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1年前のサイト存亡危機を乗り越え、「nanapi」が創業の原点に立ち返った大幅リニューアルへ

大好きなサイトの制作に関わりたかった

「向こうから歩いてくる人とぶつからずに上手にすれ違う方法」

――現在、Supershipのnanapi編集部でプロデューサーを務める永田ゆにこさんが、熱心な読者時代にnanapiに初めて投稿したのはそんな生活の知恵、ライフレシピだった。

当時はまだフリーのWebデザイナーだった。その後も多くの記事を投稿、読者の「いいね」の反応に一喜一憂する時間を楽しんでいた。

「文章が上手な書き手が多い、読んでいてためになる、編集部と投稿者との間のコミュニケーションが活発。nanapiは2009年のオープン時からずっと好きなサイトでした」

Supership株式会社 nanapi編集部プロデューサー 永田ゆにこさん

好きなサイトの運営に関わりたいと、2010年6月には当時nanapiを運営していたロケットスタートにデザイナー兼ディレクターとして入社。nanapiの集客、マネタイズ、運用、SEOなどに携わり、その後は新規のハウツーサイトやアプリの立ち上げに参画する。

なかでも即レスチャットアプリ「アンサー」から生まれた会話を記事にする「アンサー劇場」は、思い入れの強い企画。チームリーダーとして一からプランニングに関わり、デザイン、グロースハックなどを担った。

「アンサー」が2016年9月にサービスを終了すると、再びnanapi本体の運営に戻ってきた。その頃のnanapiはサイトオープン時とは運営体制も大きく変わり、サイトのコンセプトも微妙にスタート時点とは変化していた。

サービスを維持するためのマネタイズと、nanapiが目指していた未来との板挟みになり、結果、マネタイズ色が強くなってしまっていた。

「目指したのは、まずは記事の数。サイト内の記事量が多いことはSEOの大前提ですから。クラウドソーシングを活用し、とにかく記事を集めました。SEOを強化して、オーガニック検索流入を最大化し、PVを増やすことがプロデューサーとしての第一の目標になりました」

被リンクの獲得、企業とのアライアンス記事などさまざまな施策を繰り出し、実際、2016年中には大幅にPVが増加し、nanapiは順調に成長できていると思っていました。しかし、スタート以来最高のPVを記録した2016年末に、業界を揺るがす大事件が発生する。

「キュレーションメディア問題」の影響で下がり続けるPVをどう回復するか

いわゆる「キュレーションメディア問題」だ。医療系キュレーションサイトで、不正確な記事や著作権無視の転用が次々と見つかり、ひとつのサイトだけではなく多くのサイトで同様の記事が見つかり、その影響はWebメディア業界全体に瞬く間に拡大していった。

「nanapi内部でも以前から記事の著作権や医療・美容関連記事のエビデンスについては課題だと思っていたんですが、十分な対応ができていないうちに、この問題が発生してしまいました」

nanapiも医療・美容、メンタルヘルス、妊娠・出産、育児・教育などにかかわる記事で、エビデンスや著作権が曖昧なものを大幅に削除。その数はコンテンツ全体の約12%に及んだ。弁護士を招いて記事ガイドラインを新たに打ち出すなど、対策に追われた。

nanapiはキュレーションメディアではなく、自社編集部がきちんと取材して出稿する記事も多数あった。

だが、関連サイトに吹く逆風の強さには抗すべくもなかった。記事数の削減は、サイトパワーを大幅に減衰させ、検索順位も下降。PVは瞬く間もなくダウンした。

さらにこの悪い流れを加速させたのが、2017年2月にGoogleが実施した、Google検索エンジンのアルゴリズムの変更だ。検索上位に表示されることのみを重視し、記事の内容や質が低いサイトの検索順位が低くなるというもの。

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