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【レッドブル・エアレース】チャレンジャークラスの使用機がエッジ540V2に。オーバーGのルールも変更

【レッドブル・エアレース】チャレンジャークラスの使用機がエッジ540V2に。オーバーGのルールも変更

 レッドブル・エアレースの下位カテゴリー、チャレンジャークラスで使用するレース機が2018年シーズンから、現行のエクストラ330LXからマスタークラスでも使用されているエッジ540V2に変更されることになりました。あわせて、オーバーGに関するルールも変更となります。(見出し写真:Joerg Mitter / Red Bull Content Pool)

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 2014年シーズンから始まったチャレンジャークラス。これまで使用してきたレース機は、複座(2人乗り)のエクストラ330LXでした。エクストラ300シリーズは、その扱いやすさと素直な操縦特性で、エアロバティック競技におけるスタンダードとして知られ、多くのエアロバティック選手が愛用する飛行機です。レッドブル・エアレースが始まった当時、参加したパイロットの多くは単座(1人乗り)のエクストラ300Sか、複座(2人乗り)のエクストラ300Lで参戦していました。エクストラ330LXは、排気量の大きいライカミングAEIO-580(9550cc)エンジンを搭載したバージョンです。
【レッドブル・エアレース】チャレンジャークラスの使用機がエッジ540V2に。オーバーGのルールも変更チャレンジャークラスのエクストラ330LX(撮影:咲村珠樹)

 2018年シーズンからは、マスタークラスでも使用しているエッジ540V2をチャレンジャークラスでも使用することになります。エクストラ330LXとエッジ540、両者を比べてみましょう。

 まずエンジンです。エクストラ330LXはライカミングAEIO-580(9550cc/315馬力)を搭載しているのに対し、エッジ540V2はライカミングAEIO-540-EXP(8900cc/300馬力)を搭載しています。エクストラの方が15馬力上回っています。

 次に機体の重量を見てみましょう。エクストラ330LXの空虚重量は660kg、これに対しエッジ540の空虚重量は524kg。実に136kgもエッジ540の方が軽いのです。その分加速が良くなるためスピードが出やすく、軽快に動くことができます。上昇力で言えば、エクストラ330LXは3200フィート/分に対し、エッジ540は3700フィート/分という違いがあります。

 また、エッジ540の主翼平面形はエクストラ330LXと違い、前縁は直線で後縁のみが前進するような形で幅が狭くなっていきます。中島飛行機が戦時中に開発した一式戦「隼」、二式単戦「鍾馗」、四式戦「疾風」と同じ手法です。このような平面形状は、前進翼と似たような効果を持ち、失速限界が高く、より機動性が高いという特性を持っています。つまり、より旋回時に失速しにくく、素早く旋回することが可能であり、レッドブル・エアレースに適した機体であるということです。
【レッドブル・エアレース】チャレンジャークラスの使用機がエッジ540V2に。オーバーGのルールも変更EDGE 540V2(Joerg Mitter/Red Bull Content Pool)

 レーストラックでの速さでは、2017年シーズンの開幕戦アブダビで、マット・ホール選手がメーカーから無改造のエッジ540V3をレンタルして飛んだのを基準とすると、チャレンジャークラスのエクストラ330LXはそれより5〜7秒遅いタイムとなっていました。この速さの違いが、チャレンジャークラスからマスタークラスに昇格したばかりのパイロットを苦しめてきたのです。速さや機動性が違いすぎ、機体の操縦特性に慣れるのに手間取って、優秀な操縦技術を持っていても昇格初年度は勝負にならない……ということを、昇格したばかりのパイロットたちは異口同音に語っていました。

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