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大切なのはハート 集合住宅「母力」が仕掛ける”つながる育児”【育住近接(1)】

育児を支える”つながり”を生む集合住宅の先駆け、母力の仕掛け人に聞く【育住近接(1)】

育児中は体力も神経も使うもの。核家族化が進んだ現代、全てをお母さんが抱え込み、つらくなってしまうケースもあるようです。そこで最近注目されているのが、育児を支える仕組みを備えた住まい。今回は子育て世代の”つながり”をつくることをコンセプトにしたへーベルメゾン「母力」をご紹介します。育住近接

近年、保育園や学童保育施設などをマンションや団地内に設置する「育住近接」というトレンドが生まれています。「育住近接」を実現させた物件や団体の取り組み事例を紹介する企画です。

お母さんが本当に求めているのは、ハートで育児ができる住まい

核家族化や共働き世代の増加を背景に、育児環境の孤立が問題になっています。両親が忙しく、子どもと過ごす時間が少ないうえに、祖父母が遠方に住んでいたり仕事をしていたりして、頼れない。そんな問題を解決する育児環境を備えたマンションが注目されているのです。

今回は子育て世代の”つながり”をつくることをコンセプトにし、2012年10月に1棟目が完成したへーベルメゾン「母力」。現在は各地に10棟の規模に拡大している同ブランドのマンションを、企画開発する旭化成ホームズの玉光祥子(たまみつ しょうこ)さんにお話を伺いました。

「ファミリー賃貸というコンセプトの住宅を企画する際に、私たちは子育て中のお母さんたちから、しっかりとヒアリングをしました。ハウスメーカー主導で企画すると、一般的には子育てに適した間取りや設備など、スペックを整えることを先に考えてしまいがちです。でも生の声に耳を傾けると、実は皆さんが一様に求めていらしたのはハートの部分、つまり人と人との関係性だということが分かったのです」(玉光さん)

例えば子どもの足音や夜泣きを気にしたり、また知っている人が誰もいない環境で子育てすることに不安を感じたり。そんなストレスや孤立感を解消するには、スペックを整えるだけでは不十分と考え、旭化成はお母さんが自ら発信し、学び合うコミュニティ「お母さん大学」とコラボレーションすることになりました。

「『お母さん大学』とのコラボレーションから生まれた企画として、母力には母力サポーターという気軽に相談できる先輩お母さん的な立ち位置のスタッフがいます。入居しているお母さん方のお話を伺ったりアドバイスを伝えたりして、不安を軽減してもらうサポートを行っています」(玉光さん)

その他にも、入居の際に近所付き合いがある前提を承諾してもらう、先に入居している住人への紹介を行うなどの、コミュニケーションのきっかけづくりをしているそう。【画像1】お母さんたちとのディスカッション風景(写真提供/旭化成ホームズ)

【画像1】お母さんたちとのディスカッション風景(写真提供/旭化成ホームズ)

始動から5年たち、入居者主導の暮らしづくりが進行中

1棟目の物件である「母力むさしの」が完成してから5年、入居者同士のコミュニティはどのように育ってきているのでしょうか。

「思った以上に入居者さんが住まいの管理やコミュニティづくりに自主的にかかわってくれています。実は当初は私たち主導で年に何回かイベントを開催するなどの働きかけをすることを考えていたのですが、フタを開けてみると入居者のコミュニティは顔合わせのきっかけがあれば、自然にできあがってくることが分かりました。ですから私たちは入居者さん同士の自立したコミュニティを見守りサポートするスタンスに変わってきています」(玉光さん)

実際に入居者の方に話を聞いてみると、5歳と3歳のお子さんがいるKさんは「庭で子どもたちが遊んでいるときに『ちょっと夕食の準備をしたいので』といって、他のママに子どもたちを見てもらい、その間に夕食の準備をすることがあります」とのこと。

また、4歳と2歳のお子さんをもつHさんは、夫の転勤で大阪から東京に引越してきたそう。母力に入居する前は、知り合いがいなくて孤独を感じることがあり、仕事で疲れて帰ってきた夫に当たったり、話を聞いてほしくてしゃべり倒したりすることもあったそうです。「今は日中、いろんなママさんと話ができているので夫に当たることも、しゃべりかけ攻撃もしなくなりました」と話してくれました。

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