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クラフトビールでホップの里の危機を救う。岩手県「遠野醸造」の挑戦

クラフトビールでホップの里の危機を救う。岩手県「遠野醸造」の挑戦

2017年11月、取材のため岩手県遠野市を訪れた。

実は昔からの友人が遠野に移住し、この土地でクラフトビールをつくることになったのだが、彼らの取り組みの経緯やビジョンのユニークさに今、日本各地のビールファンたちから熱い視線が注がれていることを知った。クラフトビールでホップの里の危機を救う。岩手県「遠野醸造」の挑戦

「Brewing Tono」の
ビジョン

ビールの主原料であり、味の決め手となるホップ。遠野は50年以上の歴史を持つ、日本随一のホップ生産地(作付面積で国内1位、生産量で国内2位)として知られている。クラフトビールでホップの里の危機を救う。岩手県「遠野醸造」の挑戦

しかし近年、高齢化や後継者不足により生産者が年々減少しており、かつて240戸ほどあったホップ生産農家も、現在では40戸弱しか残っていないという。

2016年、この生産者減少の課題に対して、行政、民間企業、ホップ生産者、ビール醸造家、そして地域の人々を巻き込んだ一大プロジェクト「Brewing Tono」が立ち上がった。遠野を、「ホップの里」から「ビールの里」にしようという大きな理想を掲げて。クラフトビールでホップの里の危機を救う。岩手県「遠野醸造」の挑戦

「Brewing Tono」が思い描く夢は、とれたてホップの香りに包まれながら、地元でとれた食材をホップ生産者や醸造家と囲んで、遠野産ビールで乾杯すること。

すでに毎年夏には、遠野で「ホップ収穫祭」も行われるようになった。最終的には、たくさんのマイクロブルワリー(小規模生産の醸造所)が遠野に生まれ、遠野産ホップを使った個性的なビールを求めて、日本各地から、そして世界中からビールファンたちが集まる町になる。そんなビジョンがある。

遠野産ホップで
「香る」クラフトビールを

大学時代からの友人である袴田大輔さんは、まさにこのプロジェクトの中核を担うビール醸造家として、遠野へやってきた。かつては熊本のユニクロで店長を務めていた男だが、学生時代の世界一周の旅でビール文化の豊かさに惹かれた。

クラフトビールへの情熱が彼を突き動かし、遠野でのプロジェクトに参画することに。半年間にわたる醸造研修を受け、2017年11月、仲間とともに「株式会社 遠野醸造」を設立した。クラフトビールでホップの里の危機を救う。岩手県「遠野醸造」の挑戦 ぼくが遠野を訪れたとき、ちょうど遠野醸造のキックオフパーティーが開かれた。まだ自分たちのクラフトビールがない状態だ。決まっているのは、これからこの会場がブルワリーになるということと、2018年4月にブルワリーが完成するという構想だけ(下は内観イメージ)。クラフトビールでホップの里の危機を救う。岩手県「遠野醸造」の挑戦 それにもかかわらず、予想をはるかに超える120名もの人々が集まり、ホップ生産者さんや行政の方も含め、地域の方々から多大なる期待と応援を受けていことに驚きを隠せなかった。テレビ局の取材まであった。これは必ず素晴らしい取り組みになるだろうな、というイメージが鮮明に湧いた。クラフトビールでホップの里の危機を救う。岩手県「遠野醸造」の挑戦

そのパーティーの中で、「Brewing Tono」プロジェクトに当初から携わっていた、キリン株式会社の浅井隆平さんからお話を聞くことができた。ポートランド視察で受けた衝撃が、この構想のきっかけになったと話していた。

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