夏だけじゃない!秋・冬が快適!バーベキューの楽しみ方
「バーベキューといえば、夏」と思われがちですが、実はそうではありません。秋・冬は美味しい旬の食材が豊富なので、工夫次第ではバーベキューもより楽しむことができそうですね。そこで、意外に知らないバーベキューの基本やより楽しむ方法を、日本バーベキュー協会会長の下城民夫氏に伺ってきました。
実は日本のバーベキューはただの焼肉!?本当のバーベキューとは?
――アメリカでは年中バーベキューを楽しむようですが、日本とアメリカのバーベキューの違いを教えてください。
日本バーベキュー協会が日本に伝えている「本場アメリカのバーベキュー」の違いをご説明します。
大きな違いは、バーベキューで焼く肉の大きさです。日本のバーベキューで焼く肉は薄い肉ですが、本場アメリカのバーベキューで焼く肉は大きい肉のかたまりです。アメリカでは大きい肉のかたまりをじっくりと時間をかけて焼き上げ、切ってみんなでシェアします。牛肉のブリスケットのように、部位によっては焼き時間はスモークで12~13時間かけることもあります。
日本で河川敷や公園で一般的に行われているバーベキューはアメリカでは「コリアンバーベキュー」と言われていて、いわゆる「焼肉」のことになっています。
――日本では「焼肉」を野外で行うことが「バーベキュー」と思われているということですね。
日本では、バーベキューは「野外で焼肉を食べるアウトドア」と思われていますが、アメリカのバーベキューは「大きい肉をおいしくするための調理」であり、その肉をみんなで分け合って交流を深める「パーティー」なのです。同じ肉をみんなで分け合うことで仲間意識が自然に生まれます。それがバーベキューの素晴らしさです。
また、アメリカではバーベキューは競いあうスポーツでもあり、バーベキューコンテストをお祭りのように大規模に行っています。2018年には日本でも初めてアメリカのような本格バーベキューコンテストを開催する予定で、その先駆けに昨年の12月17日に、日本で初めてステーキのコンテストを開催する予定です。
簡単に実践できるバーベキュー、4つの基本ポイント
――簡単に実践できるバーベキューの基本を教えてください。
1.下ごしらえはお家で済ませる
バーベキューの下ごしらえはお家で済ませることをおすすめしています。野菜を切る、お肉をハーブで漬け込むなど、食材の下ごしらえはお家で行い、バーベキュー会場に持っていきます。お家のキッチンだと設備や調味料も整っていますし、持っていく道具も少なく済みます。バーベキュー会場の近くのスーパーで食材を買い、バーベキュー場で全ての調理をする場合は、お肉のトレーや野菜の皮などのゴミも出てしまいますが、お家で下ごしらえを済ませることでゴミも少なくなります。
2.焼ける前の1品を用意する
焼かなくても直ぐに食べられる1品をあらかじめ作って持っていくことをおすすめします。そうすることで焼き上げる前の時間に、空腹も気持ちも落ち着かせます。クラッカーの上にクリームチーズをのせたものなど、簡単なもので十分なので1品あるとよいと思います。
3.グリルの半分は炭を敷かないで焼く
バーベキューで肉を焼くスタイルは色々あります。最も多いのが炭火の上に網を引いて焼く「直火焼き」スタイルであり、グリルの半分は炭を敷かないで焼く焼き方があります。この焼き方は、2つのゾーンを作ることから「ツーゾーンファイヤー」と呼んでいます。
炭を敷いた部分を「ダイレクトゾーン」と言い、強火が必要な牛ステーキ、直火が適している野菜、シーフードを焼きます。また、炭を敷いていない方を「キープゾーン」と言い、スモークでじっくり焼きたい豚や鶏を焼いたり、ダイレクトゾーンで焼いた牛、野菜、シーフードを置いて保温します。焼いたものを保温できる場所があると、時間がたっても熱々でおいしい肉が食べられます。
4.エンドバーベキューを楽しむ
バーベキューの最後を我々は「エンドバーベキュー」と呼んでいます。バーベキューの終盤に残っている炭を集めて山型にして炭の温度を上げ、マシュマロ、ウィンナー、チーズなどを串に刺して、山型に積み上げた炭の上で炙って焼きます。
――エンドバーベキューでおすすめの1品を教えてください。
アメリカのバーベキューにかかせないのが「マシュマロ焼き」です。アメリカ人はその焼いたマシュマロをチョコレートで挟み、さらにグラハムクラッカーではさんだ「スモア」を好みます。日本バーベキュー協会では、アルミホイルトレイにマシュマロとフルーツをふんだんに入れ、アルミホイルで蓋をして焼く「フルーツバス」もバーベキューデザートとしておススメしています。
焚火!屋根付き会場で楽しむ!秋・冬バーベキューの過ごし方
――秋冬のバーベキューの楽しみ方を教えてください。
寒さ対策として、同時に焚火ができたり、室内と行き来できる場所で行うとよいでしょう。そうすることで、バーベキュー中に寒くなっても室内へ暖を取りにいけます。 バーベキューで焼くのは外、食べるのは室内など、上手な外と室内を組み合わせると冬のバーベキューも楽しめます。
また、天候に関わらず屋根付きの会場を選んだり、タープテントを用意したりしましょう。屋根があるだけで晴れの日は直射日光を防げ、急に雨が降っても安心です。
料理としては、体が温まるスープ料理をバーベキューの1品として用意するとよいと思います。
――バーベキューならではのスープ料理を教えてください。
肉、野菜などをごった煮にして、バーベキューソースで味付けした「ブランズウィック・シチュー」というものがあります。元々は、バーベキューでどうしても発生してしまう肉の切れ端や残った野菜などを活用する目的で作られたスープ料理です。お家でも簡単に作れます。
――秋・冬にもおすすめの首都圏のバーベキュー会場を教えてください。
WILD MAGIC(ワイルドマジック)/豊洲
豊富な食材のメニューにかたまり肉があり、ちょっとリッチな本格的なバーベキュー料理が楽しむことができる都心の広い敷地にあるオシャレな雰囲気の会場です。夜も営業しているため花火の持込もできます。
⇒料金:設備、道具、本格的な食材も付いたスタンダードBBQプラン5,000円~
川崎マリエン 中公園・バーベキュー場
駐車場がバーベキュー場と近い公共の施設のため、機材をバーベキュー会場に運びやすく、施設利用料や機材のレンタルも低額です。公園ではめずらしく屋根付きのエリアがあります。
⇒料金:かまど付き1,000円(土日祝日1,200円)、かまどなし500円(土日祝日600円)。※レンタルはこん炉、テーブル、パラソルなど 200~500円
大井ふ頭中央海浜公園バーベキューエリア
日の出から日没まで年中無休、予約なしで誰でも無料で使える嬉しい会場です。多くの樹木に囲まれた運河沿いですが、川沿いでも風が少ないため寒さを感じにくいかもしれません。
⇒料金:無料
築地川公園デイキャンプ場
築地の駅近にあり、築地場外などのお買い物も便利な都心のバーベキュー施設です。無料で利用でき、鉄板なども借りられます。中央区に在住・在勤者限定ですが、予約も困難な人気会場です。築地で買った新鮮な魚介類を直ぐにバーベキューできるのは嬉しいですね。
⇒料金:無料(中央区の在住、在勤者のみ)
事前準備&快適な場所選びで秋・冬バーベキューを実践しよう!
意外と知らないバーベキューの基本。工夫次第で色々な楽しみ方がありますね。日本では夏にバーベキューをやるイメージがありますが、秋・冬もバーベキューを楽しんでみてはいかがでしょうか。夏よりも日差しが気にならないので、ゆっくり快適に過ごせるかもしれません。バーベキューは人と人との交流を自然に深めるでもパーティーでもあるので、年中楽しみたいものですね。 ■プロフィール
下城民夫 (しもじょう たみお)
アウトドアジャーナリスト時代に、世界のさまざまな国へ取材に出た際、海外のバーベキューにふれ、日本のバーベキューの文化度の低さに驚き、日本にも正しいBBQの文化を浸透させようと2006年に日本バーベキュー協会を設立。本場アメリカBBQコンテストに日本チーム「BBQ SHOGUN」として出場中。 また日本人初のアメリカのBBQコンテストの審査の資格を持つ
■日本バーベキュー協会 ホームページ http://www.jbbqa.org/index.htm
■日本バーベキュー協会 フェイスブックス https://www.facebook.com/jbbqahonbu/
(「バーベキュー検定」のスケジュールはフェイスブックスページで発信しています)
(取材・執筆 水谷恵理子)
(写真提供・日本バーベキュー協会)
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