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「東京五輪エンブレム」に「PPAP」…社会は商標で溢れている

「東京五輪エンブレム」に「PPAP」…社会は商標で溢れている

■いよいよ東京オリンピック、思い出すのはあの騒動

平昌オリンピックが終わり、日本選手団の大活躍が記憶に新しい昨今。パラリンピックが終われば、いよいよ「東京オリンピック2020」に向けた話題が耳目を集めることだろう。

努力を積み重ね、全力で戦いに挑む選手たちに興奮し、スポーツの祭典の素晴らしさを体感する一方で、その五輪を象徴するエンブレムが、お恥ずかしい経緯で撤回されていたことをご記憶の方も多いことだろう。

また、五輪とまでは言わずとも、今や世界のピコ太郎が、ネット動画で爆発的人気を獲得した「PPAP」も、その人気っぷり故に、なんの関係もない大阪の業者に狙い撃ちされていたのをご存知だろうか。もちろん命にまつわるものではないが、名前を奪われる危機に晒されていたのだ。

この、なんの関係もなさそうな両者がともにぶち当たったのが、「商標」問題だ。前者は、国内のみならず海外でも盗用疑惑に晒されて、耐え切れずに撤回。そして後者は、自身のパフォーマンスにも関わらず、まったく関係のない大阪の業者がビジネスになると踏み、ピコ太郎の所属事務所よりも先に、「PPAP」という名称を商標登録申請していたのだった。

■あなたは本当に、「商標」を理解していますか?

弁理士として、テレビやラジオなどにも多数出演している平野泰弘氏の著書『社長、商標登録はお済みですか? あなたの知らないRの凄いチカラ』(ダイヤモンド社刊)によると、商標とは「何らかの商売上の目印となる文字やマーク、記号、立体的な形状、そしてこれらと色の組み合わせを『商標』として、法律で保護して、商売をする人の信用や利用する人の利益を守り、世の中が発展するようにしますよ」ということを国が宣言しているもの、と説明する。つまりこの権利が「商標権」だ。

同書は、商標の意味・意義をわかりやすく解説し、多くの事例とともにどのように登録申請すればよいかをひも解いているが、刊行からはや6年。商標がますますビジネスの現場で欠かせないものとなる中、法改正、新制度の導入、費用の変更なども踏まえながら、守るためだけではなく、ビジネスチャンスとしての商標の可能性に焦点を当てたのが、この度の新刊『社長、商標登録はお済みですか? Ⅱ Rの逆襲 商標登録で成功する経営者、失敗する経営者』(平野泰弘著、ダイヤモンド社刊)だ。

■35歳で独立開業する社長に向けて

本書は、「35歳で新規に独立開業した社長」に向けて書かれたメッセージなのだという。それぞれの業界で実績を積み、丁寧に成長曲線を描いていこうと考える真面目で若き起業家が、正しい知識と先見性を踏まえ、自身のブランド力を磨くなら、すぐにでも手を打たなければならないものが「商標登録」である。「商標」という武器を手にしていることの強みをどう生かすのか、それを示唆することも、本書の大きな役割だ。

そして、各種ある日本のマーク解説から、前出の「旧五輪エンブレム」や「PPAP」問題、「フランク三浦」や「面白い恋人」などのパロディ商標、「コメダ珈琲」と外観がそっくりな店舗に対するトレードドレス(店の内外装が特徴的な機能を有するもの)など、近年の事例を引きながら、訴えられた場合、そして訴える場合の手続きなども具体的に解説する。

■フロービジネスから、ストックビジネスへ

中でも、商標とともに、意匠権や著作権など知的財産権にも目配せをしつつ、海外でビジネスを行なう際に、それぞれの国でどのように商標登録するのか、マドリッドプロトコル(通称マドプロ)と呼ばれる国際的な商標登録制度を利用した出願・登録の方法を紹介。「商標」に働いてもらうための仕掛け、考え方なども例示しつつ、商標ビジネスの可能性を深く追求する。働いた分だけの収入が得られるビジネスである「フロービジネス」から脱却し、直接労働時間を提供しなくても収益が得られる「ストックビジネス」を目指すなら、「商標登録」は済んでいないでは、済まされないようだ。

著者は本書を、罠にハメられる前に知ってほしいから35際の若き社長をターゲットにしたと言及している。とはいえ、起業を志す学生のためにはもちろん、既に起業しているものの、商標に関する手続きは後手にまわっているという先輩社長にも有効な1冊だろう。

(新刊JP編集部)

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