映画クロスレビュー:『リメンバー・ミー』ガジェ通記者が100%で嗚咽! 「重いテーマなのに軽やか、誰もが感情移入出来る大傑作」

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リメンバー・ミー

久々に映画館で嗚咽! メキシコ旅行が大人気になりそうな予感

去年から楽しみにしていた本作ですが、想像以上! 久々に映画館で嗚咽しました。
美しくカラフルな映像で語られる家族愛のストーリーに音楽のパワーが加わり、目にも耳にも心にも栄養補給できる作品です。あと、エンドロールに流れる映像が粋! そこでまたグッとくるのでみなさまもお見逃しなく。

また、メキシコ版お盆ともいえる“死者の日”の、色彩と音楽に満ちた陽気なムードを楽しめるのも本作の大きな魅力のひとつ。細かい細工の切り絵や、カラフルな伝統工芸品のアレブリヘ、マリーゴールドでオレンジに染まる祭壇など、メキシコの町並みが目新しく、コマ送りでじっくり観たくなります。鑑賞後、“死者の日”を調べたところ、映画の雰囲気そのままで驚きました。この映画の影響でメキシコ観光客が増えるんじゃないかしら。

ちなみに伝統工芸品のアレブリヘは、本作では死者の魂を死者の国に導く存在として描かれており、カラフルな背景に負けない蛍光カラーでめちゃカワなのです。ちょっとだけうつるハリネズミのアレブリヘがとってもかわいいのでチェックしてみてね!

【プロフィール】moca
かわいいもの、美しいもの、もこもこしたものが好きなデザイナー。

リメンバー・ミー

『トイ・ストーリー3』の監督だよ、見ない人いるの?

邦題『リメンバー・ミー』として100点、原題『Coco』として120点! ピクサー作品の中でもトップクラスに大好きです。音楽を禁じられた家庭でミュージシャンを夢見る少年の物語、との触書きで海外版トレーラーを見たのが約1年前。その時点でハンカチの準備は万全だったけど、いやぁ~、自分でもヒクほどの嗚咽でした。ピクサーが音楽と家族愛をテーマに映画作ったら、そりゃ泣くってばさ!

メキシコの「死者の日」って『007 スペクター』を見るとただのフェスティバル感が強いんですけど、根幹は日本の「お盆」に似た催しなんですよね。祭壇に故人の写真を飾って、生前に好きだったものをお供えして、”死者の国”から魂を迎えて、また送り出す。逆に、帰って来る場所がない魂は”生者の国”に渡ることができない。それどころか、自分の存在を覚えている者がいなくなったら、”死者の国”からも消え去ってしまう。2度目の死です。ポップなアニメーションとはいえ映像で見せられるとハッとするし、否が応でも「自分が死んだら……」とか考えちゃいますよね。そして、この設定が物語の重要なカギに。

ひょんなことから生きたまま”死者の国”に迷い込んでしまった主人公の少年ミゲルくん。憧れのミュージシャンが自分の先祖だった……というヒント得て、自分のルーツを辿るとともに、一族が音楽を禁じた理由を知るための冒険に。しかし、日の出までに”生者の国”へ戻らなければ、永遠に家族と会うことができなくなってしまいます。このあたりの謎解きタイムサスペンス的なストーリーテリング(とミスリーディング)は、さすがの手際よさ。

で、クライマックスにCMでも頻繁に耳にする主題歌が流れる場面。来るぞ、来るぞ、と分かっていても、もう涙が止まらない! 涙腺、大・決・壊! この頃には、曲の印象、歌詞の持つ意味がガラッと変わっているハズです。あぁ、記憶を消してまたあの新鮮な感動を味わいたいなぁ。

【プロフィール】よしだたつき
PR会社出身のゆとり第一世代。ピクサー次回作『インクレディブル・ファミリー』も楽しみ! ピクサー、フォーエバー!

リメンバー・ミー

日本語吹替のクリオティ&歌唱にも大感激!

子供はエンターテイメントとして楽しめ、大人は色々と考えさせられる。そして、子供が成長して大人となった時に“思い出し理解”する、という、ディズニー/ピクサー映画の真骨頂を観させていただきました。

メキシコの文化、死者の祭について、それまでに何の知識もなかったとしても理解出来る様に丁寧に描写されているのですが、日本人的には「お盆」の概念があるので一瞬で理解出来ます。遠く離れた日本とメキシコで、こんなにご先祖様への想いや文化が似ていたなんてビックリしますし、お子さんに「お盆ってこういうことなんだよ」って教えるのにもいいかも。「お盆って墓参り行って天ぷら食べるだけの日じゃないんだよ」って。ちなみに、お盆に天ぷら食べるのって長野県の一部の地域だけらしいですね。

さて、筆者も試写会で観てびっくり仰天したのですが、この映画皆さんが思った以上にネタバレ厳禁な作品でもあります。映画冒頭から一気に映画の世界観に引き込まれ、話が進んでいくにつれてキャラクター達のことが大好きになり、そして驚きの結末では「まさか……?」と思っているうちに号泣していること必至。しかもそれが悲しい・辛い涙じゃなくて、純粋な感動の涙なんですよね。ひと昔前のOL雑誌みたいな事言いますけど「涙でデトックス」出来ますよ。

そして、音楽! 「リメンバー・ミー」の名曲ぶりは言わずもがな、「Un Poco Loco」など他にも良い曲いっぱい! 日本語吹替の石橋陽彩くんと、藤木直人さん、松雪泰子さんの歌後えも最高。そして石橋くんが第一生命のCMのラップ少年だって知ってびっくり!(https://www.youtube.com/watch?v=ffpUuFF16Po)

【プロフィール】藤本エリ
ピクサーは大好きな作品ばかりなんですけど、特に好きなのはカーズ、トイ・ストーリー、レミーのおいしいレストラン、ウォーリー、Mr.インクレディブル、モンスターズ・インク、モンスターズ・ユニバーシティ……って全部かな。うん。

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