憲法の観点では…アルマーニ標準服の泰明小、弁護士の見解

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憲法の観点では…アルマーニ標準服の泰明小、弁護士の見解
J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」(ナビゲーター:グローバー)のワンコーナー「UP CLOSE」。2月19日(月)のオンエアでは、月曜日のニュース・スーパーバイザーを務める津田大介が、東京・銀座にある泰明小学校における、アルマーニ監修の標準服騒動について、学校問題に詳しい弁護士の高島惇さんと一緒に考えました。

上着などの基本一式で4万円余り、バッグなど全てを揃えると8万円を超え、保護者からも「高すぎる」などの声が出ています。

泰明小学校の和田利次校長は保護者に対し、「泰明小学校は特別な存在。泰明小学校のあるべき姿」と書かれた文章を配って、アルマーニ監修の標準服の導入に理解を求めているそうです。子どもの観点からみると、どんな問題があるのでしょうか。

一連の騒動について、高島さんは「結論から言うと、この件は少しやりすぎだったのではないか」と話します。プロセスが強引だったところや、特認校であっても公立の小学校として、これだけの高級な標準服を設けることが、憲法26条2項の問題が多少なりとも生じていると指摘します。

憲法26条2項は「教育費の無償」について定められ、一般的な判例では主に授業料の無償についてのことが多く、教材などを含むものではないと解釈されているそうです。その一方で、義務教育の場合には、いくら判例上で授業料のみであっても、それ以外の部分であまりにも過度な費用を課すことになってしまえば、それは結局、義務教育を定めた憲法26条2項に反するのではないかという話は出てくるのでは、とのこと。

最近は学校の個性を強く押しだし、“スクールアイデンティティ”という言葉も聞かれます。その一方で、スクールアイデンティティとは学校のイメージであり、「スクールアイデンティティがある」ということと、「個々の生徒のアイデンティティをどう育むか」は別問題で考えるべきだと高島さんは指摘します。

「今回、和田校長は、『アルマーニの標準服を着ることで、泰明小学校の生徒であるという自覚が学校外でも芽生える』と発言をしているのですが、たとえば1つの校風があるとき、その校風に素直に従う生徒もいれば、校風に反発する生徒もいると思います。そのように様々な生徒がいるクラスで生活することで、価値観の多様性や共存を学んでいくのではないでしょうか」

「『泰明小のスクールアイデンティティはこうだから、みんな一律に従いましょう』という思想が背景にあるなら、それはかえって個々の生徒の価値観の可能性が閉ざされてしまうのではないか」と高島さんは考えを語っていました。

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【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:月・火・水・木曜 19時−21時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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