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「ユーチューバーになりたい息子」親が取るべき対応は?

「ユーチューバーになりたい息子」親が取るべき対応は?

2020年、教育改革の一環として「大学入試」が変わることになっています。

大きな変化の一つは、従来の「センター入試」に代わり、「大学入学共通テスト」が導入されること。「共通テスト」ではマークシート試験に加えて記述式問題が出題され、英語は段階的に英検などの外部試験に移行します。

今回の入試改革の本質は、より根本から子どもたちの「学び」を変え、複雑化した現代社会を生き抜くための能力を伸ばす教育をすることにあります。

そんな新たな時代を拓く教育改革について論じているのが『不安な未来を生き抜く最強の子育て 2020年からの大学入試改革に打ち勝つ「学び」の極意』(佐藤優、井戸まさえ著、集英社刊)。

大学入試改革の内容とは? これからの子どもたちの「学び」はどのように変わる? そして、親はどのように改革に対応するべきなのか?著者の一人であり、自身も五人のお子さんを持つ親でもある井戸まさえさんにお話を伺いました。

今回はインタビューの後編をお届けします。

■子どもの進路選びに親はどの程度参加すべきか?

――中学生の息子さんが「ユーチューバーになりたい」と話していることが書かれていましたが、お子さんに自分自身の将来の真剣に考えてもらうために取り組んでいらっしゃることはありますか?

井戸:それはなかなか難しい問題です。たとえば、子どもに「あなたは医者か弁護士を目指しなさい」と誘導することでうまくいくこともあるでしょう。

ただ、私も五人の子どもを育ててきてわかるのは、「子どもは自分ではない」ということなんです。親には、子どもを水飲み場まで連れて行くことはできます。でも、水を飲む意思がない子に「飲め飲め」と言っても飲まないんですよ。

なので、親にできることというのはある程度決まっているのだと思います。子どもが何かをやりたいと言い出した時にそれを応援しながらも、危険だったら「危険だよ」と言ってあげるくらいしかできることはないんですよね。特に中学高学年以降は。「ユーチューバーになりたい」と言っているのは、前にもお話しした中学3年生の子どものことですが、本書で佐藤先生に相談しています。一言でいえば結論は「見守れ」ということですが、詳しくは本書をご覧くださいね(笑)

何かに強い興味とか好奇心とか行動力が、何か別のものにつながることもあるわけで、簡単に否定はしてはいけないなんだろうなと思いますね。

――本書では、教育格差についても論じておられます。教育格差は経済問題であるという現状がありますが、現実問題として、経済的に余裕がない家庭で、子どもの教育の質を高めるためにできることはありますか?

井戸:これは大変悩ましいことですね。たとえば、経済的に恵まれない方やシングルマザーの家庭のお子さんのために無償で塾を開くなど、学びを提供しているところもあります。そういった環境を活用していくことも一つの方法ですが、なかなか全部の方が利用できるまでには、広がってはいません。

ただ、誰でもできることもあります。佐藤先生と私が共通しているのが「本を読むこと」ことですね。本書でも、何度も読書の大切さに触れています。それは、教育改革後も変わらず重要だと。読書であれば、学校や地域の図書館を利用すれば、お金もかからず誰でも学びを得ることができますからぜひ、読書を楽しんでください。

――「図書館で本を読む」となると参考書や学術書をイメージしてしまいがちですが、ご著書の中で読書についてお話しされているところでは、ミヒャエル・エンデの『モモ』やマーク・トウェイン『ハックルベリ・フィンの冒険』などの古典的な小説が挙がっていましたね。

井戸:優れた古典は時間を超えて、今につながる普遍的な本質を描いていますよね。それがすんなりと心に入ってくるところが、小説のすごいところ。

私の5番めの子どもは、中学2年生ですが、芥川龍之介が大好きです。芥川龍之介も古典ですが、彼が中国などのさらに古い古典に題材を取ったものが、とても面白いと喜んで読んでいます。中国のお話も読んだけど、「それより芥川がパクって書いたもののほうが全然面白い」と。

芥川龍之介や夏目漱石とか、文豪と呼ばれた人たちは、さらに昔の古い古い古典に学んで、物語の題材やツボ、つまりは「型」を押さえているんですよね。その上で「型くずし」をする。そうした関係についても、読んでいるとわかってきます。

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