体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

ナチスも利用した? ワーグナーの手法を利用した新しい芸術プロジェクト

J-WAVEがいま注目するさまざまなトピックをお届けする日曜夜の番組「J-WAVE SELECTION」。2月4日(日)のオンエアでは、「WAGNER PROJECTT〜9日間のラップの学校〜」(ナビゲーター:DJAIKO62)と題し、2017年に、KAAT神奈川芸術劇場で上演された『ワーグナー・プロジェクト』−「ニュルンベルクのマイスタージンガー」にフォーカスしました。

ドイツの作曲家、リヒャルト・ワーグナー。19世紀に活躍したワーグナーのオペラに、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」という作品があります。

歌の師匠(マイスタージンガー)で歌合戦の審査員長のハンス・ザックスは、突然よそからやってきたヴァルターの歌に衝撃を受けます。ヴァルターに歌の詩と作法を教え、新しい芸術の可能性をこのよそ者に託しました。そして、ヴァルターは見事に歌合戦で優勝。ヴァルターを育てあげたハンス・ザックスが称賛され、オペラは幕を閉じます。

この歌合戦をラップに置き換えたプロジェクトが、2017年にKAAT神奈川芸術劇場で上演されました。Port Bの高山明さんの演出・構成による「ワーグナー・プロジェクト」−「ニュルンベルクのマイスタージンガー」です。一般応募でオーディションを勝ち抜いた参加者が、演出家やラッパー、詩人などの講師からのレクチャーやワークショップを受け、9日目の最終日まで表現することについて、学び考えました。

今から3年ほど前、高山さんは東京オリンピックがどんどんと盛り上がる時期に、盛り上がりや祝祭のあり方、都市のお祭りについて考えたと言います。そのなかで、「ワーグナーは観客の集中力や注意をすべて舞台上に集めてしまうほど、非常に求心的で統合力が強く、都市の祝祭をつくる第一級の人だ」と再認識したそうです。

求心力が強い祭りを作るために、ワーグナーの手法はいまだに使われているそうで、過去にはナチスが政治利用でうまく利用したと言われています。ヒトラーは自分が党大会で入場するときに、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の序曲を流し、観衆に高揚感を感じさせたそう。

「今の時代、東京オリンピックという人を高揚させるニンジンを目先にぶら下げて、『これだけ見ていればいい』と、みんなの意識や注意が向かっていると思ったので、構造的にはナチスのやり方と似ていると感じました。その元となる作品『ニュルンベルクのマイスタージンガー』と、私はどう向き合えるのかを試してみたかったんです」(高山さん)

その気づきをきっかけに、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を研究していった高山さんは「この作品を、ストリートで歌合戦をするオペラだと考えるようになりました。それを現代に置き換えると、ヒップホップのラッパーたちだとピンときたので、ラッパーたちによるストリートの歌合戦を作ろうと考えたんです」と、このプロジェクトのきっかけを語りました。

この記事の放送回をradikoで聴く
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「J-WAVE SELECTION」
放送日時:毎週日曜 22時−22時54分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/jwaveplus/

J-WAVEニュースの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。