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残業減らすなら「退社時間」と「●●●●」を申告しよう

『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)の著者である石川和男さん。石川さんは、建設会社総務部長・大学講師・専門学校講師・セミナー講師・税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパービジネスパーソンです。そんな石川さんに「残業しないチームと残業だらけチームの特徴」についてお聞きしました。f:id:k_kushida:20180208204058j:plain

ダイエットも残業も申告することで減らすことができる

私の知人で、フェイスブックのダイエットグループに参加していた人がいました。ゲーム感覚で行っていましたが「グループの中にはダイエットに成功した人も失敗した人もいる」と言っていました。

何が違っていたのかというと、成功した人はグループに毎日体重を申告していたのに対し、失敗した人はたまにしか申告していなかったそうです。

人間は意志が弱いものです。強制力が働かないとラクなほうへ流れてしまいます。

残業についても同じことが言えます。

私が以前勤めていた会社では、各部署での残業時間にバラつきがありました。A部署は仕事量が多く、B部署は少ないというわけではありません。量的にはさほど変わらないのに、差が生じていたのです。

何が違っていたかというと、残業が少ないチームは残業を申告制にし、残業が多いチームは申告していなかったということです。残業が多いチームは何時までに帰るという意識が弱く、残業してしまうのです

そこで私は、残業が多いチームのリーダーに「退社時間を申告制にしましょう」とアドバイスしました。

申告するだけで「個人事」が「チーム事」に変わる

残業が少ないチームは、朝礼で社員が何時に帰るかを自己申告します。先程のダイエットグループもそうですが、人は宣言すると、「それをしなくてはいけない」という強制力が自然に働きます。

これを社会心理学で「予言の自己成就」と言います。人は意識的にせよ、無意識にせよ、自分の思い描いた行動に出たがる習性があります。思い描いたことを毎回宣言するだけで、思い描いた人間になろうとするのです。

さらに皆の前で宣言し合うことで、「今日、部長は5時に帰るので、4時には書類を終わらせて4時15分までには相談しなければ間に合わない」「アイツは6時に帰ると言っていたけど、指示していた仕事は間に合うのかな? 昼休みのあとに中間報告するように言わないとな」というように、チーム全体の動きを見ることもできるのです。

しかし、申告制にすることにより問題も発生しました。

宣言通り定時で帰っていきましたが、仕事を持ち帰るメンバーがいたのです。持ち帰った書類を失くしてしまい、そのことが発覚しました。

宣言通り残業しないのはいいのですが、家に持ち帰って仕事をしていては本末転倒です。

仕事とプライベートの境界がなくなり精神衛生上良くないばかりか、自宅に資料を持ち帰ると情報漏えいなどのコンプライアンスの問題も発生します。

仕事内容も共有することでチーム全体の残業が減っていく

そこで、退社時間とともに今日行う仕事の内容もいっしょに申告するようにしました。

そうすることで、「この時期Cさんは優先順位の高い仕事が多くて、Dさん、Eさんは比較的重要性の低い仕事を行っているから少し分担しよう」「新人のFくんにはどの仕事から行うかミーティングをしないと明日でもいい仕事からやり残業する恐れがあるな」「課長が4時から役員会議に参加する。会議の間近だとピリピリしているから午前中に相談しておいた方がいいな」など内容を知ることで的確な段取りを組めるようになるのです。

リーダーは、申告時間に帰れない仕事量だと判断したときには、「その仕事は今日中に行わなければならないのか?」「得意先に対する資料か、単なる社内に回覧する資料か?」「チームで手伝えることはないか?」などを考えられるようになったのです。

このように申告してもらうことで、短時間で終らせる仕組みや、他に得意な人や別の部署にふることができないかを検討することもできます。

仕事内容の「見える化」で、仕事の不均衡も是正できる

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