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村松崇継ソロ公演にMay J.&辻村有記がゲストで登場!村松が手掛けた映画『8年越しの花嫁』や『メアリと魔女の花』楽曲をはじめ「人生初の弾き語り」まで飛び出した集大成のステージをレポート

村松崇継ソロ公演にMay J.&辻村有記がゲストで登場!村松が手掛けた映画『8年越しの花嫁』や『メアリと魔女の花』楽曲をはじめ「人生初の弾き語り」まで飛び出した集大成のステージをレポート

 2018年1月31日、ピアニスト/作曲家/映画音楽家として多彩な活動を展開するアーティスト村松崇継のライブが、六本木・ビルボードライブ東京にて行われた。

村松崇継 ライブ写真(全3枚)

 満員の観客がその登場を待ち望む中、定刻過ぎに村松とバンドメンバーがともにオンステージ。この日のライブは村松に加え、望月清文(ギター)、竹下欣伸(ベース)、鍵冨弦太郎(バイオリン)、山下由紀子(パーカッション)が参加。村松の紡ぎ出す多彩な音楽世界を各奏者が的確な演奏でサポートした。

 村松は高校時代の1990年代に、ピアニストとしてデビュー。大学時代に映画音楽の世界に足を踏み入れると、【第40回日本アカデミー賞】<優秀音楽賞>に輝いた『64-ロクヨン-前編』をはじめ数々のフィルムスコアを手がけ、その才能に注目が集まった。一方で、継続的に自身のソロ作品も発表。特に、昨年夏からは自らステージに立つアーティストとしての活動を本格化し、公演に先立って掲載されたBillboard JAPANのインタビューでも「“ピアニストがポップスをやる”という点にこだわっている」と語るなど、アーティストとして確固たる意志を見せてきた。

 この日のライブもそんな思いを裏付けるように、ポップな「笑顔こそ最高のジュエリー」からスタート。独特の歌うようなピアノの音色が序盤から存分に発揮され、輝きを放つ。続く二曲目はジャジーな「The Magic Is Gone」。竹下は楽器をウッドベースに持ち替え、エレガントながらもダイナミックな楽曲の展開が観客を魅了する。言葉はなくとも実に饒舌な演奏だ。

 その後、最初のMCパートへ。まずは外が冷え込む中、会場へ駆けつけた観客へ感謝と挨拶を述べる。そして「続いては皆さまを村松崇継のフィルムスコアの世界へご案内します」と前置きし、自ら「代表曲」と呼ぶ3曲の演奏に移った。1曲目は【第41回日本アカデミー賞】で<優秀音楽賞>に輝いた『8年越しの花嫁 奇跡の実話』より「繋がり始めた新たな糸」。ピアノのメインテーマが繰り返す中、様々な表情を引き出す村松の演奏、バンドのアレンジも秀逸だ。続く2曲目の『コールドケース メインテーマ』では、望月のエレキ・ギターがディストーションをまとい、それまでとは一味違う不穏なムードを作り上げる。パーカッションの音量もここまでで最大となり、バイオリンがアナーキーに弾ける中、村松のピアノも力強く躍動する1曲となった。そして「フィルムスコア」編の3曲目は「京都 ~悠久の時を超えて」。和風のメロディが会場を包み、ここでもまたガラリと雰囲気が変化した。こうして1曲1曲で全く異なる世界観を描き出す力に、作曲家としての才覚を感じずにはいられなかった。

 「映画音楽を作るのは孤独な作業なので、こうしてライブ活動でファンに会えるのは嬉しい」というMCで一旦、会場を和ませた後は、昨年ヒットを記録した映画『メアリと魔女の花』から「呪文の神髄」「メアリのテーマ」を演奏。演奏の場面転換の切り替えの早さとスムースさに、またしても作曲家としての器の大きさを感じつつ、風景を描くような村松のアルペジオと、凝った編曲をスラスラとこなすバンドの演奏を堪能。村松の手がけた名曲の数々に触れているうちに、瞬く間に時間が過ぎてゆくのだった。

 この日は二人のスペシャル・ゲストもライブに参加。中盤ではその一人である辻村有記が登場した。両者は1月31日にリリースされたコラボ曲「Light feat.村松崇継」をともに披露。演奏前には村松が、辻村がかつて所属していたHaKUのファンでもあったことを明かし、辻村も「(HaKUを辞めて)1人でやっていくにあたって、新しいことを探求していきたい」という期待に応えてくれた、村松への感謝を述べた。そのパフォーマンスは辻村がMCで発した「心で踊るダンスミュージック」という言葉の通り、EDMのトラックに合わせて辻村の歌とダンス、村松のピアノがパワフルに舞うユニークなもの。ライティングもビビットに変化し、ダンスクラブにいるような、これまでと雰囲気の異なる演奏となった。

 辻村とのコラボの後は、村松のオリジナル楽曲が3曲続いた。「Sausalito」では、ファンキーなスラップベースから演奏がスタート。また、「真実の行方」ではジャジー・ピアノとアフリカン・ビートが融合。そして「浴衣に袖を通して」では、和風のメロディに16ビートの心地よいグルーヴが溶け込み、体ほぐれる心地よい感覚が広がった。ポップ作品を前にした時の、アレンジの引き出しの多さが改めて印象に残る3曲であった。

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