『カレーの愛し方、殺し方』作者・手条萌さんと行く、“一人遊び”が充実する街・学芸大学
『カレーの愛し方、殺し方♥』の著者・手条萌さんに聞く「学芸大学」の魅力
特定ジャンルの店が密集している地域を「激戦区」と呼ぶ。ラーメン激戦区、焼き肉激戦区、スイーツ激戦区……。競合がしのぎを削り、時に淘汰され、本物だけが生き残る。厳しい世界だ。お店にとってはしんどいが、その筋のマニアにとっては天国のような街ではないだろうか。
そんな街に住めたら、さぞ楽しいだろう。そこで、その道を究めたマニアに“オススメの激戦区”を教えていただく本企画。今回のナビゲーターは、カレーマニアの手条萌さん。巡るのは「学芸大学」。手条さんがこよなく愛するカレー屋を巡りつつ、学芸大学の街を歩いた。
今回はカレー屋の激戦区「学芸大学」を巡るカレーと学芸大学の街をこよなく愛する手条萌さん
会社員の傍ら、作家としても活動する手条萌(てじょう・もえ)さん。ライフワークはカレー屋巡りで、一昨年には単著『カレーの愛し方、殺し方♥』(彩流社)を上梓している。いや、「カレー屋巡り」などという生ぬるい表現では、手条さんのカレーに対する「愛」は伝えきれまい。
彼女はその著書名の通り、心からカレーを愛し、愛するがゆえ健全なカレー文化に仇をなす人々や「カレーを殺す」悪しき風習を憂いている。なお、そのあたりは著書に詳しいので、ぜひ読んでみてほしい。筆者も3回読んだが、名著である。
手条さん。著書では深い論考をもって、日本のカレー文化について鋭く切り込む。鋭すぎて色んな人に怒られたという
今回は、そんな手条さんと学芸大学を巡る。東急東横線で渋谷から5つ目の駅・学芸大学には手条さんお気に入りのカレー屋が点在し、街としても大好きなため頻繁に訪れるそうだ。
「基本的にいつも学芸大学にいます。カレー屋以外にもさまざまな飲食店や、オシャレな古本屋、美容院、マッサージ店、さらには個人的に大好きなカラオケ店もあって、本当に一人でも遊びやすい最高の街だと思っています」(手条さん)
どうやら、カレー愛だけでなく「学大愛」も相当に深いようだ。せっかくなので、今回は手条さんの学芸大学お気に入りスポットも案内していただこうと思う。1軒目:混ぜてもうまい! 個性がぶつかる2種類のコンビカレー「VOVO学芸大学駅前店」
こじゃれたバーのような外観
さて、まず訪れたのは、学芸大学駅東口から徒歩3分の「VOVO 学芸大学駅前店」。
カレー屋らしからぬ、ずいぶんと小洒落た佇まいのお店だなぁと思ったら、内観はさらに小洒落ている。カウンターの中には阿吽の呼吸でカレーを作り、さばく男女の店員さん。とても心地よい雰囲気だ。