体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

【mol-74 インタビュー】最後の作品になったとしても後悔のない作品を作ろうと思った

これまでサポートを務めていた髙橋涼馬(Ba)が11月に正式加入し、4人体制になったmol-74がミニアルバム『▷ (Saisei)』をリリース。作品のタイトルをはじめ、録音再生機器のボタンのマークをイメージした記号を付けたタイトルが並んだ今作について、武市和希(Vo&Gu&Key)に訊いた
L→R 井上雄斗(Gu)、髙橋涼馬(Ba)、坂東志洋(Dr)、武市和希(Vo&Gu&Key) (okmusic UP's)
──これまでサポートを務めていた髙橋涼馬さんが11月に正式加入しましたが、4人になったことで何か意識の変化はありましたか?
「正直な話、まだ実感がないんですよね。というのも、髙橋は6月からサポートをしてくれてて、その時からメンバーのようにmol-74のことを考えてくれてたので。それは曲作りにしてもそうなんですけど。なので、アー写が4人になってることが一番の実感かと思います(笑)。」
──今回のミニアルバム『▷ (Saisei)』も作品のテーマを決めてから楽曲を作ったのですか?「◁◁ (瞼)」以外は全部そうですね。というか、「◁◁ (瞼)」が髙橋と作った最初の曲で、これができた時に全体像がぼんやりと浮かんだんです。だいたい僕たちはアルバムタイトル、コンセプトを決めてからアルバム制作に取り掛かるので、今作も「◁◁ (瞼)」を軸として全体の流れを考えて、それに似合う曲を制作しました。
──前ミニアルバム『colors』は“色”というテーマを持って取り掛かった作品でしたが、今作は“▷ (Saisei)”というタイトルをはじめ、録音再生機器のボタンのマークをイメージしたタイトルが並んでいて。
「最初は“曲名が記号だらけのアルバムとか面白そうだなぁ”っていう、ほんと漠然としたものだったんですよね。前々作の『kanki』、前作の『colors』はmol-74としての幅を広げようと制作してたんですけど、次はもっとmol-74の本質的な部分に焦点を当てて作りたいなぁと思ったんです。一番最初に全国流通でリリースした『越冬のマーチ』は“僕らにしかできないことをやってやろう”とか“面白いことをやってやろう”っていう気持ちで制作したもので、前々作、前作でmol-74というバンドのポップを追求した反動といいますか、その頃のメンタリティーを思い出そうよっていう空気にバンドがなっていったんです。仮に次の作品が最後の作品になったとしても、mol-74として後悔のない作品を作ろうっていう。そこで曲のタイトルが記号なんて、『越冬のマーチ』の頃の僕たちなら絶対面白いと思って制作し始めるだろうなって(笑)。それにたまたまですけど、そういう想いにまさしく“▷”マークが再生するという意味でもぴったりだったのもあって、そこから全体像を詰めていったという感じですね。メンバーがひとり増えたことも踏まえて、これからの僕たちを“再生”させるという意味も込めてます。」
──楽曲のタイトルも単純に記号というわけではなく、例えば「| | (Frozen Time)」は“Frozen” にかけた“| |”(一時停止)、「◁◁ (瞼)」は過去を思い起こす曲だから“◁◁”(早戻し)など、曲と記号でイコールになっている部分もあるのかなと。
「はい。イコールになってます。というのも、もともとは本当に記号だけにしようと企ててたんですけど、現実問題としてラジオで流れた時とか、カラオケとか、実際自分たちがその曲を読み上げる時に読めないというのはちょっと不便だなぁと(笑)。なので、別に曲名を付けました。」
──でも、そういったことができるのは、テーマや世界観を絞ってもmol-74らしさを出せるという想いがあるからなのかと思うのですが。
「ありますね、もうそれは。『kanki』の「%」でmol-74らしさというものが出せた時点で、ある程度そこは掴めました。しっかりと歌がある上で風景描写を主体とした楽曲でリスナーそれぞれの生活を映画の一部とした時に、リスナーを主人公にしてあげられることがこのバンドだからこそできることなんじゃないかなと。僕らの楽曲にはそれぞれに季節感、温度感、天気、時間帯、ストーリーといったイメージが必ずあって。それは僕が弾き語りで曲を作った時点でもそうですし、セッションで作ったとしても、先にそういう世界観を共有してから作るので、いかにその自分たちの持ってるイメージに近付けることができるかというのはどの作品でも意識してます。」
──「▷ (Saisei)」のタイトルは音楽などを再生することをイメージさせつつ、先ほど言った通り楽曲には生まれ変わるほうの再生の意味もありますね。
「いわゆるリード曲というものを制作しようといろいろセッションを繰り返していたら、イントロにもなってるベースラインが生まれて、それ良い!ってなったんです。そこにギターのボウイング、ドラムのリズム、歌のメロディーを足していったらすごくしっくりきて制作し始めました。これは意識してたわけではないんですけど、髙橋に正式加入の話をする前にこの曲はできていて、結果的に正式加入後初のリード曲がmol-74として初めてのベースイントロの楽曲というのにも何か縁みたいなものを感じています。」
──嘘を重ねたことで答えを模索しつつ、信じてみようと歌う「▷▷ (夜行)」にはどういった想いが?
「「▷ (Saisei)」の次の曲というのを考えた時に、ストーリー展開的にある程度テンポの速い楽曲であること、そして“そんなすぐに朝は訪れない”というのを表現しようと思って作りました。何かを変えないと、何かに抗わないと、薄々気付いてる本当の自分の答えに向き合わないと朝は来ないよっていう、ある種の自分たちに向けたメッセージにもなってる楽曲です。」
──「□ (StarT)」は歌詞も楽曲もすごくシンプルながら、終盤に向けてアンサンブルで奥行きを見せる一曲で。
「まさしくこのアルバムの締めに相応しい曲になったかと。サビの《君を照らすための光になれなかった それだけのことさ》という歌詞は今作で一番気に入ってるかもしれません。夜から朝へと空が捲れていくようなコード感と坂東のドラムの展開も聴きどころです。」
──今作で挑戦したのはどのようなことでした?
「初めて挑戦して、なおかつ印象付けてる一番の部分は井上のギターのボウイング奏法(ヴァイオリンなどの弓でエレキギターを奏でる奏法)かと思います。最初は苦労してたんですけど、いろいろ研究と練習を重ねて自分のものにしてくれました。あのロー感や音の包容力はボウイングじゃないと表現できないことだなと。「▷ (Saisei)」にしても「| | (Frozen Time)」にしても、ボウイング奏法を取り入れなければ絶対に完成しなかった曲なので。自分らの楽曲制作における絵の具が増えたな、って実感しました。」
──改めてどのような作品になったと思いますか?
「当初のコンセプト通り、mol-74の本質を表現できた作品だと思います。僕たちにしかできない、すごく大切で、大好きなアルバムになりました。シンプルにそう思います。」
──リリース後には対バン2公演、ワンマン8公演の『「▷ (Saisei)」release tour』を開催しますが、どういったツアーになりそうでしょうか?
「対バン編は仲の良いHalo at 四畳半を僕たちの地元である京都と徳島に呼んでのツーマンということで、刺激になりますね。やってる音楽性は違うけど、共有できるものがあって、それは素敵なことなので京都も徳島も来てくれたお客さんに喜んでもらえる一日にしたいなと思ってます。そして、ワンマン編はワンマンとして初めていく場所が多いので不安な部分もあるけど、大好きな場所で長い時間をお客さんと共有できるのはとても楽しみです。あと、打ち上げのグルメやお酒も楽しみですね。全公演良い日にしたいと思います。」
取材:高良美咲
ミニアルバム『▷ (Saisei)』
2018年1月17日発売

Ladder Records

LADR-013

¥1,900(税抜)

ライヴ情報
『「▷ (Saisei)」インストアライブ』

1/17(水) 京都・タワーレコード京都店

1/20(土) 大阪・タワーレコード梅田NU茶屋町店

1/21(日) 愛知・名古屋APOLLO BASE ※アウトストア

1/22(月) 東京・タワーレコード新宿店

1/28(日) 福岡・タワーレコード福岡パルコ店

2/03(土) 北海道・タワーレコード札幌ピヴォ店

『mol-74「▷ (Saisei)」release tour』

1/26(金) 京都・MUSE ※対バン

1/27(土) 徳島・club GRINDHOUSE ※対バン

3/24(土) 宮城・仙台LIVE HOUSE enn 3rd

3/25(日) 新潟・CLUB RIVERST

3/31(土) 北海道・札幌SOUND CRUE

4/06(金) 福岡・the voodoo lounge

4/08(日) 香川・高松TOONICE

4/15(日) 大阪・Music Club JANUS

4/22(日) 愛知・名古屋APOLLO BASE

1 2次のページ
エンタメ
OKMusicの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

山寺宏一&高木渉で『ポプテピピック』

GetNews girl / GetNews boy