体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

ブリティッシュロックの最高峰として今も君臨する『レッド・ツェッペリン II』

1969年にリリースされ、ブリティッシュロック界の至宝とされるのがレッド・ツェッペリンのデビュー作『レッド・ツェッペリン I』と2ndアルバムの『レッド・ツェッペリンII』である。どちらも極めて優れたアルバムで、1年の間に2枚の秀作をリリースするという彼らの才能には驚愕するばかりだが、特に2作目の『レッド・ツェッペリン II』は、デビュー作の成功で長期のツアー生活を余儀なくされた中で制作されたにもかかわらず、ライヴの熱狂が乗り移ったかのような圧倒的なグルーブ感と、後のハードロックやヘヴィメタルのプロトタイプがぎっしり詰まった稀有な名盤である。
これだけはおさえたい洋楽名盤列伝! (okmusic UP's)
2007年のアメリカ音楽で

今から10年ほど前、ツェッペリンのリードヴォーカリストのロバート・プラントは、アメリカブルーグラス界のスーパースターであるアリソン・クラウスと組んだデュエットアルバム『Raising Sand』(‘07)でグラミー賞を獲得している。プラントは年齢のためか、ツェッペリン時代のハリのある高音ではなく、低音の語るような歌い方になってはいたが、とても味わい深いシンガーに変貌していたのが印象的であった。

同じ年、ツェッペリンのベーシストであったジョン・ポール・ジョーンズもアメリカでアンクル・アールという女性トラッドグループのアルバム『Waterloo, Tennessee』のプロデュースを務め、自らベース、マンドリン、マンドラを演奏しているのだが、こちらも燻銀のような渋いプレイをしている。

レッド・ツェッペリンというグループはハードロックやヘヴィメタルの基礎を作った始祖として知られるが、実は彼らのすごさは前述した内容でも分かるように、多くのルーツミュージックに支えられ、自分たちの音楽を創り上げたと言っても過言ではない。ジミー・ペイジ(Gu)にしてもジョン・ボーナム(Dr)にしても、ブリティッシュトラッドや民族音楽の影響を相当受けており、それゆえにあれだけスケールの大きな音楽が創造できたのである。
ニュー・ヤードバーズから レッド・ツェッペリンへ

レッド・ツェッペリンが結成された時、最初のうちはジミー・ペイジが在籍しているという理由で注目されていたのだが、それは彼がヤードバーズのメンバー時代にエリック・クラプトンやジェフ・ベックを凌ぐギタリストとしての力量が知られていたからだ。しかし、ペイジはヤードバーズ時代にはすでにギタリストとしてだけでなく、プロデューサーとしての手腕も相当な実力だったのだ。

ペイジはヤードバーズに加入する前から、多くのセッションやプロデュースを手掛けており、彼の思い描く音楽をヤードバーズで具現化すべくメンバーになったと言ってもよいかもしれない。ただ、ヤードバーズに参加した当初はベース奏者としてプレイしていた。ギターに転向(ジェフ・ベックとツインリードの時期もある)してからは、すでにグループは分裂しかけていた。仮に分裂しそうでなくともペイジのやろうとしている音楽のレベルに技術的に達しているメンバーはジェフ・ベック以外におらず、そのベックをはじめ、ヴォーカルのキース・レルフも、ドラムのジム・マッカーティすら脱退してしまった。

結局、残ったペイジが新たなメンバーをスカウトすることになる。そのメンバーが、プラント、ポール・ジョーンズ、ボーナム(要するにツェッペリン)で、契約上の問題から当初はニュー・ヤードバーズというグループ名で活動を開始する。これが1968年、そしてすぐレッド・ツェッペリンに改名し、たった30時間強で録音したデビューアルバム『レッド・ツェッペリン I』をリリース、全米・全英とも10位以内に入る大ヒットを記録する。

僕が最初にこのデビューアルバムを聴いたのは中1の時だが、1曲目の「Good Times Bad Times」にぶっ飛んだ記憶がある。今55歳以上の洋楽好きは、おそらく全員そう思ったはずだ。ギターのリフ、ヴォーカル、ドラム、ベースライン、その全てがこれまでのロックとは大きく違っていたのである。この曲はハードロックという言葉が市民権を得た最初期のナンバーである。
デビューアルバムの成功と過酷なツアー

デビューアルバム発売直前、アメリカツアーが敢行されることになり、大成功を収める。その結果、アルバムは爆発的に売れ、グループは多忙な日々(1年間にイギリスツアー4回、アメリカツアー4回!)を送ることになるのだが、レコード会社の要請もあって、2ndアルバムのレコーディングもスタートさせる。録音はツアーの合間をぬって行なわれたため、多くのレコーディングスタジオが使われることになった。
本作『レッド・ツェッペリン II』 について

1 2次のページ
エンタメ
OKMusicの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。