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元リクルートのプロが教える、アルバイトが辞めない職場を作る仕組み

元リクルートのプロが教える、アルバイトが辞めない職場を作る仕組み

有効求人倍率はここ数年右肩上がりが続いている。

2017年9月は1.52倍。アルバイト・パートに限ると1.77倍。そしてサービス業界の有効求人倍率は3.32倍と、まぎれもなく「売り手市場」の状況。慢性的な人手不足に悩む企業は少なくなく、人材が定着しないことで苦しんでいる経営者も多いだろう。

とりわけスタッフが生命線のサービス業にとって、人材の定着は急務だ。奇しくも今、「働き方改革」によって労働環境の改善が求められており、スタッフの満足度を上げなければ人材が定着しないという流れができている。

「スタッフが辞めてしまう現場」を改善するために本腰を入れるならば、今のタイミングがベストだ。

そこで取り上げたいのが、『アルバイトが辞めない職場の作り方』(平賀充記、上林時久著、クロスメディア・マーケティング刊)である。

元リクルートで『From A』『タウンワーク』などの求人媒体の全国統括編集長を務め、現在は採用コンサルティング事業を展開するツナグ・ソリューションズの平賀氏と、やはり元リクルートで、現在は人事コンサル事業を行う上林氏の2人による、実践的な「職場の作り方」が書かれた本書は、多くのヒントをもたらしてくれる。

では、アルバイトが辞めない職場は何が違うのだろうか?

■なぜスタバのアルバイトは生き生きしているのか?

アルバイト先として人気が高い企業の一つとして有名なのがスターバックス(以下、スタバ)だ。著者もスタバについては、「店長がうまく職場をオーガナイズし、職場がイキイキとする。辞められない職場を示す『職場力』が高い」と評価しており、「辞めない職場経営」のシグニチャーブランドと言っても過言ではないと賞賛している。

なぜ、スタバは若者たちから働く場として支持を集めているのか?

その一つ目は、「怒られない職場」であること。実は若者たちは、働く前にその店に客として行き、安全性を確認していると著者は指摘する。スタバではスタッフが怒られるような場面に遭遇することが皆無であり、支持されるポイントの一つとなる。

二つ目は初期教育。スタッフ教育はOJTで済ませてしまう現場も多いが、スタバではOFF-JTの研修から始まり、80時間におよぶ教育を受ける。OJTは入社すぐの新人にとって大きな負担になることが多く、すぐ辞める理由の一つになる。現場の責任者や経営者は、「若者は座学でしっかり教えてほしがっている」ということを肝に銘じるべきだろう。

他にも、アルバイトを通して自身の成長につながる経験をしたり、職場で一緒に高め合える仲間を探している。こうしたインセンティブは時に時給の高さを超える力を持っているようだ。いくら時給が高くとも従業員満足度(ES)が高くなければ、定着はしないのだ。

■入社直後は一番辞める時期。新人に安心感を持たせるには?

しかし、全てのサービス業の現場がスタバのように振る舞うことはできない。ならば、どこをまず改善すべきだろうか。

本書でキーの一つに挙げられているのが「辞めないコミュニケーション」である。これはアルバイトが入社したばかりのタイミングが非常に重要になる。なぜならば、離職は入社半年以内の「新人」の時代に発生しがちであり、とりわけ1ヶ月以内の初期離職は増加傾向にあるからだ。

とにもかくにもスピーディな信頼関係の構築が求められる。そのためにはまず、入社直後1週間以内、遅くとも4週間以内の「フォロー面談」が必須。困っていること悩んでいることを丁寧にヒアリングし、理解する。この「理解する姿勢」が新人に安心感を与える。面談日は初日の段階で設定しておくといい。そうすれば、その日までに嫌なことがあっても、相談できるという希望を持つことができる。

また、サプライズも有効だ。初出勤日に「入社おめでとう」「今日から仲間だ!」と声がけをし、存在を認めてあげるのだ。「仕事ができるようになったら一人前」だとは思わず、入ったばかりでも重要な戦力として迎え入れることが大事なのだろう。

もちろん、他にもコミュニケーションを活性化できる仕掛けはたくさんある。直属の上司とは別に相談しやすいメンター的な先輩を配置したり、職場専用アプリなどの外部ツールを使うことも検討できるはずだ。

 ◇

アルバイトがなかなか定着しないと、スキルやノウハウの継承がうまくいかず、教育コストと、店長の忙しさだけが増えていくばかり。アルバイトが長く働く現場にするためにはできることがたくさんあるはずだ。

また、もう一つ、辞めない職場を作るには「採用」の見直しが必要になる。その部分は本書の第4章を参考にしながら、再設計を検討すべきだろう。

アルバイトが辞めない職場作りは重要な経営課題の一つ。経営者にとっても有用な情報が詰まった一冊だ。

(新刊JP編集部)

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