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「この会社に自社を売却したい!」という出会いを創出する「新たなM&A」のカタチとは?

「この会社に自社を売却したい!」という出会いを創出する「新たなM&A」のカタチとは?

後継者不足に悩む多くの中小企業経営者が、今注目している「M&A」。大切に育ててきた会社を存続させ、従業員の雇用と将来、経営者自身の生活を守る選択肢の一つとして、現実的に検討する経営者が増えている。

事業を清算しても債務超過の危険性があり、従業員の人生に大きな影響を与えてしまう「廃業」。後継者に大きな負担を強いる「身内への事業承継」。経営と資本を分離させることで、経営者は引退できるものの、高いハードルがある「株式上場」。こうしたデメリットとリスクが大きい選択と一線を画すのが「M&A」という方法だ。

「純資産3000万円」「営業利益が1500万円」「従業員数3、4名程度」の規模の会社でも、1億円ほどで売買成立するケースも多く、M&Aは中小企業にとって実現できる可能性の高い、会社存続の手段だという。

そんな中小企業経営者のための「M&A」の方法を紹介した『M&Aという選択』(プレジデント社刊)の著者で、M&Aアドバイザリー事業及びM&Aプラットフォーム事業を行う「株式会社FUNDBOOK」代表取締役CEO・畑野幸治氏へのインタビュー。

前編では、M&Aのメリットや、畑野氏が目指す「関わる人すべてが幸せになるM&A」についての思いをお聞きした。後編では、M&Aの社会的意義、畑野氏が目指すM&Aの在り方についてお話を伺っていく。

(新刊JP編集部)

■「M&A」で会社が存続していく意義とは?

――現在の日本の中小企業は後継者不足に悩まされている現状があります。そんな中で「M&A」によって企業を存続させることの社会的意義にはどのようなことが挙げられますか?

畑野幸治氏(以下、畑野):1つ目は、企業数が維持されていくということです。

日本経済を支える中小企業の数は385万社で、日本の企業の99.7%を占めています(2012年・総務省統計局 経済センサス‐活動調査)。中小企業の後継者不足による廃業が防げれば、日本のGDPの維持に直結することにもなると思います。

2つ目は、今後10年間で100万社以上が廃業していくという統計がある中、雇用の維持という点でも大きな役割を果たすと思います。

3つ目は、技術やサービスの継承です。日本の中小企業の中には、世界的に見ても水準の高い技術やサービスを持っているところが多いので、それらが継承されることにも大きな意義があると思います。

廃業ではなく、「M&A」によって企業を存続させるということは、今後の日本を支えていく上でも、非常に重要な役割を果たしていると思います。

――昨今では、国や自治体も事業承継の問題を解消しようとする動きがあります。平成25年4月には中小企業庁が「事業承継支援センター」を設置しました。こうした支援の効果は見え始めているのでしょうか?

畑野:実際には、相当厳しいと言わざるを得ないです。

2016年には、支援センターに1万7千件の問い合わせがあったそうですが、そのうち成約に至ったのは700件ほどです。これは全体から見れば相当少ない。もちろん一社でも救われる会社があるのは良い事ですが、規模に対しての効果としては、正直、期待できません。

また、現在、M&Aのマッチングサイトも十数件ほどありますが、あまり機能していないのが実情です。

国の支援センターも、民間のアドバイザリー企業と組まないと成立させられないと思います。

さらに言えば、買い手と売り手をつなぐだけで「あとは当事者同士でご自由にどうぞ」というM&Aは成立が難しいことも問題です。

M&Aには様々な交渉事が出てきます。たとえば、譲受企業サイドでは「帳簿に不正はないか」「この企業は収益を出し続けられるのか」といった心配があり、譲渡企業サイドでは、「従業員の雇用は守ってもらえるのか」「本当に信用していい人なのか」といった不安があります。このように、疑い合わなければいけない交渉事が、6ヶ月~1年程度続きます。

これから一緒にやっていくパートナーなのに、そんなやりとりばかりをしていたら、お互いに疑い合う毎日の積み重ねで疑心暗鬼になり、企業間の結婚は成立しません。これは、譲渡対価が大きくなればなるほど起こる現象で、間に入るアドバイザーがいない状態で「あとはご自由にどうぞ」だと、よほどの信頼関係がない限り、交渉が頓挫してしまいます。

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