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ネットの話題から生まれた「聴覚保護」マーク どこで手に入るの?

ネットの話題から生まれた「聴覚保護」マーク どこで手に入るの?

 何気ない生活音や、オフィスで当たり前に響くキーボードをたたく音、電車の音、保育園や小学校で子供たちが元気よく遊ぶ声、車の通行音……私たちのいる世界には音が常にあふれています。しかし、その音を脳が上手く処理しきれず過敏に反応してしまい生活に辛さを感じる人も少なからずいます。

 これまでにもあるツイッターユーザーのつぶやきから広がった、聴覚を保護するための取り組みを記事にしてきましたが、改めてその取り組みを振り返ります。

【さらに詳しい元の記事はこちら】

 事の発端は、小さい子供に「イヤーマフ」という雑音を遮断するための耳の保護具を付けていたところ、音楽用のヘッドホンと間違われて見ず知らずの人に誤解されてしまったというツイート。この「イヤーマフ」はぱっと見は普通のヘッドホンとあまり変わらない見た目なだけに「小さい子供にこんな大きなヘッドホン付けさせて音楽聞かせるなんて」と思われてしまったようです。

 そして当時、この話は当媒体でも紹介。広く知られるべきと記事化しました。でも何だか気になり記事化した後、ふとした思いつきでピクトグラムなどに詳しい株式会社石井マークさんに雑談混じりで話を振ってみたのです。なんかないかな?と。すると出てきたのが「聴覚を保護しています・苦手な音を防いでいます」という絵記号。

 こうして生まれた絵記号は、SNSや記事での紹介も通じて、少しずつ聴覚過敏で困っている人たちに知られるようになってきました。近頃では実際の利用者の感想が話題になるのを目にしたりも。ほんのちょっとしたことですけど、誰かの役に立っているというのは橋渡しをした身としてとても嬉しく思います。

■聴覚過敏と生き辛さと自衛手段

 聴覚過敏も含まれる「感覚過敏」は神経などの疾患で起こり得たり、発達障害を持っている人に多くみられる状態です。人間の脳は普段生活している中で自分が必要としている音や感覚だけを取捨選択できる仕組みが備わっています。がやがやとした雑音の多い場所で話相手の言葉を選択的に聞き取る事ができる「カクテルパーティ現象」もその一つ。

 しかし、その脳の働きが上手く行かず同じ音量で入ってきた音をすべて受け止めてしまう状態の人も実は多くいます。この状態は必要な音を選択的に聞き取る事ができないばかりか、不要な音まで取り込んでしまう為とても苦痛を伴います。その為、雑音とされる音域をカットする耳の保護具「イヤーマフ」や「デジタル耳栓」などが聴覚保護に役立っています。

 ただし、イヤーマフはその見た目でヘッドホンと間違えられやすい、耳栓は落としたりなくしたりしやすく子供には不向きである為発達障害を持つ子供がいる親にとって子供の聴覚保護は大きな悩みでした。

 聴覚過敏の自衛手段の一つとして、株式会社石井マークさんが考案した聴覚保護マークが少しずつ使われ始め、そのマークを目にしたネットユーザー以外の人にも認知が広まりつつあります。イヤーマフの耳当て部分に貼り付けたマークを見て、“音楽を聴いているのではなく耳を保護している”という事が視覚的に分かりやすくなった為周囲からの誤解も受ける事なく過ごす事が出来ている人が増えてきています。このマークを「お守りの様に思っている」という人もおり、見えない苦痛を見える状態にする事の大きさを痛感しています。

■聴覚保護マークはどこで手に入るの?

 株式会社石井マークさんは、本業は工業製品の表示板や防災表示、施設などに使われる図表示などを製造販売ている会社ですが、ツイッターでの注意喚起、啓蒙活動も盛んにおこなわれています。福祉分野への理解も深く、今回ひとりのライターが話を持ち掛けた事に端を発したこのマークは石井社長が実際にマークを使用してみた人などの意見をもとに試作に試作を重ね、現在まとめサイトなどを経由したネットユーザーからの口コミでもその使用が広がっています。

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