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家事から解放される極楽を追い求めし親たちの冒険。子連れ旅行クロニクル(年代記) by うだひろえ

家事から解放される極楽を追い求めし親たちの冒険。子連れ旅行クロニクル(年代記) by うだひろえ f:id:akasuguedi:20171212170740p:plain 前回のエピソード:「聴いて、認めて、I(わたし)メッセージで伝える」子どもとの関係が安定した会話のコツ by うだひろえ

子連れ旅行クロニクル(年代記)……それは親となった者たちの冒険記。

・0歳代

それは、「息抜き」なんてものではなく、「息継ぎ」。深い海に潜りもがく中で、求める光。

【赤ちゃん歓迎の宿】

『オムツのご用意あります。オムツゴミ箱もあり。荷物軽々☆でお越しください』

マママママジですか!!??

『大浴場にはベビーバス、家族でゆっくり貸切風呂もあります☆』

いいいいいんですか!?

それで、ご飯は朝夕出てくるし、掃除もしなくていいんですよね……!?

ご、ご、ご、極楽じゃ~!

まあ実際は、大人が食事してる間は赤ちゃん交代で抱っこしたり、ベビーバスで赤ちゃん洗うから自分はゆっくり入れなかったり、夜泣きしたら他のお客さんへの迷惑考えて気が気じゃなかったりするけども。

普段の家事育児が110%くらいのキャパオーバー状態ゆえ、赤ちゃんとゴロゴロできる時間がたっぷりある旅行中は、久しぶりに「まともな呼吸ができる」感覚。

ありがたや~!

しかし……我々は、本当の戦いを、まだ、知らなかったのだった。

・1・2歳代

癒しの場であるはずのそこが、戦場となる。

仕掛けられた罠を全て潰さねば、我々に安寧はない。

「わあ、ひろ~い」「きれ~い」案内してくれた仲居さんの手前、感嘆の声を上げつつも、目を光らせる。

「では、ごゆっくり」仲居さんの言葉と、パタリと閉まるドアの音が、開戦の合図。

「そこだ!!」

受話器を上げるだけでフロントにつながる電話。なんという殺傷能力!!こんなもの、奴ら(子ども)に見つかったが最後、受話器上げまくり、適当な番号押しまくり、頼んでないマッサージが来てしまう!!座布団で隠せ!よし、目標、沈黙!!

「な、なんてものを……!!」

ガラスなどのフェイクではなく、本物の、紙が貼られた、障子。破らないわけがないではないか!!外して、壁に立てかけ、その前に荷物やイス、テーブルを移動させる……沈黙!しかし、帰りに全て元に戻すことを考えるだけで、かなりのダメージをくらう。

「ま、まだまだ……っ!」

角の尖ったテーブル「頭をぶつける!壁に寄せろ!角に荷物を置け!」、座椅子「登って遊んで危ない!すみに寄せろ!」、お茶セット「お茶っ葉で遊ぶこと請け合い!冷蔵庫の上へ避難!!」

一つ一つ、確実に仕留めていく。

全て終わった時……我々は大地(畳)に横たわり、勝利の美酒(ビール)に酔いしれる。

まだ、宿の廊下や大浴場で子どもを追いかけ回すミッションが残っているが、その後、子どもが寝てから交代でゆっくり温泉に浸かれることを思えば、なんてことはない。

なんなら、朝風呂だって入れるのだ。勝者に用意された褒美、これらのために、我々の戦いはある。

・現在

5歳の息子と3歳の娘は、子ども料金がかかるようになった。

それは、モンスターではなく、人として認められた証でもあろう。

浴衣などのアメニティも、料理もちゃんと用意されている。

ずいぶんラクになった。もう、部屋に入って、罠を潰す必要はない。

豪華な食事に舌鼓を打ちながら、夫と酒を酌み交わすこともできるのだ……。

「これいらない」

「えっ」

子どもが、豪華なお子様ランチの、エビフライを避ける。

「いいよ、ママが食べるよ」

「あたちも」「はいはい」

「これも」「はいはい」「これも」「……」「ごはんおかわりくださいな!」

仲居さんの視線が痛い。そう。うちの子たちは、なぜだか、豪華な食事を好まない。白飯があればいい、白飯モンスターなのであった。

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