プログラミング+αが必要?日本の将来を支えるIT人材になるために大学で学ぶべきこととは

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今、ITエンジニアは高校生に人気の職業の代表格だ。

 

ソニー生命が2017年に実施した調査によると、男子中高生がなりたい仕事の1位はITエンジニア・プログラマー。

 

ちなみに、研究機関などの分析によると、この先、人口が減少する日本では、製造業をはじめ多くの業界が徐々に右肩下がりになっていくが、IT業界は成長を続けていくと言われている。

 

高校生たちの目の付け所はすごくいいのだ。

 

ただし、「ITエンジニアって何する人?」と聞かれると、正確に答えられる高校生はそれほど多くはないかもしれない。

 

一般的には「プログラミング言語を使ってアプリなどを作る仕事」というイメージだろうか。

 

しかし、実際にはIT人材の活躍の場は、今、大きく広がってきており、だからこそ社会的な期待もニーズも高まっているのだ。

 

何がどう変わってきているのか?

 

工学院大学 情報学部 システム数理学科 学科長の三木良雄教授に教えてもらおう。

 

1.情報産業の中心は「ものづくり」から「サービス」へ

2.世の中を便利にし、人々のライフスタイルを変える!

3.大学で基礎を固めれば技術の進化にも対応できる

4.大学の授業や大学生活を通して人や世の中を知ろう

情報産業の中心は「ものづくり」から「サービス」へ

「私たち教授世代が学生だったころに大学の情報系の学部・学科が生まれましたが、当時は国産のコンピュータを作る人材を養成するのが主な目的でした。

 

その後、コンピュータ上で動くソフトウェアの開発に主流が移っていきます。

 

ここまでは『ものづくり』の仕事のイメージですね。

 

しかし、今や、情報産業の中心は、目に見えないしくみやサービスの開発。

 

第二次産業から第三次産業へと変わってきているのです」

高校生だと、ITといえば、まずはスマホアプリやゲームの開発が頭に浮かぶところだろう。

 

これらにしても、多くのユーザーがネットワークでつながったり、さまざまな情報をリアルタイムで集約したりする新しいしくみが、次々に今までにないサービスや楽しみ方を実現している。

 

また、例えば、電車の自動改札や電子マネーなど、私たちが日常生活で利用しているさまざまなサービスも、ITによってどんどん便利になっている。

 

ビジネスの世界でも、ITを使って膨大なデータを分析し、新しい事業や戦略を考えることは今や当たり前。

 

製造業や農業も、ITの導入によって合理的で人の力に頼らない生産が可能になってきた。

 

世の中を便利にし、人々のライフスタイルを変える!

 

これからの領域でいえば、金融業界で注目される「ビットコイン」や、家電などの活用法を広げる「IoT(モノのインターネット)」といったキーワードは高校生も聞いたことがあるはず。

 

さらに、ロボットや自動運転をはじめさまざまな分野で活用が期待される「AI(人工知能)」はITのなかでも特にホットなテーマ。

 

とにかく、今までの「ものづくり」の範囲を大きく超えて、世の中全体の発展をITがリードしている状況だ。

 

どうだろう?

 

「プログラミング言語を使う専門技術者」という先入観があった人も、イメージがガラリと変わったのでは?

 

IT人材は、今や、新しいしくみやサービスを生み出すことで世の中を便利にし、人々のライフスタイルまでも変えていく創造的な職業になっているのだ。 「活躍の場もIT企業だけにとどまりません。

 

業界を問わず一般企業でもIT人材は幅広く求められていますし、そのニーズはどんどん高まっていきます」

大学で基礎を固めれば技術の進化にも対応できる

さて、そうなると、IT人材を目指す高校生にとっては、大学でどんなことを学ぶかが大きなポイントになる。

 

もはや、いくつか言語をマスターして、プログラムが書ければOKという世界ではないからだ。

「高校生から、『どんな言語を身につければいいんですか』と質問されることも多いのですが、実はそこはあまり重要ではないのです。

 

むしろ、コンピュータやプログラムがどのようにして動くのか、基礎の部分をしっかりと身につけてほしい。

 

技術はどんどん新しくなっていきますが、基礎がわかっていれば対応ができますから」

また、基礎の一つとして大切なのが、ものごとを論理的に考えるセンス。

 

この力は数学や論理学などの学問を通して養われる。

 

プログラムを作成するときに必要なのはもちろん、新しいしくみやサービスのアイデアを技術に落とし込んでいく際にも大切な力だ。

 

大学の授業や大学生活を通して人や世の中を知ろう

そして、世の中に必要とされるしくみ、サービスを発想するためには、IT以外の知識も大学で身につけておきたい。

 

例えば、ビジネスの領域で活躍するなら経営学や会計学、家電やロボットなどの領域で活躍するなら機械工学などの知識が必要になってくる。

「授業で学ぶことだけではありません。

 

私のゼミでは委員会活動に取り組んでいる学生が多いのですが、非常にいいことですね。

 

学生生活全般を通して、人や世の中に興味をもち、理解を深めることもこれからのIT人材には大切です。

 

本学は新宿にキャンパスがあるのですが、街の中で学ぶことだってたくさんあるはずです」

このように学ぶこと、身につけるべきことはたくさんあるが、それだけに将来の可能性は二重丸。

 

三木教授も「世の中を変えることができる仕事。興味がある人はぜひチャレンジしてほしいですね」とエールを送る。

 

 

なお、大学選びに当たっては、進路の選択肢が広がっているからこそ、オープンキャンパスなどでしっかりと情報収集することが大切。

 

AI、クラウドコンピューティング、IoT、情報セキュリティなどニーズの高い先端技術に対応した学部・学科も続々登場しているので、将来の方向性をある程度検討したうえで、カリキュラムや学修環境などをチェックしてみよう。

 

 

投稿プログラミング+αが必要?日本の将来を支えるIT人材になるために大学で学ぶべきこととはは【スタディサプリ進路】高校生に関するニュースを配信の最初に登場しました。

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