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電波の弱い地下のライブハウスでもツイートしたい!ファンの願い叶えるauの電波対策

2018年1月某日午前11時、東京都港区のライブハウス「白金高輪 SELENE b2」である。アイドル系に強いこのハコ、イベントともなれば熱いファンたちに満たされる。だがこの時、客席はがらんとしていた。そこに一人の男が佇んでいる。無人の客席を行ったり来たりして時折立ち止まり、手元の黒いファイルに目を落とす。

ネイビーとブルーのツートーンの上着の胸元には「KDDI」のロゴ。

この男、いったいなにをしているのか

彼の名は福山裕己。KDDIエリア品質強化室に所属している。

手にしたファイルには6台のスマホが貼り付けられていた。

福山は、この場所にきちんと電波が通じているかを確認していたのだ。
では、彼はなぜ「ここで」調査をすることになったのか。

「つながらないのはどこか」をつねに探索し、対策する

話は数カ月前に遡る。

福山はオフィスで仕事をしていた。彼の所属する「エリア品質強化室」は、大まかにいうと通信品質を改善するための部署である。電波のつながりにくい場所を調べ、原因を調査し、対策する。これらの作業を取りまとめて、電波をつなげるプロジェクトを遂行するのだ。

通信品質の劣化は、基地局との通信データなどから特定する場合がほとんどだ。だがこの時、彼がオフィスで向き合っていたのはPC。しかも、コツコツと検索していた。暇だったのか?

いや、そうではない。

使用していたのは、Twitterやリアルタイム検索。ユーザーからの「ここで今、つながらない」という声を拾い上げていたのだ。

時折、「auの電波」への不満がポロポロとあぶり出されてくるのである。

そんなツイートのなかに見つけた「白金高輪 SELENE b2」というお店の名前に福山は注目した。そしてこの店名を対象に加えて検索!

すると「セレネ(=白金高輪 SELENE b2)」で電波がつながりにくいという声が次々ヒットしたのだ。

「セレネ、地下は電波ないし、アップダウン激しいしつらいですよね…」
「あとセレネ、(中略)電波入りづらいけど」
「白金セレネ、地下で電波つながらんかったから」

調べてみるとその名の通り、店は地下2階にあった。福山は、早速先方に連絡し、現地調査に急行。

電波品質の調査を行い、地下2階のライブスペースと同じフロアにあるバースペースがつながりにくいことを特定。右の「レピータ」と呼ばれる、電波の中継機を設置した。

かくして「セレネ」にも電波がつながるようになり、バースペースはライブ客たちの喉と心を潤す真のオアシスとなったのであった。めでたしめでたし。

「つながらない」という訴えが直接届かなくても、こんなふうに、みなさんのツイートなどから「つながらない場所」を明らかにし、「つながるようにする」ということを、福山たちは日々行っているのである。

……と、ここまでが、昨年秋の話である。

そして、この記事の冒頭、福山がセレネの店内を調査しているのは、2018年1月の話。
一度「つなげよう」と出向いた場所には、しっかりと関わり続ける。「つながること」を維持するというスタンス。

そう、バースペースの対策から数カ月、「電波の弱い場所がある」との連絡を受け、「エリア品質強化室」は、再び「セレネ」に足を踏み入れたのだ。

電波の死角を特定し、繋がるように対策する

さて、改めてではあるが、今回の舞台となっている「セレネ」、めちゃくちゃ街中にある。

写真中央のビルの1階が受付&エントランス。地下1階に貸しスタジオとライブハウスの楽屋があり、地下2階がライブスペースになっている。

地下に電波を届ける仕組みを簡単に説明しておこう。建物の1階に専用のアンテナを設置し、外界を飛び交う電波を受信。そこから有線で、電波を、届けたいエリアに送る。それを受けて、その場所に発信するのが、上で登場した「レピータ」という装置である。

不具合の可能性も想定して、丹念に店内の電波状況を調査する。

「レピータ」はライブスペースやバースペースなどそれぞれの場所に設置され、電波を届けている。
「ここは問題なく電波、ありますね」と福山は呟いた。

その後も店内を調査、電波が届いていない意外な場所が判明した。

地下1階と地下2階のあいだの階段と、通路である。エントランスでもバーでもライブスペースでもお手洗いでもない、単なる通路。だがここが重要だったのだ!

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