ。 「だいたい100文字あたり10分程度と考えてOKです。
少ないと400字、多いと1000~1200字という場合もありますが、いずれにしても時間との勝負ですね」
基本中の基本。小論文は作文・感想文とは違う!

ただし、出題の形式や文字量が違っても、小論文の基本となるポイントは共通していると小柴先生。 「基本中の基本は、作文・感想文と小論文の違いを理解しておくこと。
よく言われることではあるのですが、小論文なのに作文・感想文を書いてしまう受験生は多いんです」
作文・感想文なら自分の思ったことを思ったように書いてOK。
これに対して、小論文は、設問に対して、根拠を示して自分の意見を論じるもの。
論理的に相手を説得することが求められる文章。
独りよがりな思いだけを書いても誰も説得することはできず、それでは小論文として成立しないのだ。
というわけで、小論文には「意見」とその「理由・根拠」が明解に示されていないといけない。
かつ相手を説得するためのわかりやすい「構成」も重要。
では、この3つの要素について小柴先生にさらに詳しく説明してもらおう。
小論文で求められる「意見」は持論や思想とは違う

まずは「意見」について。 「意見というと、自分の中にある『揺るぎない持論』を披露しないといけないと思い込んでいる受験生もいますが、そんなことはありません。
そもそも、課題文に対して賛成・反対の両方の立場から論じさせる設問だってありますから。
自分の考えとは違う意見を書くことだってあるのです」
これは意外に感じる人も多いかもしれない。
要するに、問われているのは、その人の本質的な考え方や思想ではなく、初めて見るテーマについても臨機応変に論理展開できる柔軟な思考力というわけだ。
ちなみに、意見と感想の違いがよくわからないという人も多いかもしれない。
わかりやすく言えば、自分の中の「好き/嫌い」で終わってしまうのが感想、一方、自分の感情とは別に、論理的な根拠とともに主張されるのが意見。
例えば、「とてもおいしいから納豆が大好きだ。だから毎日食べたい」は感想(あるいは自分の感情・感覚だけに基づいた考え)。
これに対して、「納豆には必須アミノ酸がバランス良く含まれており、人々の健康増進に貢献することが科学的にも証明されている。