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『広辞苑』編集者が明かす、今回入れるか迷った言葉

『広辞苑』編集者が明かす、今回入れるか迷った言葉
J–WAVE日曜深夜の番組「GROWING REED」(ナビゲーター:岡田准一)。1月21日(日)のオンエアでは、岩波書店辞典編集部副部長の平木靖成さんをゲストにお迎えしました。

平木さんが手がけるのは日本の辞典の最高峰『広辞苑』。1993年から辞典編集部に入り、20年以上に渡って『広辞苑』の編集に携わっている、辞典づくりのプロです。1955年の刊行から60年もの間改定を重ね、10年ぶりに刊行された第7版は、まさに今を生きる日本人の言葉が詰まっています。

入社した年は宣伝部で、2年目から辞典編集部に移ったという平木さん。もう25年くらいずっと辞典作りをされていることになるのですが、まず辞典を作るには何が必要なのでしょう?

「好奇心と想像力でしょうか。特に広辞苑で言いますと、古語から現代語まで、それから分野としても自然科学から文学、歴史、料理、スポーツなど幅広い分野の言葉を集めていますので、どの項目を見ても興味をもってひとつずつ見ていける、そういう関心があるといいなと思います」(平木さん、以下同)

辞典には項目ごとの関係性があるそうで、例えば「Aという項目はBを見なさい」ということが書いてあれば、当然Bという項目が必要になります。

「また例えば、『DNA』と『デオキシリボ核酸』と両方とも解説があるとムダですので、どちらか(例えばDNA)に寄せる。そうすると解説文章は全部、DNAに揃えなきゃいけないとか…。そういうことがありますので、ここに1ヵ所修正を入れたら、あとどこに修正を加えなきゃいけないだろうっていう想像力を働かせられる人ですね」と平木さん。

究極の編集能力があればいいのかと思っていた岡田ですが、それだけではない要素が必要なのですね。

広辞苑は今年の1月12日に第7版が刊行されました。これは10年ぶりの改訂になります。改訂のスパンは決まっておらず、これまで最短は7年、最長は14年だったそう。

今回の広辞苑は25万語収録、全3216ページ。厚さは8センチにもなります。この8センチという厚さは機械で作る製本の限界で、それ以上になると手作業になってしまうので、大量生産ができません。

初版から7版までの間に文字数もページ数もかなり増えているのですが、見た目があまり変わらないのは、新しく専門の紙を開発し、薄さを変えて対応しているから。ということは、どんどん1ページの薄さが変わっているわけですが、辞典としての丈夫さや、めくりやすさも必要です。とても高度な技術が使われている、と平木さん。

さて、今回広辞苑に新しく入った言葉には「がっつり」「お姫様抱っこ」「朝ドラ」「小悪魔」「自撮り」「アプリ」などがあります。追加する基準は「日本語として定着した言葉」かどうか。しかしそれは、「若い人からお年寄りまで知っているから定着している」というだけではなく、一部の分野でしか知られていない言葉も、「その分野としては定着した」と判断できれば追加されるそうです。

そんな中、今回ギリギリまで入れるか迷った言葉が「豊洲市場」。結果的には入りませんでしたが、原稿までは作っていて、しかし豊洲市場がいつできるかわからなかったので、落としたのだそうです。

この他、「広辞苑」について、たくさんの裏話が聞けた、とても興味深いオンエアとなりました。

【番組情報】
番組名:「GROWING REED」
放送日時:毎週日曜 24時−25時
オフィシャルサイト: http://www.j-wave.co.jp/original/growingreed/

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