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「臼井孝のヒット曲探検隊~アーティスト別 ベストヒット20」ラブソングとエールソング、どちらが人気!?ドリカムのベストヒットを探る!

CD、音楽配信、カラオケの3部門からヒットを読み解く『臼井孝のヒット曲探検隊』。この連載の概要については、第1回目の冒頭部分をご参照いただきたい。ただし、第3回の安室奈美恵からは2017年末までのデータを反映している。
 (okmusic UP's)
アルバムアーティストとしての 意気込みを感じさせる シングルとアルバムの同時デビュー

DREAMS COME TRUE(以降、愛称の「ドリカム」と呼ぶことにする)は、ヴォーカルの吉田美和とベースの中村正人、キーボードの西川隆宏という3人編成にて、1989年3月21日にシングル「あなたに会いたくて」とアルバム『DREAMS COME TRUE』にてデビュー。シングルとアルバムの同時デビューという点から、すでにアルバムアーティストとしての意気込みを感じさせる。

ソウルやファンクといった洋楽のエッセンスを取り込んだポップミュージックや吉田美和の華やかな歌声はFMラジオや音楽誌で好評を得てきたが、世間一般に知られるようになったのは1990年2月発売の5thシングル「笑顔の行方」から。同作は中山美穂主演のドラマ『卒業』の主題歌として、就職や恋愛で揺れ動く若い女性の心理と見事にシンクロし、ロングヒット。これにより、以降の新作シングルやアルバムはヒットを連発し、旧作のアルバムも再チャートインするように。

特に、前年11月に発売された2ndアルバム『LOVE GOES ON…』は初登場13位から徐々にセールスが下降していたが、ドラマ開始とともに再浮上、終盤に差し掛かった90年3月に8位まで上昇、その後1996年6月まで累計229週もTOP100入りするという驚異的なロングセラーとなる。本作には「うれしい!たのしい!大好き!」と「未来予想図II」が同時に収録され、まだシングル以外の楽曲をダウンロードなどで購入できず、中古やオークションも今ほど活発ではなかった時期ならではの驚異的な記録と言えるだろう(ちなみに、2010年代以降はCDではなく、配信チャートにてロングヒットは多数出ており、現に2015年に発売されたオールタイムベスト『DREAMS COME TRUE THE BEST! 私のドリカム』は、レコチョクやiTUnesでの配信チャートには発売開始以来TOP100内をキープするほどのロングヒットとなっている)。
カラオケ向けのJ-POP系から コアな音楽ファンが求めるような楽曲へ

話を元に戻すと、1990年以降も順調にヒットを重ね、1992年にはTVのレギュラー番組『うれしたのし大好き』を持つほどの人気に。秋には同番組の主題歌「決戦は金曜日」と、NHK連続テレビ小説『ひらり』の主題歌では初となるJ-POP系の楽曲として「晴れたらいいね」が9月と10月に相次いで発売され、その勢いに乗って11月発売の5thアルバム『The Swinging Star』は累計320万枚を超える自己最高のセールスとなった。

その後、1995年7月の18thシングル「LOVE LOVE LOVE」で自己最高となる250万枚級のメガヒットを記録するも海外進出を意識し始めたのか、徐々に楽曲はカラオケ向けというよりも(いや、それまでも歌うのは難しかったのだが、キャッチーでポップゆえ上手く歌えた場合、大きな達成感があった)、よりコアな音楽ファンが求めるような作風に変わっていった。

彼らが築いた「女性ソロボーカル+2人の男性による演奏」といういわゆる“ドリカム編成”のアーティストが、globeやEvery Little Thing、さらにはバラエティー番組発でポケットビスケッツなど、相次いで登場していったが、その中でEvery Little Thingが1997年~1999年、もっとも勢いに乗って活躍できたのは、この時期のドリカムが遠ざかりつつあったポップな要素を上手く取り込んだことも大きいのではないだろうか。
海外での展開を視野に入れ ヴァージンレコード・アメリカに移籍

1997年にそれまでのソニーから海外での展開を視野に入れヴァージンレコード・アメリカに移籍し、1998年以降、海外で作品をリリースし、プロモーションも果敢に実施。1999年のシングル「朝がまた来る」がドラマ『救命病棟24時』の主題歌となり、久しぶりの大ヒットとなるも、海外でのメンバー稼働に時間を割かれたことや、音楽的に過渡期にあったためか、この時期に以前ほどの華々しいヒットは少なく、その中で2002年にメンバーの西川隆弘が脱退し、以降は吉田美和と中村正人の二人体制となった。

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