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残業しない「サッカー的」チーム、残業だらけな「野球的」チーム

『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)の著者である石川和男さん。石川さんは、建設会社総務部長・大学講師・専門学校講師・セミナー講師・税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパービジネスパーソンです。そんな石川さんに「残業しないチームと残業だらけチームの特徴」についてお聞きしました。

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時間無制限で成果を上げるか?限られた時間で成果を上げるか?

野球の試合には、時間制限がありません。コールドゲームにでもならない限り、どれだけ点差がついていても、必ず9回裏まで行わなければ終わりになりません。抑えの切り札、守備固め、右の代打……作戦を練りながら勝てる手段を考える。粘れば粘るほど時間がかかります。

一方、サッカーは90分という限られた時間の中で戦います。時間がくれば強制的に試合が終わってしまうため、時間的制約の中で結果を出さなければなりません。

残業だらけチームの働き方は、野球の試合に似ています。定時に帰るという制限時間を設けていないため、成果(勝利)が出るまで仕事(試合)を続けることになります。

「仕事は定時に絶対終わらない」と言っていたメンバーが…

ここで一つ例を紹介したいと思います。以前に私が勤めていた建設会社での話です。

現場を任されている工事部は、毎晩9時過ぎまで残業することが普通でした。「現場の仕事は定時には絶対に終わらない」というのがメンバーの口癖で、夕方5時まで現場に出て、それ以降に書類作成をするため、残業するのが当たり前という言い分でした。

しかし、実は「残業するのが当たり前」ではありませんでした。会社にある野球部の練習があるときには、皆残業せずに仕事を終わらせることができたのです。

練習は現場が終わってからナイター球場で行われます。練習は月3回、試合は2回という日程でしたが、試合になると必ず5時には仕事を終わらせて全員が球場に集まります。部員が9名しかおらず、1人でも欠けると試合ができないため、何とか仕事を終わらせて集まります。

「現場の仕事は定時には絶対に終わらない」と言っていても、試合の日になると終わらせることができている…。おまけに、定時に帰ったからといって、工期が延びたことも、事故が起こったことも、現場でトラブルになったことも、一度もありませんでした。

残業だらけなチームは「業務」を中心に考える

この事例から、学べることは何でしょうか?時間的制約があれば、仕事を終わらせることができる…それはなぜでしょうか?

残業するチームは「業務」を中心に考える傾向があります。業務を中心に考えると、「何をやったか」に意識が向かうあまり、「何のためにやっているのか」を見失ってしまいがちです。例えば、この工事部のメンバーは、本当に現場に夕方5時までいる必要があるのでしょうか?メンバー全員がいる必要があるのでしょうか?もしかすると所長は現場に出るのではなく、書類対応に専念した方が効率的なのかもしれません。書類はまとめて事務部門にお願いすることもできるかもしれません。また夕方以降に書類作成…これも本当に必要な書類ばかりなのでしょうか?作業日報で不要な欄は削るなど、見直すべきポイントがあるはずです。

大切なのは何をやったかよりも、何のためにやっているのか。「現場の仕事は定時には絶対に終わらない」の「絶対」という言葉を使っている限り、目的を問うことなく、思考停止に陥ってしまいます。

こうして例として紹介すると「なんだ当たり前じゃないか」と思うかもしれません。しかし実際には、「何のために」を考えきれているチーム・組織は少ないように思います。考える時間すら目の前の“業務”に追われてしまい、ないのかもしれませんね。

あなたのチームはいかがですか?

もし、残業が続いているなら、強制的に終わるように、意図的に定時以降にスケジュールを入れてしまいましょう。強制的に「何のためにやるのか」を考えるきっかけとなるはずです。

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