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仕事で存在する3人種。「デキる人」「デキない人」あと一人とは?ーーマンガ「エンゼルバンク」に学ぶビジネス

『プロフェッショナルサラリーマン(プレジデント社、小学館文庫)』『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」(日本経済新聞出版社)』等のベストセラー著者である俣野成敏さんに、ビジネスの視点で名作マンガを解説いただくコーナー。今回は、三田紀房先生の『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』の第11回目です。

『エンゼルバンク』から学ぶ!【本日の一言】

こんにちは。俣野成敏です。

名作マンガは、ビジネス書に勝るとも劣らない、多くの示唆に富んでいます。ストーリーの面白さもさることながら、何気ないセリフの中にも、人生やビジネスについて深く考えさせられるものが少なくありません。そうした名作マンガの中から、私が特にオススメしたい一言をピックアップして解説することによって、その深い意味を味わっていただけたら幸いです。

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©三田紀房/コルク

【本日の一言】

「(我々は人材を)A・B・Cの3つに分類する」(『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』第2巻 キャリア16より)

龍山高校の英語教師だった井野真々子(いのままこ)は、10年目にして仕事に飽きてしまい、転職を決意します。井野は、かつて一緒に働いていた弁護士の桜木建二(さくらぎけんじ)に相談。桜木は以前、経営破綻の危機にあった龍山高校で教鞭を取っていた時期があり、東大合格者を排出することによって当校を救った救世主でした。

井野から話を聞いた桜木は、転職エージェント会社の転職代理人・海老沢康生(えびさわやすお)を紹介。井野は海老沢の下でキャリアパートナーとして働くことになりますが・・・。

仕事がデキる人とは“作業が上手な人”のことではない

キャリアパートナーの井野が、次に担当することになった転職希望者は、中堅工作機械メーカーで設計エンジニアとして働いている50歳の斉藤。引き続き、エンジニアとしての転職を希望しています。

井野は、自分よりもずっとベテランの斉藤から「年収は少しくらい低くなっても構いませんので」と頼まれ、海老沢に相談します。海老沢は、「若手ではない20〜50代の転職の場合、まずはその人のタイプを見分けるところから始まる」と説明します。海老沢の理論によれば、人材とは主にA・B・Cの3つのパターンに分類できるのだと言います。

「Aとは、優秀でどこへ行っても活躍できる人。けれど、実際はそんな人はほとんどいない。Bも優秀だが、他の場所へ行くと本領を発揮できなくなる人。Cは優秀ではないので、転職しないほうがいい人。転職希望者が、まずはこの3つのどれに当てはまるのかを、見極めることが重要」だと海老沢は言います。「多くの人は、『仕事とは作業のこと』だと思っているが、本来は人間関係のこと。人間関係が円滑な人が、仕事がデキる人」だと説明するのでした。

ビジネスで大切なのは「成果をもたらせる関係づくり」

くれぐれも誤解しないでいただきたいのですが、「円滑な人間関係が築ける人」というのは、何も「優しい言葉がかけられる」とか「ジョークがうまい」といったような、表面上の関係づくりのことを指すのではありません。仕事における人間関係については、世界的な経営学者であるP・F・ドラッカー氏が、自著の中でこのように述べています。

「仕事上の関係において成果がなければ、温かな会話や感情も無意味である。貧しい関係のとりつくろいにすぎない。逆に関係者全員に成果をもたらす関係であれば、失礼な言葉があっても人間関係を壊すことはない」(P・F・ドラッカー『経営者の条件』)

確かに、コミュニケーション能力や話し方などが上手であるに越したことはないでしょう。けれど、それらはすべて「お互いが仕事で貢献できる関係にある」ことの上に成り立っている、ということです。

ABC理論を顧客分類に応用する

海老沢のABC理論を応用することに関してですが、自分の顧客分類などに利用してみるのも、効果的かもしれません。たとえば、今いる顧客を以下の3つに分類してみます。

A:ニーズが一致し、かつ自社が役に立てる顧客

顧客のニーズと自社のサービスが合致し、サービスを提供することによって、顧客を満足させ、自社も利益を得ることができる関係

B:条件等の不一致により、自社が役に立てない顧客

サービスと顧客の支払い能力が釣り合っていなかったり、現状のニーズの不一致だったりして、自社の力が十分に発揮できない関係

C:自社の顧客になれない顧客

クレーマーやサービス対象外等により、どうやっても関係性が築けない顧客

この顧客分類を行う目的とは、「自社が本当にお役に立てる顧客は誰かを見極め、その人によりよいサービスをするため」です。つまり、極端に言うのであれば「顧客を差別するため」です。通常、顧客はサービスを利用する際に、他との比較を行い、より自分の希望にかなったサービスを提供してくれるところを探します。

それと同じように、提供側も「より自社のサービスにふさわしい相手を見つけて、その人により多くの資源を投入する」必要があります。商売をする上で、「いかに自社が貢献できる相手を特別扱いするか?」というのは、とても大切なことです。

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©三田紀房/コルク

以後の人材市場は、優秀な人がますます少なくなる

マンガの話に戻りますと、会社の人材について、これからの時代は、ますますAタイプの人材(どこへ行っても優秀な人)は取り合いの時代になっていくでしょう。現在は、起業に対する敷居が低くなっている世の中ですから、Aタイプの人は、サラリーマンをやっているよりも、独立起業の選択をするケースも増えていくと思われるからです。

となると、残りはBタイプの人材(優秀だが、転職をしたら能力が発揮できなくなる人)を、いかに上手く活用していくかにかかっている、ということになります。特に、「Bをどうやって転職という舞台に乗せていくか?」というのが、マンガの主人公・井野がこれからクリアしていかなくてはいけない大きな課題です。ということは、今後、転職請負人の差別化としては、即戦力の見極めはもとより、中期的に見た教育というプロセス(候補者の醸成)を、いかに業務フローに組み込むかにかかっていくのかもしれません。

俣野成敏(またの・なるとし)

大学卒業後、シチズン時計(株)入社。リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。31歳でアウトレット流通を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)と『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に12万部を超えるベストセラーに。近著では、日本経済新聞出版社からシリーズ2作品目となる『トップ1%の人だけが知っている「仮想通貨の真実」』を上梓。著作累計は38万部。2012年に独立後は、ビジネスオーナーや投資家としての活動の傍ら、私塾『プロ研』を創設。マネースクール等を主宰する。メディア掲載実績多数。『ZUU online』『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも寄稿している。『まぐまぐ大賞2016』で1位(MONEY VOICE賞)を受賞。一般社団法人日本IFP協会金融教育顧問。

俣野成敏 公式サイト

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