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職人とのチームワークでつくる「京鹿の子絞り」の絞り染め技術。老舗メーカー・藤井絞さんに伺いました

しばって、挟んで、染料につける…ひたすらその作業を繰り返してできる”絞り染め

着物を着る人だったら、1度は触れたことがあるのではないでしょうか?立体感のある絞り染めは振袖となると豪華ですし、小紋などの普段着にも、絞り柄が散りばめられていることもありますね。

今回は、京都の伝統工芸品、京鹿の子絞りのメーカーである藤井絞株式会社社長・藤井浩一さんに、絞り染めのこと、京鹿の子絞りの特徴などを伺いました。

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藤井絞社長・藤井浩一さん

 

染めの着物・絞り染めとは

絞り染めのルーツ

もともとは、インドやアフリカで自然発生的に2000年前に布に柄をつける技法として発展したことに起源がある、世界で一番古い染色技術と言われています。そこからシルクロードを渡って日本にやってきたのは、今から1300年前の奈良時代のこと。

正倉院には、絞り染めを施された生地が残されています。

奈良時代に伝わった染色技術”天平の三纈(てんぴょうのさんけち)

絞り染めが日本に伝わった奈良時代には色々なことが中国からやってきました。染色技術については、臈纈(ろうけち)夾纈(きょうけち)、纐纈(こうけち)の3つが伝わり、これを「天平の三纈」と呼びます(纈(けち)というのは、「絞り染め」という意味)。

①臈纈(ろうけち)…蝋(現在のろうけつ染め)
②夾纈(きょうけち)…夾(「挟む」の意味)
③纐纈(こうけち)…纐(「しぼる」の意味)

現在では、②と③にあたる技術が絞りと呼ばれるもので、糸で布を括って柄をつける技術、染料につけたときに色が入らないように防染して絵を表現する技術を「絞り」と呼んでいます。

絞り

 

下絵が必要なほど精巧な技術、京鹿の子絞り

絞りの着物は見た目も柄も独特なので、あまり着物に馴染みのない人でも見てわかる生地が多いかと思います。絞りといえば愛知県の有松絞りは、浴衣で良く目にする代表的な絞りの生地ですね。

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有松絞りの浴衣は一枚はほしい憧れ浴衣の一つではないでしょうか

京鹿の子絞りと有松絞り何が違うのか藤井さんにお伺いさせていただきました。

 

「有松絞の歴史は今から400年前くらい。江戸時代の参勤交代によって日本全国と江戸の間で大規模な人の移動が起こりましたよね。このときに豊後(今の大分県)の人が、宿場町であった有松に絞りの技術を教えたのが始まりと言われています。旅の途中のお土産として発展していったので高価な絹ではなく木綿に絞りを施しました。

対して、京鹿の子絞りは基本的には絹に対して柄付けを行うものが多いです。そして下絵を描かいてそれを忠実にどう絞るのかを考えていくというのが大きく異なることです。」(藤井さん)

 

なるほど、歴史を紐解くと発展の仕方が異なるようですね。でも、下絵が必要な柄とは、見た目の違いがそんなにあるのでしょうか?実際の製作工程を見てみると、下絵がなくては描けない、京鹿の子絞りの精巧な作りがわかります。

 

絞り染め|京鹿の子絞りの製作工程

下絵とは、柄をしばるところに描かれる目印。下絵のあるなしで何が異なるのか、実際に作り方を教えて頂きました。

京鹿の子絞りの製作工程①:本青花で下絵を描く

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